【果実の色づきに異変】地球温暖化の影響は広島のフルーツにも 世羅町の農家を取材|地球派宣言
世界的な地球温暖化の影響は広島でも……。
意外と身近なところでおこっています。例えば、いつも口にするフルーツ。
こちらの農家では、あのフルーツに影響が。
暑さの影響で、リンゴの色づきが悪く、本来の赤色が出ないのだそう。
世羅向井農園の向井彰さんは、「夜の温度が下がらないと、どうしても色が入らない。色が来るのを辛抱しすぎると肉質が柔くなって、まずくなる」と言います。
さらに、いまが旬のぶどうにも影響が。
本来、黒くなるはずのピオーネが赤色になっているそうです。
サンワファームの大宮さんは、「今年は特に夏が暑かったので、(色づきの悪いぶどうが)ちょっと多い。今までなら2割ぐらいだったのが、今年は数字的に4割近くになっている。暑さによって酵素の働きが悪くなるので、それが一番の要因」と語ります。
サンワファームでは、栽培技術を工夫するなどして、対策をおこなっています。
そして、温暖化の影響は、世羅町の特産「梨」にも。
世羅幸水農園の光元さんに案内してもらいました。
「これがカメムシの被害のあと。越冬するカメムシが非常に多かったので、大量発生した。そればかりが要因ではないかもしれないが、温暖化が要因の一つではある」と光元さん。
光元さんによると、暑い夏のほうが甘味はつくが日持ちが悪く、雨が少ないと玉太りが悪いのだそう。
「施設の中でいかに改善できるか。ここには一本ずつスプリンクラーがついている。それで水をあげることはできる。そういう施設がないところは、自然のままの栽培になると影響はもっと受ける」と光元さんは言います。
こうした状況は、世羅町に限らず、県内全域に広がっているのだそう。
広島県立総合技術研究所・研究員の藤田さんは、「来年、再来年という、そういう速さではないが、10年くらい経過したら、年々着色不良果が増えていくと思う。農家さんも単価が下がって売り上げも落ちていくというのがいま見込まれる状況。広島県全体としてみても大きな問題」と語ります。
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2024年9月25日放送)