折り鶴アート作家 後藤三枝子さん(船橋市在住)極小の折り鶴による独自の世界
後藤三枝子さんによる折り紙アートは、13ミリ四方の紙で折られた折り鶴と手作りの木が織り成す作品。
今年、市内外2つの展覧会に出品し、それぞれ最高賞を受賞しました。
70歳で折り鶴アートの道へ
後藤三枝子さんが折り鶴アートを始めたのは70歳の時。
小さな折り鶴が本物の木のようにアレンジされたアート作品をテレビで見たことがきっかけだったそうです。
それまで作品を作った経験はなかった後藤さんですが、「自分にもできるかもしれない」と感じ、手に入る材料で制作を開始しました。
それから4年、今では自分のイメージする世界を自在に表現できるまでに技術を高め、6月に東京都美術館で行われた公募展「第21回ZEN展」で大賞、秋に行われた船橋市展でも美術連盟賞を受賞するまでになりました。
米粒大の折り鶴ができるまで
一つの作品を形作る折り鶴はおよそ数百〜千羽。
使用する紙は市販の折り紙を13ミリ四方にカットしたもので、同じ大きさに切りそろえる役目は夫の憲司さんが担っています。
紙の大きさが違うとシャープに折れずにぼんやりした仕上がりになったり、全体のバランスが悪くなったりするそうです。
ピンセットを使い、10分程度で米粒程度の大きさの折り鶴が完成。
後藤さんは「一羽一羽、平和や家族の幸せを願って、のんびり制作しています」と話します。
限りなく本物に近づけた木の質感
作品作りで一番苦労するのはベースとなる木の制作。
本物の木をよく観察し、ワイヤーや造園用のテープを使って表皮の質感や木のウロを忠実に再現します。
一つ一つの作業を根気よく丁寧に行い、イメージする世界に近づけていきます。
「本物の木を使うとうまくいきませんでした。今は全てを手作りしていますが、本物と間違われることも多いです」と後藤さん。
出来上がった木に折り鶴をボンドで接着して作品が完成します。
今年は2つの大きな賞を受賞し、人生の最終章にご褒美をもらったようだと語る後藤さん。
何かを始めるのに遅過ぎることはない、ということを示してくれています。
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