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【横浜市青葉区】もえぎ野中3年生 光田さん 神奈川県人権作文コンテストで発言の責任訴えて優秀賞

タウンニュース

受賞を喜ぶ光田さん

第44回全国中学生人権作文コンテスト神奈川県大会の受賞者が11月19日に発表された。青葉区からは、もえぎ野中学校3年の光田小春さんが、審査員特別賞「ラジオ日本賞」に選出された。

同コンテストは、次代を担う中学生が人権問題に関する作文を通して人権尊重について理解を深め、人権感覚を養うことを目的に法務省が開催している。今年は、県内318校から6万9499編の応募があった。最優秀賞4編、優秀賞12編、金賞14編、銀賞14編が選出された他、優秀賞受賞作品の中から審査員特別賞5編が選ばれた。

光田さんの受賞作品『ジョークと差別の境界』は、ドイツのインターナショナルスクールでの経験をもとに、発言に伴う責任や価値観の尊重を訴えたもの。横浜市大会での最優秀賞受賞を受けて、県大会に推薦された。光田さんは、「自分の経験が評価され、個性が認められたのだと感じ、とてもうれしい」と受賞を喜んだ。

温かい交流を

小学5年生から中学2年生まで、親の仕事の都合でドイツに住んでいた光田さん。多種多様な国籍の生徒が学び、文化が混在するインターナショナルスクールでは、文化や人種に関するジョークも交わされていた。

コロナ禍初期、当時のうわさから「中国が発生源」「近づいたらうつるかも」といったジョークが流行った。「悪意はなく、中国人の生徒も笑っていた。でも、本当は傷ついた気持ちを言えなかったのでは、と思い、心に引っかかっていた」と光田さんは振り返る。

「『ジョークと差別の境界』は、受け取る人の文化や価値観によって変わる。だからこそ、自分の価値観を押し付けず、フラットな視点で相手を知ることが大切だと思う」と光田さん。多様な背景を持つ人々が共に暮らす時代だからこそ、自分の発言が誰にどう届くのか慎重に考え、責任を持つべきだと訴える。差別は日常の中に潜むからこそ、「温かく、正しい交流が社会に広がってほしい」と思いを語った。

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