週の後半は、休憩時間が減って集中力もダウンするという調査結果 効果がある休憩の方法とは?
パーソル総合研究所(東京都江東区)は1月30日、正規雇用で働く20歳から69歳の男女2000人を対象に、インターネットと日記形式で、職場での休憩実態を把握する調査を実施した。
週の後半になるほど休憩時間が減り、集中力もダウン
同調査での「休憩」とは、法律で定められた、労働から離れることができる時間を指す。一般的には「昼休憩」を指すことが多いが、企業の就業規則などによってその実態は異なる。多くは、勤務が6時間超で45分、8時間超で1時間の休憩、飲食休憩、その他の活動が含まれる。
今回の調査では、調査回答者のうち平日週5日出勤している男女800人に、休憩の実態を日記形式で記述してもらっている。その結果によると、45分以上の休憩を取れた割合が最も高いのは月曜日(78.5%)で、金曜日に進むにつれて、45分未満の短い休憩の割合が増加する傾向がうかがえた。
また、休憩後に業務へ集中して取り組めている割合が最も高いのは「月曜日(計44.7%)」で、金曜日には3.2ポイント低下していた。
上司や同僚も休む職場では、休めた実感が高い
休憩で休めていない実感の人は、全体で18.7%。職位別では中間管理職が22.0%と高く、経営層は14.6%となり、8ポイント近い差があった。
なお、休憩で休めている実感のある人には、休めていない実感の人に比べて、「取得する際に、上司や同僚は快く承認してくれる(65.0%)」「直属の上司や同僚が積極的に休憩を取得している(49.9%)」といった傾向が強いという。これは、同じ職場環境にいる人々の行動や態度が、自身の生産性、行動、さらには仕事への取り組み方や満足度に影響を与える「職場のピア効果」が見られていると分析している。
不本意タイプ、自己投資タイプなど 休憩の過ごし方で効果が変わる?
休憩の過ごし方を階層的クラスター分析で分類したところ、「不本意タイプ」「自己投資タイプ」「エンタメ没頭タイプ」「交流タイプ」「仮眠タイプ」「ひとり時間タイプ」の6タイプに分類された。
休めている実感の割合が高かったのは、「自己投資タイプ(「とても休めている」「休めている」の合計55.0%)」、「エンタメ没頭タイプ(同49.0%)」、「交流タイプ(同48.7%)」の順となった。また、休憩後の肉体的な疲労感を感じない割合、精神的疲労感を感じない割合はともに「自己投資タイプ」、続いて「交流タイプ」が高かった。
パーソル総合研究所では、上司・同僚と会話や食事といった「交流」、身体を動かす、自己啓発するなど「自己啓発」型の休憩の過ごし方は、プレゼンティズムが低下し、休憩後の業務への集中が期待でき、効果的な休憩の過ごし方といえると指摘。
一方で、仕事をしながらの休憩や仮眠といった休憩の過ごし方は、プレゼンティズムが高くなり、効果の低い休憩の過ごし方であることがわかった。
同研究所では、適切な休憩時間の確保と過ごし方を知ることで、休憩による効果を最大化できる可能性があると指摘。「交流する休憩」や「エンタメに没頭する休憩」など、自身にとって最適な休憩スタイルを選べることが必要とし、従業員が自然と休憩の質を高められる休憩の居場所を整備すべきと提言している。
調査結果の詳細は、同研究所公式サイトで確認できる。