静岡市のプレミアム商品券 混乱解消後も不満続く 「フェアじゃない」、「説明足りない」
■2次販売の当選発表 予定より大幅に遅れ
当選結果の発表が大幅に遅れた静岡市のプレミアム付きデジタル商品券「シズトク商品券」は、当選者が決まった今も市民の不満が収まっていない。想定を超える申し込みがあったことから、募集期間中に市がルールを急きょ追加したためだ。「説明が足りない」、「フェアじゃない」など、納得していない市民は少なくない。
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静岡市は物価高騰対策の一環として、しずトク商品券を発行した。1口5000円で6250円分の買い物ができる。1人4口まで応募できるため、最大5000円分お得になる。
市は4月1日から応募を始めたが、募集期間の3週間で申し込みは31万口にとどまった。用意した52万口に遠く届かなかったため、6月3日から2次販売を開始した。
21万口が対象となった2次販売には応募が殺到した。申し込みを受け付けた翌日に応募は25万口に到達。結果的に23日までの募集期間で53万口の応募があった。
■募集期間中に突然のルール変更 市民は納得せず
予想を超える応募があったことから、静岡市は当選結果の発表に苦戦した。当初は7月1日の午前中に結果を発表する予定だったが、正午頃に「当落発表は夕方になる見込み」とアプリで通知。さらに、午後7時前には「午後9時頃になる」と修正した。
市は発表時間が大幅に遅れた理由について「非常に多くの申し込みを頂戴したこともあり、システム連携にお時間を頂戴しております」などと説明した。募集締め切りから当選結果発表まで1週間も期間があったため、市民からは「言い訳になっていない」、「見通しが甘い静岡市らしい」といった厳しい意見が飛んだ。
そして、当選結果が発表されてからも市民の不満は収まっていない。その理由は「突然のルール変更」にある。応募数が用意した21万口を超えた6月4日、静岡市は「2次販売は初めて申し込んだ人を優先する」と発表した。
実際、1次販売で購入して2次販売も申し込んだ人からは、2次販売に落選した声が相次いでいる。1次も2次も応募した市民からは「2次販売で初めて申し込んだ人は、1次販売を知らなかった自分の責任。それなのに2次販売は平等性を欠く抽選にするのはおかしい。フェアじゃない」という意見があった。
■「他の事業でも同じ」、「いかにも静岡市」
1次販売で購入して2次販売の抽選で外れた人の声を聞くと、大半は市が急きょ付け加えたルール自体には理解を示している。ただ、ルール変更したタイミングなどには納得していない。次のような声が上がっている。
「勝手にルールを変えるのは疑問。他の事業でも同じことが言えるが、静岡市は市民への説明が足りない」
「初めての申込者を優先して多くの人が恩恵を受けることは良い。ただし、募集時と募集後でルールを変更するのはいかがなものかと思う。誰が変更したのかをはっきりとすべき」
「応募多数の場合は抽選にするという基本的なことさえも想定できていないところが、いかにも静岡市らしい。募集前に今回のルールを伝えていれば市民は納得したはず。当選発表日の混乱もそうだが、静岡市の職員は準備や責任感が欠如している」
静岡市によると、しずトク商品券は現在、静岡市内の飲食店やスーパーなど3500店舗以上で利用できる。利用期間は11月30日までとなっている。
(SHIZUOKA Life編集部)