ツクマテ、“うっかりサ終”からの大復旧 深夜に起きた逆転劇
ゲーム制作ツール「RPGツクールMV/MZ」の、“非公式”素材フォーラム「ツクマテ」が11月26日、サービス終了を発表しました。
しかしその数時間後、27日深夜に今度はサービス終了を撤回。利用者の間に衝撃と喜びの声が広がっています。
■ 「RPGツクールMV/MZ」利用者を支えてきた非公式の素材フォーラム「ツクマテ」
「RPGツクール」シリーズは、プログラミング不要でRPGゲームを制作することが出来るツールのこと。アニメや実写映画にもなったフリーホラーゲームの金字塔「青鬼」は、シリーズの1つである「RPGツクールXP」で制作されています。
そんな「RPGツクール」シリーズのうち、「RPGツクールMV」「RPGツクールMZ」利用者向けの“非公式”素材フォーラムとして公開されていたのが、ゲームクリエイターの弓猫氏が管理・運営するサイト「ツクマテ」です。
「ツクマテ」は「RPGツクールMV/MZ」内で使用できる「素材(グラフィックやSE、音楽等)」や、ツールの機能を拡張する「プラグイン」をユーザー同士で共有する場のほか、ツール使用時の不明点などを相談・質問できるコミュニケーションの場としても機能。
非公式サイトながら、「RPGツクールMV/MZ」利用者であれば誰もが一度は目にしたことがあると言っても過言ではありませんでした。
2015年にサービスを開始し、今年2025年は10周年という節目の年。そんなタイミングで発表されたのは、まさかのサービス終了宣言でした。
■ 10周年の節目に突如としてサービス終了宣言「誤ってデータを飛ばしてしまった」
「ツクマテ」公式Xアカウントは11月26日深夜に「突然のご報告で本当に申し訳ございませんが、本日をもちましてツクマテのサービスを終了させていただきます」と投稿。理由について「誤ってデータを飛ばしてしまった上にバックアップもしそびれており、復旧不可能になりました」と説明しました。
多くの利用者に支えられたサイトの、突然の終了宣言。投稿には利用者から「あまりに急なサービス終了で残念です……」「今までお世話になりました」「本当にありがとうございました」などと悲しみと感謝の声が多数寄せられました。
「RPGツクールMV」の発売当時、公式フォーラムや日本語のリファレンスがなかったことから、趣味の一環として立ち上げられたという「ツクマテ」。
しかしながら10年の間に公式フォーラムが充実し始めたほか、2025年4月末に行ったURL変更に伴い、アクセスは激減。サイト単体で見れば赤字が続いていたそうです。
公式Xは「不慮の事故ではありましたが、役目は終えたかなと思っています」と投稿しており、望まぬ形ではありながらも、悔いのないサービス終了を迎えたかに思われました。
しかし投稿から数時間後、日をまたいだ27日深夜に事態は思わぬ形で好転します。
■ 告知投稿に寄せられたユーザーのリプライで起死回生!深夜に起きた怒涛のサ終回避劇
サービス終了告知に寄せられたユーザーから「サーバーに自動バックアップ機能があるのでは?」というリプライが寄せられ、その情報をもとに弓猫氏は復旧作業を開始。
およそ50分後に「復旧致しましたので、再開します……。本当に申し訳ございませんでした」と投稿し、危ういところでサービス終了を回避することができたと発表しました。
突然のサ終、からの復旧。公式Xの“サ終回避”投稿には「無事でよかったーーーー!!!」「クマテさん長生きしてね」「今後もお世話になります〜」といった喜びの声が相次ぎました。
弓猫氏は「ツクマテ」公式Xを通じて「あわや『うっかりサービス終了』という、とんだ10周年イベントを起こすところでした」「引き続き、個人運営のペースではありますが、しぶとく続けてまいります」とコメント。
さらにサイトのお知らせページにも今回の顛末を記載し「終了告知に対して、1万件を超える『いいね』や、惜しんでくださる多くのリポストをいただき、改めてツクマテが多くの皆様に支えられていることを痛感いたしました」「頼りない運営ではございますが、今後ともツクマテをよろしくお願いいたします」と感謝を述べました。
深夜に起こったサ終回避劇。RPGさながらの怒涛の展開とハッピーエンドに、多くの「RPGツクールMV/MZ」利用者が、ほっと胸を撫で下ろしたことでしょう。
<参考・引用>
ツクマテ公式X(@tkool_m)
ツクマテ公式HP
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025112703.html