相模原市 桜31本、伐採へ 倒木の危険性あると判断
相模原市は2月20日、倒木の危険性があるとして街路樹の桜(ソメイヨシノ)31本を伐採することを発表した。「相模原市民桜まつり」の会場にもなっている市道市役所前通の24本のほか、市道相模原横山の4本、市道南橋本青葉の3本で全て中央区内。3月上旬に実施するとしている。
老木の倒木、全国でも
倒木による事故は近年、全国で相次いで発生している。こうした事態を受け、都市部を中心に街路樹の伐採や植え替えに踏み切る自治体も少なくない。
高度経済成長期に緑化活動の一環で街路樹の整備が進み、当時植えられた樹木は現在では樹齢50〜60年が経過している。相模原市内では虫が媒介する菌によってコナラなどの木が枯れる「ナラ枯れ」の被害も深刻化。2017年に初めて市内で確認され、わずか数年で急激に被害が広がっている。
市内で桜の倒木が発生したケースは10年9月の市道相模原横山のほか、22年8月には市役所前通の沿道に植えられた桜が根の腐朽により倒れた。いずれも人的な被害はなかった。
また23年4月には緑区のキャンプ場で高さ18メートルの木が倒れ、テントで寝ていた夫婦が下敷きになり、20代の女性が亡くなる事故が起きた。木が倒れたのは根元の腐敗が原因とみられている。
相模原市では12年3月に策定した「市役所周辺桜並木の維持管理方針」に基づき樹木診断を定期的に実施し、年間で10数本の伐採を行ってきた。今回は昨年9月から10月にかけて実施した点検の結果も踏まえ、倒木の危険性がある不健全な樹木として31本の伐採を決めた。年間で伐採する規模として過去最多。
中央土木事務所によると、伐採後に新たにソメイヨシノの苗木を9月以降に植える計画で、植える場所については検討しているという。