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山田裕貴の絶妙な“中庸”『ここは今から倫理です。』で魅せるバランス感覚の妙

ドワンゴジェイピー

山田裕貴の絶妙な“中庸”『ここは今から倫理です。』で魅せるバランス感覚の妙

『腐女子、うっかりゲイに告る』や『伝説のお母さん』『いいね!光源氏くん』など、挑戦的な作品が続くNHK「よるドラ」枠。2021年1月16日から放送がスタートした『ここは今から倫理です。』も、放送終了後、大きな反響を呼び次回以降への注目が非常に高まっている。

本作は、20代を中心に人気を誇る雨瀬シオリの学園漫画を実写ドラマ化。倫理教師である高柳が、日々価値観が揺さぶられ続ける世界で、高校生たちの行動を通して、新時代のあるべき“倫理”を問う学園ドラマだ。


倫理教師・高柳を務めるのは若手実力派俳優として確固たる地位を確立している山田裕貴。山田にとって『ホームルーム』(2020年、MBS)、『先生を消す方程式。』(2020年、テレビ朝日系)に続く教師役となる。

『ホームルーム』では、爽やかなイケメンである表の顔を見せつつ、裏では自作自演をおこなうストーカー教師、『先生を消す方程式。』でも、温厚な教師と思わせつつ、その実は黒幕となり同僚教師を生徒たちに殺させようとするサイコパス教師を演じた。


どちらも誠実と狂気という二面性を巧みに表現した山田の演技は高い評価を受けたが、本作で演じる高柳は、第1話の登場シーンでは、爽やかでもなく狂気でもない“中庸”の芝居からスタートした。


選択の授業として存在する「倫理」。やってきた山田扮する高柳は、前髪が目を覆う、やや陰鬱とした風貌で生徒の前にやってくると、無表情のまま静かな口調で「倫理は人生における必須科目」であることを説く。


このファーストインパクトは、好青年でもなく、熱血でもなく、明るくもなく、狂ってもいない。多少“負”に寄ったところはあるが、今後どちらにも振れる“絶妙”な中庸だ。絶妙と表現したのは、エンターテインメントとして、中庸な人物を演じた場合、しかもそれが主役であれば、得てして中庸として成り立たない。特徴がないキャラクターは視聴者を惹きつけないからだ。


しかし山田は、嘘のない目で生徒たちを見つめる姿や、女性徒に故意ではなく触れてしまったことに言及されたとき「オフレコで」と口に指を当てた仕草の可愛らしさなど、やり過ぎず、かと言ってやらな過ぎず、中庸なキャラクターをしっかりと視聴者に染み込ませる絶妙なバランスを見せつけた。観賞後、高柳という教師に興味を持った人は多かっただろう。


そんな高柳先生に教えを乞う生徒たちも、なかなかインパクトのある面々が揃った。第1話でストーリーテラーを務めた谷口恭一役の池田優斗は、5歳から芝居を始め、数々の映画やドラマに出演している期待の若手。おなじく第1話で寂しさから男子に体を許してしまう逢沢いち子を演じた茅島みずきは、過去に数多くのスターを輩出した「ポカリスエット」のCMで瑞々しいダンスを披露しているアミューズ期待の新人だ。


ほかにも、高崎由梨役の吉柳咲良は、第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン「PURE GIRL 2016」のグランプリを12歳という歴代最年少で受賞、都幾川幸人役の板垣李光人は、現在公開中の映画『約束のネバーランド』で浜辺美波や城桧吏と共に、物語の中心となるノーマンを演じ、そのユニセックスな魅力が話題になるなど、今後どのような形で山田と絡んでいくのか楽しみだ。


第2話では、シングルマザーの母親の帰りが遅いため、仲間たちと夜中まで遊び回っている生徒・間幸喜(渡邉蒼)が、授業中いつも寝てしまっていることに対して「倫理」を説く高柳先生の授業が展開する。絶妙な中庸からスタートした高柳先生が、一筋縄ではいかない生徒たちと接することで、どちらの方向に振れていくのか……。じっくりと堪能したい。


【第2話あらすじ】

授業中いつも寝ている間幸喜(渡邉蒼)。幸喜の母親はシングルマザーで仕事から帰ってくるのは毎晩遅い。家に帰っても誰もいない自由な時間で、幸喜は仲間たちと夜中まで遊び歩く日々を送っていた……。倫理教師・高柳(山田裕貴)は授業で「自由であることは幸せなことか」をテーマに生徒たちに対話をさせる。そこでも寝てしまう幸喜に、夜に電話を下さいと自分の携帯番号を記したメモを渡す高柳。戸惑いながらも、幸喜は孤独な深夜に電話をかけてみることに。高柳は自由な生活がどこか不安なのではと問い「不安は自由のめまいだ」というキルケゴールの言葉を説く……。 


【よるドラ】ここは今から倫理です。 
第2話:1月23日(土)   23:30~23:59   NHK総合

©NHK


文:磯部正和


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