「緊張もしたけど、自信もあった」岸本隆一、荒川颯、脇真大が語る激闘の琉球ゴールデンキングス 2025-26シーズン
沖縄テレビで5月28日放送の「Live News イット!」琉球ゴールデンキングス特別編に、岸本隆一選手、荒川颯選手、脇真大選手が出演。 スタジオで2025-26シーズンを振り返り、激闘の裏側やチームへの思いを語った。
進行を務めたのは沖縄テレビアナウンサーの平良匠、渡辺マリナ、そしてOKITIVEでキングス応援コラムを執筆する“キングス女子”長嶺花菜さん。
「自分たちのほうがより成長したという自信があった」――熱狂の沖縄アリーナでつかんだ5年連続ファイナル進出
前人未到となる5年連続ファイナル進出への第一関門は、シーホース三河とのクォーターファイナルだった。 今シーズンは天皇杯を含めると1勝4敗と苦しめられた相手だったが、岸本選手は、「シーズン終盤に差し掛かるにつれて、自分たちのほうがより成長しているという自信があった」と振り返る。
キングスは三河との激戦を制してセミファイナルへ進出。 続く名古屋ダイヤモンドドルフィンズでは、沖縄サントリーアリーナに過去最多となる8,827人ものブースターが来場した。 荒川選手は当時を振り返り、「ファンの皆さんの声援のおかげで、本来持っている力以上のものを発揮できた感覚があった」と語る。
ブースターの大声援を力に変えたキングスは、前人未到となる5年連続のファイナル進出を果たした。
「緊張もしたけど、自信もあった」――ファイナル第1戦
ファイナルの相手は、Bリーグ参入から史上最速となる5シーズン目で決勝進出を果たした長崎ヴェルカだった。 第1戦は最後まで勝敗の行方が分からない大接戦となる。残り50秒、2点差に迫られた場面で岸本選手がファウルを獲得。重圧のかかるフリースローを2本とも沈め、チームを勝利へ導いた。 「あの場面は全然緊張していました」と笑顔を見せながらも、「レギュラーシーズンから何度も任されてきた場面だった。自分の責任だと思っていたので、緊張もしたけど自信もあった」と語った。 しかし第2戦は66-60で敗戦。勝負は運命の第3戦へともつれ込む。 脇選手は「ゲーム2で決めるつもりで臨んだが、もう一度全員で話し合い、しっかり修正してゲーム3に向かった」と明かした。
あと一歩届かなかった頂点
勝ったチームが王者となる運命の第3戦。1万3千人を超える観客が見守るなか、キングスは長崎の激しいディフェンスに苦しみ、前半は13点のビハインドを背負う。 それでも第4クォーター、脇選手のアシストからヴィック・ロー選手の3ポイントシュートが決まると、佐土原遼選手、岸本選手も続き、一時は3点差まで追い上げる。 会場の熱気を背に最後まで食らいついたキングスだったが、あと一歩及ばず72-64で敗戦。3シーズンぶりのリーグ制覇は惜しくもならなかった。
荒川選手は「コートに立つ選手もベンチメンバーも、勝てると信じて仲間を鼓舞するしかなかった。全員で戦ったからこそ、見ている人の心に残る試合になったと思う」と語った。 岸本選手は試合直後の心境について、「簡単には受け入れたくなかった。でもしっかり受け止めて、まずは長崎を称えたいという気持ちだった」と静かに振り返った。
苦しい前半戦を乗り越えて
今シーズンのキングスは決して順風満帆ではなかった。 開幕戦の横浜BC戦で連敗スタート。10月にはケヴェ・アルマ選手が退団し、12月にデイミアン・ドットソン選手が加入したものの、なかなか波に乗れず前半戦を18勝12敗、西地区4位で折り返した。
脇選手は当時についてこう振り返る。 「ケヴェがいなくなったことは大きかったし、ドットも途中加入だった。でもチーム全員が後半には必ず流れが来ると信じていた」 その言葉通り、後半戦は24勝6敗と大きく巻き返した。 岸本選手が転機として挙げたのは、天皇杯敗退直後に迎えた千葉ジェッツとのアウェー2連戦だ。「練習から厳しく言い合いながら準備した。その中で2連勝できたことがすごく印象に残っている」 荒川選手は、選手が揃わない状況で勝利したEASLのマカオ・ブラックベアーズ戦を挙げ、「試練の中でも勝ち切れたことが大きかった」と語った。
「脇の存在がチームをひとつにしてくれる」
番組ではファンから寄せられた質問にも回答した。 チームの雰囲気づくりについて聞かれた岸本選手は、脇選手の存在を挙げる。
「脇がわざとボケてくれるんです。漢字を間違えたりして。みんなが突っ込んで、一気にチームがひとつになる。たぶん狙ってやっていると思います(笑)」 またオフシーズンの過ごし方については、岸本選手が「とにかく休みたい」、荒川選手が「沖縄の離島でのんびりしたい」と、それぞれの素顔をのぞかせた。
「このカルチャーをなくしてはいけない」――Bリーグ10年の歩み
番組後半では、Bリーグ開幕からの10年間を振り返る映像も放送された。 岸本選手は「勝った喜びも負けた悔しさも、すべてを糧にして進んできた10年だった」と振り返る。そして、「成長を追い求め続けてきたことが、キングスらしさ。変わらないためにも、変化し続けることが必要だった」と語った。 脇選手は、「たくさんの人たちがキングスというチーム、そしてカルチャーを作り上げてきてくれた。そのカルチャーをなくしてはいけない」と力を込める。 荒川選手も、「受け継ぐべきものと、次の世代へ伝えていくべきもの。その責任を改めて感じた」と話した。
番組の最後、出演者全員がカメラに向かって声を揃えた。 「ゴー!ゴー!キングス!」
ファンから寄せられたメッセージの中には、「子どもだった私が大人になった今も、この島の誇りであり続けるキングスが心の底から大好きです」という言葉もあった。 準優勝という結果に終わった2025-26シーズン。 しかし選手たちの言葉から伝わってきたのは、悔しさだけではない。 積み重ねてきた誇りと、次の頂点へ向かう確かな決意だった。