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オリックスのネクストブレイク候補・東松快征、宮城大弥とデータ比較して分かった大いなる可能性

SPAIA

オリックス東松快征,ⒸSPAIA

ほろ苦い先発デビュー

オリックスの高卒2年目左腕・東松快征が売り出し中だ。7月19日のロッテ戦でプロ初登板し、27日のソフトバンク戦で初先発。3.1回5安打3失点で負け投手となり、ほろ苦い先発デビューだったが、その後も一軍に帯同している。

享栄高から2023年ドラフト3位で入団。身長179センチ、体重86キロのガッチリした体格から力強いストレートを投げ込む。これまでも山本由伸、山﨑颯一郎、東晃平、宮城大弥、山下舜平大ら高卒入団の投手を育成してきた実績のあるオリックスでネクストブレイク候補と言えるだろう。

目標に掲げるのは、同じ左腕で今やパ・リーグを代表する投手の一人となった宮城。投球スタイルだけでなく、どこかあどけなさの残る雰囲気も似ているかもしれない。

宮城は今季111.2イニングを投げており、東松は7.1イニングしか投げていないため参考程度ではあるものの、2人のデータを比較してみると驚くほど共通点が多い。球種別割合は下の通りとなっている。

球種割合、平均球速も酷似

2人とも投球の中心はストレート。次いでスライダー、さらにフォーク、わずかだがカーブも投げる点は全く同じ。それに加えて宮城はチェンジアップ、東松はカットボールも投げるが、いずれにしても割合は小さく投球スタイルはよく似ている。

続いて球種別の平均球速を比較したのが下の表だ。


ストレートは宮城が146.3キロ、東松が147.8キロとわずかだが東松が上回っている。スライダーは宮城が128.0キロ、東松が127.5キロ、フォークに至ってはともに136.1キロと全く同じだ。

大きく違うのはカーブ。東松は122.5キロだが、宮城は96.1キロとストレートより50キロも遅い。緩急を活かした投球では宮城に一日の長があることが分かる。裏を返せば、東松の伸びしろとも言えるだろう。

課題はコントロールと対右打者

これほど似ていれば、東松はもっと抑えてもよさそうなものだが、現実は甘くない。課題はどこにあるのだろうか。下の表を見てほしい。


宮城が高め16.7%、低め60.3%なのに対し、東松は高め23.0%、低め58.5%と高めが多い。ストライク率も宮城の68.2%に対して東松は63.0%となっている。東松が宮城の域に達するためにはコントロールの精度を高める必要がある。

また、対左打者の被打率は宮城が.215、東松が.235とあまり変わらないが、対右打者の被打率は宮城の.227に対し、東松は.385と打たれている。右打者に対する対策は今後の課題のひとつだろう。

ストレートの被打率も宮城は.247だが、東松は.385。被打率が高いのはコントロール、球質、捕手のリードなど様々な要因が絡み合っていると見られるが、同程度のスピードがあってもそれだけでは抑えられないことを証明している。

とはいえ、弱冠20歳の左腕が大いなる可能性を秘めていることは間違いない。2年前の入団会見で対抗心をのぞかせていた同学年で同じ左腕のソフトバンク前田悠伍は、7月13日の楽天戦でプロ初勝利を挙げた。オリックスのネクストブレイク候補も前田に続けるか注目だ。

※成績は2025年8月4日現在

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記事:SPAIA編集部

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