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小池徹平×屋比久知奈「楽しんで帰っていただきたいです」~MOJOプロジェクト第2弾、ミュージカル『どろんぱ』インタビュー

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(左から)屋比久知奈、小池徹平

「日本発のオリジナルミュージカルを世界へ」をテーマに、ワタナベエンターテインメントと劇作家・末満健一がタッグを組んで立ち上げたプロジェクト、MOJOプロジェクト(Musicals of Japan Origin project)。2024年に上演された第1弾作品『イザボー』は、フランス王妃イザボー・ド・バヴィエールの波乱に満ちた生涯を壮大なスケールで描き、大きな反響を呼んだ。待望の第2弾は、互いの孤独を埋め合うように出会った“妖怪”と“人間”の関わりを軸に、“親子の愛と絆”を描き出す『どろんぱ』。主演を小池徹平が務め、屋比久知奈、吉野圭吾、真琴つばさほか、豪華キャストが顔を揃える。

人間の遠野爽子に取り憑き「爽子の夫・遠野薫」だと思い込ませる煙の妖怪・烟々羅(えんえんら)を演じる小池、そして爽子役の屋比久に公演への意気込みや本作の魅力を聞いた。

ーー最初に脚本を読まれた印象を教えてください。

屋比久:妖怪の話ですが、温かい気持ちで終われる作品だなという印象でした。私はこれまで悲しい終わり方をする作品に多く出演してきたので(笑)、温かい気持ちになれる作品は楽しいです。妖怪が出てきて、たくさんの楽曲があって、わちゃわちゃして、戦って、ドラマがあって…すごくミュージカルらしいミュージカルになるのかなと思いながら読ませていただきました。今日(取材日)、初めて読み合わせをして、音楽も一緒に聴いたのですが、きっと観に来てくださった皆さんが楽しんで帰っていただけるエンタメミュージカルになるんじゃないかなと改めて感じましたし、楽しんで帰っていただけるように頑張りたいと思います。

小池:これまでもオリジナルミュージカルには何本か出演させていただいていますが、原作がある作品が多かったので、この作品のように何もない状態から作り上げるオリジナル作品というのはあまりなかったなと思います。しかも今回はこれまであるようでなかった妖怪、そして普遍的なテーマである愛が描かれています。皆さんが馴染みのある妖怪もたくさん出てきますし、歌唱シーンもたっぷりとあって、エンタメ性が強い脚本だなと思いました。まるでお祭りみたいなんですよ。なので、予備知識なしでも楽しんでいただけますし、ドカンと大きなものを投げつけられるような作品になるのではないかなという印象があります。

小池徹平

ーーお二人が演じる役柄について、今の段階ではどのようにとらえていますか?

屋比久:私は唯一の人間役なんですよ。(妖怪たちと)一緒にはしゃげるのかなと思っていたので、それが少し寂しくはあります(笑)。でも、人間から見るからこそ楽しい瞬間もあるのかなと思いますし、人間という役柄だからこそこの作品の中で担っているものも大きいなと感じています。妖怪たちと過ごす時間を私自身も爽子として楽しみたいですし、その場に身を置いて任せる瞬間も大事になると思うので、唯一の人間を楽しんで演じたいと思っています。それから、爽子は、娘をさがすために妖怪たちの世界に来ているので、爽子を取り巻く妖怪たちが騒ぎ出してわちゃわちゃとしている中でも、しっかりと芯のある女性でいられたらいいなと思っています。

小池:僕は烟々羅という煙の妖怪ですが、昔から伝わっている河童や座敷童子たちとはちょっとジャンルが違う妖怪です。創作された架空の妖怪なので、昔の妖怪なのに今の存在という、妖怪の中でも偏見の目で見られるような存在なんです。烟々羅は人間になりすまして爽子に取り憑いていますが、その理由も段々と明かされていき、爽子への気持ちも描かれているので、妖怪としての生き方、心情の変化を見せられたらと思っています。それから、爽子が自分を人間として認めてくれることによって、爽子に支えられて、自分の存在意義を見つけられるというのがテーマとしてある役なのかなと思います。煙のような儚さも持ち合わせていると思いますし、末満さんが素敵なキャラクターを描いてくださったので稽古に入るのが、とても楽しみです。

ーーお二人は初共演ですよね。お互いの印象や今回の共演で楽しみにしていることを教えてください!

屋比久:とにかく安心感があります!

小池:本当に(笑)?

屋比久:本当です! オリジナル作品ということもあり、楽しみではありましたが、正直なところ、不安も大きかったんです。でも、お相手役が小池徹平さんでいらっしゃると聞いて、「良かった!」と思ったのが素直な気持ちでした。(取材当時)唯月ふうかさんと共演しているのですが、ふうかさんにも「徹平さんなら大丈夫」と言ってもらえたので。

屋比久知奈

小池:ふうかさんとどんな話しているの(笑)!?

屋比久:あはは(笑)。勝手に話されてもという感じかもしれませんが、「私はついていきます」という気持ちでいます。

小池:屋比久さんとは初めてですが、どうしてもモアナのようなパワフルな印象があります。今回は、楽曲も多いので、屋比久さんが歌で支えてくれるところが多いのではないかと期待していますし、安心しているところでもあります。彼女が柱になってくれるだろうと、僕も安心感を持っていますし、こうしてすごく頼ってくれるし、話もしっかりと聞いてくれて、温かさを持った人だなと感じています。きっと空気感が似ていると思うので、ワクワクがより増えました。僕は今回、ほかの共演者の方もほとんど初めましての方ばかりなので、屋比久さんがいるから大丈夫だという思いでいます。

ーーほかのキャストさんとはお会いしたのですか?

屋比久:まだお会いできていないんです。

小池:僕は、この間、生駒さんと番宣番組でご一緒しました。「座敷童子をずっとやりたかった」と言っていて、面白い人ですよね。普段から座敷童子に憧れを抱くって(笑)。チョコが好きだとおっしゃっていたので、現場に差し入れをしたいと思います。

ーー読み合わせはお二人と末満さんで行われたんですね。その読み合わせのご感想は?

屋比久:脚本を読んだときから徹平さんは役にピッタリだなと勝手に思っていましたが、その思いがより増しました。まだ私自身はどういう形で演じようか全然決まっていなかったので今日はナチュラルに演じてみようと臨みましたが、すごく楽しい読み合わせになりました。末満さんからも前半は楽しんでいいというお話がありましたし、パーっと弾けるような瞬間があるので、そこは思い切って演じていきたいと考えています。立ち稽古のときには、いろいろなことが試せるのではないかと思うので、今はあまり決め切らずに演じたいです。

小池:夫婦でのシーンが多いのですが、後半に向かってどんどんとシリアスになり、物語の本質に迫っていきます。ただ、前半はコメディ要素が強いので、どんなバランスで演じるのか、難しいところです。コメディに振りすぎると本筋を見失ってしまいそうですから。僕は、これまで物語のストーリーテラー的な役柄が多かったので、自分の中でもテーマを持って演じることが多かったんですよ。なので、そうした不安も末満さんに質問させてもらったのですが、「大丈夫です」とおっしゃっていたので、きっと末満さんの中ではしっかりとしたビジョンがおありなのだと思います。末満さんのディレクションに臨機応変に応じていくということが、まずはこの世界に入り込むポイントなのかなと。末満さんも初めてのキャストさんばかりだとおっしゃっていたので、みんながどんな表現力を持っているのかを知ってもらうためにも、ワークショップのような稽古からスタートするのかなと思いました。

(左から)屋比久知奈、小池徹平

ーー公式サイトでは楽曲の一部も公開されていますが、本作の楽曲の印象は?

屋比久:和のテイストの、印象的な楽曲が多いです。かと言って、全部が全部そうではなくて、いろいろなジャンルの楽曲があります。バラードもあれば、はちゃめちゃな曲もある。デュエットでしっかり語るミュージカルらしい楽曲もあるので、聴いていても観ていても飽きないと思います。シグニチャーソングではないですが、妖怪たちの紹介ソングがしっかりとあるので、それぞれの役者さんたちの色も含めて楽しいと思います。

小池:日本版ディズニーだよね。和ディズニー(笑)。

屋比久:間違いなくそうですね(笑)。

小池:すごく楽しんでいただけると思います。ただ、歌でのやりとりもしっかりあるので、大事なところが流れないようにしたいです。良い歌だからこそ、流れないようにしたい。どの楽曲もすごくしっかりとしたボリュームがあって、かなり聴き応えのあるものになると思います。

ーー公開されているメインビジュアルも末満さんならではの絵作りや色彩の美しさが出ているなと感じましたが、ぜひビジュアル撮影での思い出や実際にキャラクターになった感想を教えてください。

ミュージカル『どろんぱ』

屋比久:きっと末満さんには見えているイメージがあるんだろうなとビジュアル撮影のときに思いました。ポージングにしても衣裳にしても、きっとこういうキャラだというのがしっかりと、濃く見えていらっしゃるから、そうした末満さんのイメージを垣間見れたのは良かったなと思います。徹平さんは2着、着られたんですよね?

小池:そう。薫バージョンと烟々羅バージョン。

屋比久:違いがあって、見ていても楽しかったです。

ーー屋比久さんは巫女さんのお衣裳ですよね?

屋比久:そうです。

小池:似合ってたよ。

小池徹平

屋比久:本当ですか! 巫女の衣裳を着る機会は本当にないことなので、それも楽しかったですし、新しいことがたくさんあった撮影でした。

ーー小池さんはいかがでしたか?

小池:僕もなかなか着ない衣裳を着ることができました。原作がある作品では、その原作のキャラクターに近づけるということはありましたが、今回はオリジナルキャラクターで、こうした衣裳を着させていただいたのですごく新鮮でしたし、スタッフチームの皆さんが百戦錬磨だなと感じました。煙っぽいメイクと衣裳でかっこいいですよね。しかも、軽量化や着替えやすさもすでに考えられていて、「本番ではここをこう直します」と僕が気づく前に話してくださったので、本当に助かりました。きっと殺陣も動きやすいと思います。信頼しかありません。

ーーちなみに、お二人は妖怪にまつわる思い出はありますか? 今回登場する妖怪以外でもお気に入りの妖怪がいればぜひお聞かせください。

屋比久:私は沖縄出身なのですが、沖縄ならではの妖怪もたくさんいるんですよ。その中でも有名なのが「キジムナー」という妖怪です。元々、私はそうした妖怪が好きで、本で読んだりしていたのですが、小学校のときに「童話お話大会」というイベントがあって、そこで私は「キジムナー」を題材にした本を選んだんです。その大会は、一つのお話を覚えてそれをみんなの前で発表して審査してもらうという形式だったのですが、そこで勝ち抜いたんですよ。家族で「キムジナー」が住んでいると言われる森までドライブしに行って、出会えないかなと本気で探したこともありました。そんなこともあり、とても思い出深い妖怪です。妖怪は、「どこかにいるんじゃないか」と思わせる存在なのだと思います。

屋比久知奈

ーーキジムナーというのはどういう妖怪なのですか?

屋比久:沖縄にはガジュマルの木がたくさんあるのですが、そのガジュマルに住んでいると言われている妖怪です。人間に悪戯をするんですよ。だから、悪戯をされないために、キジムナーの好物を下げておきます。赤い髪の毛をした子どもの姿として描かれることが多いのですが、ぜひ、ネットで調べてみてください!

小池:僕はそれほど思い出深い妖怪がいるわけではないですが、昔から雷が鳴ったらおへそを持っていかれるとか、川に行ったら「河童に触られないようにしな」と言われたり、生活の一部に寄り添っている、見えなくても一緒に住んでいるイメージがありました。幽霊は怖い存在で、絶対に近づいてはいけないというイメージがありますが、妖怪は怖いだけの存在ではなくて。日本人は、そうした文化とともに生きてきたのだと思います。なので、今回、そうした妖怪を演じられるというのはすごく楽しみでもあります。

ーーこのMOJOプロジェクトは「日本発のオリジナルミュージカルを世界へ」をテーマにしたプロジェクトで、本作はその第2弾となる作品です。これまでお二人もさまざまなオリジナルミュージカルに携わっていらっしゃいましたが、オリジナル作品ならではの楽しさ、難しさみたいなところはどんなところに感じていますか?

屋比久:オリジナルだからこそ自由度が高いですし、自分もいろいろなものを出したいなと思って臨んでいます。ただ、もちろんそれができないこともあるので、これまでにももっといろいろなことを試せたらよかったと悔しさを感じたこともありました。今回は本当の意味でのオリジナル作品ですので、とにかく頑張りたいと思っています。屋比久だからこそというものを持っていき、稽古場でいろいろと試していきたいですし、後悔しないように良いものに向けて頑張りたいと思います。

小池:全く何もないところからミュージカルを作るというのはなかなかないことだと思いますが、その中でもかなり早いペースで作られているなという印象があります。すでに台本が出来上がっていますし、楽曲もほとんど出来ています。なので、きっとこれまでに膨大な時間をかけて作ってきたんだろうなと。そうした時間や思いがあるからこそ「世界へ」というのは本気で考えていることなんだろうと感じます。僕はそれに応えるために、1のものを10にするための作業に真摯に向き合っていきたいと思います。末満さんが昔から温めてきた作品だとお伺いしたので、末満さんのイメージになるべく近づけるように、そしてオリジナルキャストとして世界に出ても自信を持てるよう頑張りたいなと思います。

(左から)屋比久知奈、小池徹平



■小池徹平
ヘアメイク:加藤ゆい(Hair&Make-up fringe)
スタイリング:松下洋介

■屋比久知奈
ヘアメイク:武部千里
スタイリング:尾後啓太

取材・文=嶋田真己      撮影=荒川 潤

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