【東京散歩コース】石神井公園・大泉学園~石神井公園から牧野記念庭園に続く緑の散歩道~
石神井は、文字どおり石神井公園を中心に開けた街。武蔵野の自然の中に三宝寺池と石神井池が広がり、周辺には文化施設や寺社が多い緑豊かな地だ。大正4年(1915)、武蔵野鉄道(現・西武池袋線)の開通後は、日帰り行楽地として観光開発が進み、旅館が開業し、三宝寺池に隣接して100mプールもできた。1955年にプールは閉鎖し、後に水辺観察園として整備されたが、もし、プールが残っていたら現在のような豊かな自然は得られなかっただろう。大泉学園は、朝ドラ『らんまん』のモデルとなった牧野富太郎博士の終の棲家があった地で、旧宅跡は記念庭園として公開されている。
【散歩コース】
スタート:練馬高野台駅は西武池袋線で池袋駅から18分/220円。
西武池袋線練馬高野台駅→(12分/0.8㎞)→観蔵院曼荼羅美術館→(16分/1.1㎞)→石神井公園→(25分/1.7㎞)→石神井城跡→(2分/0.2㎞)→石神井氷川神社→(5分/0.3㎞)→三宝寺→(1分/0.1㎞)→道場寺→(4分/0.7㎞)→石神井公園ふるさと文化館→(1分/0.1㎞)→池淵史跡公園・旧内田家住宅→(13分/0.8㎞)→石神井公園ふるさと文化館分室→(23分/1.5㎞)→牧野記念庭園→(7分/0.4㎞)→西武池袋線大泉学園駅
ゴール:大泉学園駅から西武池袋線準急で池袋駅まで18分/260円。
今回のコース◆約7.7㎞/約1時間50分/約1万300歩
曼荼羅の世界観に圧倒される『観蔵院曼荼羅美術館』
文明9年(1477)創建の真言宗智山派の寺。併設する曼荼羅美術館には、仏画の第一人者である染川英輔氏が描いた曼荼羅絵をはじめ、日本やネパールの仏画、民俗画などを展示。
『観蔵院曼荼羅美術館』詳細
観蔵院曼荼羅美術館(かんぞういんまんだらびじゅつかん)
住所:東京都練馬区南田中4-15-24/営業時間:10:00~15:30/定休日:土・日のみ開館/アクセス:西武鉄道新宿線練馬高野台駅から徒歩12分
2つの池を巡る池畔の散歩道「石神井公園」
石神井池と三宝寺池の2つの池を中心にした都立公園。武蔵野の自然が残る三宝寺池周辺は、国指定天然記念物の沼沢植物群落があるほか、多くの野鳥が観察される自然の宝庫。
「石神井公園」詳細
石神井公園(しゃくじいこうえん)
住所:東京都練馬区石神井台1・2/営業時間:入園自由/アクセス:西武鉄道池袋線石神井公園駅から徒歩7分
池の畔に空堀や土塁が残る「石神井城跡」
三宝寺池の南側一帯は、室町時代に石神井郷を領有していた豊島氏の城館があったところ。城は鎌倉時代中期から末期の築城とされ、文明9年(1477)に太田道灌によって攻め落とされた。
「石神井城跡」詳細
石神井城跡(しゃくじいじょうあと)
住所:東京都練馬区石神井台1/営業時間:見学自由/アクセス:西武鉄道池袋線石神井公園駅から徒歩15分
地元の総鎮守は「石神井の氷川様」「石神井氷川神社」
室町時代の応永年間(1394~1428)に、この地を治めていた豊島氏が石神井域の守護神として勧請したのが始まり。毎年10月第3日曜の例祭では舞や里神楽の披露がある。
「石神井氷川神社」詳細
石神井氷川神社(しゃくじいひかわじんじゃ)
住所:東京都練馬区石神井台1-18-24/営業時間:参拝自由/アクセス:西武鉄道池袋線石神井公園駅から徒歩20分
山門や長屋門など見ごたえあり「三宝寺」
応永元年(1394)創建。豊島氏や後北条氏、徳川家から手厚い庇護を受けた。山門は3代将軍徳川家光がくぐったことから御成門とも呼ばれる。境内の長屋門は勝海舟邸から移築したもの。
「三宝寺」詳細
三宝寺(さんぽうじ)
住所:東京都練馬区石神井台1-15-6/営業時間:参拝自由/アクセス:西武鉄道池袋線石神井公園駅から徒歩18分
石神井城主・豊島氏の菩提寺「道場寺」
奈良時代の天平元年(729)の創建と伝わる。近年の建造になるが、室町様式の山門、鎌倉様式の三重塔、唐招提寺の金堂を模した本堂など、さまざまな時代の様式で建物が立つ。
「道場寺」詳細
道場寺(どうじょうじ)
住所:東京都練馬区石神井台1-16-7/営業時間:7:30~16:30/定休日:無/アクセス:西武鉄道池袋線石神井公園駅から徒歩18分
練馬の歴史・自然・伝統文化を知る『石神井公園ふるさと文化館』
練馬区の歴史や伝統文化、自然に関する資料を展示。1階では自然や名所、伝統工芸などを紹介。2階には出土品、練馬大根、アニメ、昭和30~40年代の街を再現したコーナーなどがある。
『石神井公園ふるさと文化館』詳細
石神井公園ふるさと文化館(しゃくじいこうえんふるさとぶんかかん)
住所:東京都練馬区石神井町5-12-16/営業時間:9:00〜18:00/定休日:月(祝の場合は翌平日)/アクセス:西武鉄道池袋線石神井公園駅から徒歩15分
太古の遺跡と明治時代の古民家「池淵史跡公園・旧内田家住宅」
旧石器時代・縄文時代・中世の遺物が発掘されたところで、保存のため埋め戻された竪穴住居跡がある。明治時代中期に建てられた茅葺き・寄棟造の旧内田家住宅も見学できる。
「池淵史跡公園・旧内田家住宅」詳細
池淵史跡公園・旧内田家住宅(いけぶちしせきこうえん・きゅううちだけじゅうたく)
住所:東京都練馬区石神井町5-13/営業時間:9:00〜18:00/定休日:月(祝の場合は翌平日)/アクセス:西武鉄道池袋線石神井公園駅から徒歩15分
無頼派作家・檀一雄の書斎を再現『石神井公園ふるさと文化館分室』
石神井公園近くに住んだ作家・檀一雄の書斎を再現するほか、練馬区ゆかりの文化人の紹介や、芥川賞作家・五味康祐愛蔵のオーディオなどを展示する。
『石神井公園ふるさと文化館分室』詳細
石神井公園ふるさと文化館分室(しゃくじいこうえんふるさとぶんかかんぶんしつ)
住所:東京都練馬区石神井台1-33-44 石神井松の風文化公園管理棟内 /営業時間:9:00~18:00/定休日:月(祝の場合は翌平日)/アクセス:西武鉄道池袋線石神井公園駅から徒歩23分
植物を愛した牧野博士の旧宅跡『牧野記念庭園』
日本の植物分類学の研究に大きく寄与した植物学者・牧野富太郎が約30年間暮らした旧宅跡。庭園には300種類以上の草木が生育し、記念館には愛用の道具や植物画などを展示する。
『牧野記念庭園』詳細
牧野記念庭園(まきのきねんていえん)
住所:東京都練馬区東大泉6-34-4/営業時間:9:00~17:00/定休日:火(祝の場合は翌平日)/アクセス:西武鉄道池袋線大泉学園駅から徒歩5分
【石神井公園・大泉学園のグルメを堪能!】
石神井池の畔のそば処『なかやしき』
スタイリッシュなコンクリート壁の外観、自然光が入る店内は明るく広い。国産のソバを石臼びき自家製粉した二八そば。天せいろ1540円、野菜天せいろ1320円。酒肴も多く地酒も楽しみ。
『なかやしき』店舗詳細
なかやしき
住所:東京都練馬区石神井町3-3-1/営業時間:11:30~14:00LO・17:30~20:00LO /定休日:火・水/アクセス:西武鉄道新宿線石神井公園駅から徒歩6分
創業100余年の老舗の茶店『豊島屋』
大正7年(1918)、三宝寺池の畔にプールができた。店はその頃の創業で、石神井公園の歴史とともに歩んできた老舗だ。食事から喫茶まで幅広く利用できる。おでん550円、ざるそば750円。
『豊島屋』店舗詳細
豊島屋(としまや)
住所:東京都練馬区石神井台1-27-19/営業時間:12:00~17:00(夏期は~18:00)/定休日:不定/アクセス:西武鉄道新宿線石神井公園駅から徒歩16分
取材・文・撮影=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きたい人のための 東京散歩地図』より