地域の魅力溢れるベーカリー『ダンマルシェ』明石本社で辿る創業ヒストリー 明石市
好きなパン屋さんはありますか?そんな質問をすれば、きっと沢山の方が名前をあげる『ダンマルシェ』。明石や神戸を中心に出店しているパン屋で、筆者は子どもの頃から通っています。しかし、その始まりはパン屋ではなかったそうな。今回筆者は、その歴史について話を伺うことができました。
訪れたのは山陽電鉄西新町駅から徒歩8分の場所にある『ダンマルシェ本社』(明石市)。看板には『dans marche'(ダンマルシェ)』と並び『大福堂』とあります。実は創業時、和菓子屋だった同店。詳しいお話を4代目の中市社長にお聞きしました。
大正13年に、和菓子屋『中市大福堂』として淡路島の洲本市に創業。その後、今から約60年前に3代目が新天地を求め裸一貫で明石へ渡り、新しくできた市場で起業しました。スーパーもなく、小売店が主流の時代。同店は仕入れたパンの販売も始めたそうです。
やがて約50年前、明石・大久保のショッピングセンターに出店。和菓子店とパン屋を始めますが、その頃は冷凍のパン生地を仕入れて焼き上げていたそうです。その時、まだ19歳だった4代目現社長の中市さん。「自分がイチから手づくりしたパンを届けたい」という気持ちが芽生え始めます。
それは次第に強く、大きくなり、三宮に行ってはパン屋を巡り歩き、時には職人に直接教わり独学でパン作りを研究し始めました。さらに現専務である弟の雅章さんがフランスで経験を積んだシェフに師事し、フランス仕込みのパン作りを学びます。
ついに昭和60年。生地作りから焼き上げまで、イチから全てを自社で行なう『ダンマルシェ』としての出発!西明石の新幹線高架下に出店を果たします。
そしてここが和菓子屋ならではのこだわり。パンに合うあんこを研究したそうです。そして完成したのは飲み物がなくても食べやすい「あんぱん」。
現在販売している粒あんぱんをいただきました。あんこは豆のつぶ感や風味を残しつつ、しっとり柔らかく口溶けが良い。バター香る優しい甘さのパン生地と抜群に調和する味わい。
やがて平成7年に明石ステーションプラザ(現在はピオレ明石)内に出店。次第にパンの製造が追い付かなくなり、パン工房を新設。ところが機材搬入の日に地震発生。新稼働を中止せざるをえない事態に。
そんな困難も乗り越えながら、平成16年に初の郊外型店舗朝霧台店がオープン。
この時誕生したのが「牛肉カレーパン」。今も大人気の看板商品です。
頬張ると「カリッ」と音がなるサクサク食感の生地♪淡路島産玉ねぎなどの野菜の甘味や牛肉の旨味が溶け込んだマイルドなカレー。ごろっと入った牛肉は簡単に噛みきれる柔らかさ。
「パンには積極的に地域産の食材を使い、フィリングなどもできる限り手作りします」と語る中市社長。全てのパン生地に淡路島の藻塩を使い、いちじくや苺など旬の果物を地元の農家から仕入れ、ジャムを手作りしてパンに使います。
特に筆者が驚いたのは「天然酵母のぶどうパン」。大久保北店限定で販売する期間限定(秋のぶどう収穫時期)商品で、神戸ワイナリー(現在は神戸アグリパーク)から譲り受けたぶどうの苗を育て、毎年実るぶどうから起こした酵母で作っています。
コロナ禍には売上が落ち込んだ淡路島玉ねぎ農家の玉ねぎを引き受け店頭で販売。その交流は今も続き、玉ねぎを使ったパンも焼いています。
さらに地域の学校や団体と協力し、子ども向けのイベント開催など、地域との繋がりを大切にする『ダンマルシェ』。パン屋としてはもちろん、地域の居場所としても無くてはならない大切なお店です。
場所
石窯パン工房 ダンマルシェ 本社
(明石市硯町3-4-23)
営業時間
月曜~土曜日、祝日
7:00~13:00
日曜日
7:00~12:00
※商品が無くなり次第閉店することがあります
定休日
不定休