春に陸から狙える【海釣りターゲット5選】 欲張らずに1日1魚種で楽しもう!
春の陸っぱり海釣り。長い冬を越えた海が目を覚まし、豊かな自然のサイクルが再び動き始める時期である。気候も穏やかで、釣りを楽しむには絶好のシーズンだ。春の海では、釣り人にとって待ちに待ったターゲットが多く登場する。今回は、春の海釣りで狙うべき魚種とその魅力について紹介していこう。
目覚める海の魚種たち
春の陽気の中で海水温が上がりだすと、以下のようなターゲットが動き始める。
メバル
メバルも春の海釣りでは外せないターゲットだ。特に夜釣りが有名で、夜行性のメバルは春になると産卵のために沿岸に集まる。夕暮れから夜にかけて活性が高くなるため、釣りのタイミングとしては日没後が最適である。
メバルの引きは軽快で、サイズも小さめから大きめまで様々だが、どのサイズでも引きの楽しさを感じることができる。メバルは食味も優れており、脂が乗った春のメバルは特に美味だ。
アジ
アジは春になると群れを作り、沿岸にやってくる。特に春のアジは産卵前で体力が充実しており、引きが強いことが特徴である。アジ釣りは、漁港や堤防、沖合など様々な場所で楽しむことができ、仕掛けや釣り方にバリエーションがある。サビキ釣り、ジグ単。自分のスタイルで釣ってみよう。
アジは数釣りを楽しむことができる点も魅力だ。食味もよく、刺身や塩焼きなど、どんな料理法でも美味しくいただける。
シーバス(スズキ)
シーバスは春に沿岸に集まり、産卵を行う。この時期のシーバスは活発に餌を捕食するため、釣りの対象として非常に魅力的である。シーバスは力強い引きと最大1mも超える大きさが特徴で、釣り人にとっては非常にスリリングなターゲットとなる。
シーバスゲームは、主には河口周辺で楽しむことができ、特にルアー釣りが人気だ。春のシーバスは産卵時で活性が高く、ルアーやワームに対して強い反応を示す。
チヌ(黒鯛)
チヌは春の海釣りにおいて、比較的イージーなターゲットである。ノッコミという産卵のパターンがあり、よく釣れる。チヌは春になると産卵を控え、餌をよく食べるようになる。
なんといってもその魅力は、強烈な引き味だ。頭をゴンゴンと叩くチヌのアタリと強い引き込みは、一度味わうと癖になる。
アオリイカ
アオリイカは春の釣りの中でまた趣を異にするターゲットである。エギという特殊なルアーを使って狙っていく。春になると、アオリイカは産卵のために浅瀬に接近する。大型が多いのが特徴だ。
食味も抜群。釣りの難易度は上述の魚種と比べると高いが、うまく釣ることができれば、達成感は格別である。
「海の目覚め」を感じよう
春の陸っぱり海釣りは、海の「目覚め」を感じることができる特別な季節である。それまで低水温の中まったく無反応だった魚たちが、陽気に誘われるように動き始める。
冬から居残ったカレイ、その他上に述べたメバル、アジ、シーバス、チヌ、アオリイカなど、春に狙うべき魚種は多岐にわたる。それぞれの魚には独特の魅力があり、釣り方や楽しみ方も様々だ。
人間にとっても春は心地よい季節である。これから初夏に向かい、じわじわと暑くなり始めると、今度は新子のカサゴやその他の根魚もホットな反応を示してくれる。暖かい時期は、酷暑期を除いてとにかく魚の活性が基本的に高いので、人間のほうでも「釣りの目覚め」を感じる時期ともいえるだろう。
欲張らずに一魚種ずつ狙っていこう
春の釣魚は、すべてをひとつの竿で狙えるわけではない。たとえば、アオリイカとメバルでは、まったくタックルの世界観が変わってくる。また一日に多魚種を狙おうとすると、どうしても一つ一つの釣りが大味になってしまい、釣果も伴わない。
それぞれの魚との戦いに勝つためには、ターゲットを絞って釣っていくことが大切だ。欲張らず、魚種ごとに一日ずつやることが、春の海釣りをより充実させる。
<井上海生/TSURINEWSライター>