【参列してきた】豊岡市の重要文化財『出石永楽館』で町をあげての結婚披露パーティー 豊岡市
豊岡市出石町にある『出石永楽館』は、映画『国宝』のロケ地にもなった歴史ある建物。2025年6月8日、そんな永楽館を舞台に、出石皿そばの老舗『甚兵衛』の三代目・渋谷一真さんと群馬県出身の津久井あゆみさんの結婚式が行われました。今回はその模様をお届けします。
新郎の一真さんは「出石をPRできるような式にしたいと、新婦のあゆみさんが言ってくれました。私だけでなく、出石のことも愛してくれているような提案は本当にうれしかったです」と顔をほころばせていました。
新婦のあゆみさんは、アフリカ南部の内陸にあるザンビアにJICA海外協力隊として2年間滞在し、まちづくりに携わってきた経歴の持ち主。帰国後、出石の町並みと人々に一瞬で魅了され、結婚までとんとんとん!と話しが進んだそうです。
出石の城下町を散策している観光客や町の方々が二人のために店頭へ出て「おめでとう―――!」とあちこちから花嫁行列に声を掛ける、にこやかな行脚にほっこり。
幸せのおすそ分けの「餅まき」の後、いよいよ永楽館での手作り結婚式が始まります。
会食の献立は、地元のお店が協力して用意した特製の「お重箱」。出石や豊岡の食材をふんだんに使った料理が詰められており、食べ終わったお重箱は参列者にお持ち帰りいただくという工夫も素敵です。
ドリンクも出石酒造やいずし浪漫ビール、こうのとりワイン、朝来茶園の煎茶など、出石町一色。出石の人たちの団結力と、新郎新婦の人柄と心遣いが随所に見える素敵な式でした。
式の終盤には、甚兵衛さんとなじみの深い噺家・林家菊丸さんが小気味のいい落語を披露され、新郎新婦や会場を巻き込んでのお話は、どれもしっかりオチがある軽快で楽しいものでした。
永楽館は明治34年に建設された最古の芝居小屋ですが、昭和39年に一度閉館しました。約20年の復元に向けた活動により、平成20年に大改修され、44年の時を得て永楽館は蘇りました。
復活後は、歌舞伎役者の片岡愛之助さんによる「永楽館歌舞伎」を筆頭に、芸能や舞台の会場として利用されていますが、館長の赤浦さんは「本来、永楽館はみなさんのための娯楽の場」と考えており、「たくさんの人に触れてもらい、歩いてもらい、建物も呼吸してもらい熱気を永楽館に与えてほしい」と話します。
「こんなふうに若い人たちが永楽館を活用してくれるのは本当にうれしいことです。おばあちゃんの代も、お父さんの代も、いつも渋谷家の人たちは永楽館を気にかけ、声をかけてくれました。今日の晴れの日は、出石にとっても誇らしく、喜ばしい日です」と、赤浦さんは目を細めて語ります。
また、今回の結婚式がけっして特別なわけではなく、「同窓会や敬老会はもちろん、JAZZやロックのライブなど、永楽館はとても敷居の低い場所。気軽に遊びに来て、どんどん利用してもらいたい」とも話していました。
最後に、「次はぜひ、この永楽館で映画『国宝』の上映イベントを実現させたいですね!」と、笑顔で締めくくる赤浦さん。永楽館を利用したい方は赤浦さん宛てにお気軽にお電話ください。
場所
出石永楽館
(豊岡市出石町柳17-2)
営業時間
9:30~17:30(最終入館時間16:30)
入館料
大人 400円(団体 320円)
学生 240円(団体 190円)
中・小学生以下 無料
休館日
木曜日
12月31日、1月1日
※7月21日から8月4日(予定)は改修工事のため休館
※休館日の他、貸館時は見学不可
利用の仕方
0796-52-5300(担当:赤浦)
日程希望やイベントの内容、規模など大小に関わらずまずはご相談ください♪改修工事中もお問合せ可能です