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点訳活動を広げるために 点字指導員の石川龍海さん【四街道市】

チイコミ!

点訳活動を広げるために 点字指導員の石川龍海さん【四街道市】

視覚障害者総合支援センターちばで点字指導員として働く石川龍海(たつみ)さん。

県内で唯一盲学校がある四街道市内での点訳活動を広げるため、市内小学校での福祉教育などさまざまな場所で視覚障害者の啓発活動も行っています。

落としどころを探し皆が心地よく過ごす

千葉県東金市出身の石川龍海さんは、生まれた時から目が見えない「先天性全盲」です。

見えないからできない事は実は少なく、少しの工夫で皆と一緒に過ごすことができると石川さんは語ります。

「例えば鬼ごっこは追うのも逃げるのも難しいけれど、かくれんぼならどこに隠れるかの知恵比べですから、結構得意でした。盲学校では弱視はストライク3つ、全盲は5つで打席を交代というルールで不利を少なくする工夫を凝らし野球も楽しみました」

石川龍海さん

市内の福祉教育で講師を務める背景には、差別意識を生まないという願いがあります。

「子どものうちに、少し不便なだけで同じ人間だと知ってもらうのが大切だと思っています。論より証拠で、一緒にドッジボールを楽しむこともありますよ。外野専門で足音や声で相手の位置を把握し、どんどん内野を当てていきます」と楽しそうに教えてくれました。

点訳を通して多くの視覚障害者を支える

点訳は原文を見て点字を打ち込んでいく作業です。

昔は手打ちをしていましたが、PCの普及により編集・修正が容易になり、さらにオンラインサービスを通じて点訳した本や資料を全国で共有できるようになりました。

手元の機械でPC操作をする石川さん
データ化した点字を触って読むための機械

世界ではAI機能が進んでいますが、点訳から人の手がなくなることは当分ないだろうと石川さんは語ります。

「点訳作業の多くがボランティアさんによって支えられています。専門知識を要するため、養成講座を定期的に開催し、新たな担い手の育成に尽力しています。例えばごみ拾いのように成果がすぐに見えるものではないですが、点訳してくれた資料で全国、ゆくゆくは全世界の視覚障害者が救われる。コロナ禍でも自宅作業で取り組める点訳のおかげで、変わらず社会貢献が続けられたとボランティアさんに喜ばれた時は、私もとてもうれしかったです」と点訳活動のやりがいを教えてくれました。

県内唯一の盲学校がある四街道の地で、共に視覚障害者を支えてくれる仲間の輪を広げていきたいーその目標に向かって石川さんは日々まい進しています。(取材・執筆/さがえ)

点訳ボランティア養成講座 期間/2024年1月18日(木)~3月21日(木)の毎週木曜日(全10回) 時間/午前9時30分~正午 場所/四街道市ボランティアセンター 住所/千葉県四街道市鹿渡無番地 総合福祉センター3階 費用/教材費770円 対象/PCを使える人 講座の申し込み・問い合わせ 電話番号/043-421-6300  四街道市ボランティアセンター ※月~土曜日午前9時~午後5時 ※2024年1月より月~金曜日午前9時~午後5時

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