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村富神社 97年ぶりの大改修 総代ら集まり竣工式

タウンニュース

竣工した拝殿(写真上)内で竣工式が執り行われた(同右)

江戸時代に創建された矢部の村富神社で2年前の秋から進められていた拝殿の大規模改修工事が終わり、7月20日に総代や地元自治会関係者ら約40人が集まり竣工式が行われた。拝殿の大改修は台風の襲来により御神木の上幹部が倒れ、被害を受け改修した時以来で97年ぶりとなる。

神社が創建されたのは延宝元(1673)年。四代将軍家綱の時代にまでさかのぼる。「江戸の豪商」と称された相模屋助右ヱ門という人物が神社創建に大きく関わってくる。

この地に新田村を開こうと計画した助右ヱ門は「陣羽織を着て、采配を手にし、農民を集め、村人から『おやかた』と尊崇された」と言い伝えられている。神社は開墾前からあった小さな祠を社地とし、新田村の鎮守として創建された。

御神木が倒木

境内には大正時代の末まで「見透の松」と呼ばれた巨松がそびえていたという。しかし大正15年9月に襲来した台風で、この御神木の上幹部が倒れ拝殿や本殿の屋根が破損。47戸の氏子から集まった寄付金などを基に、11月には改修工事に着手し昭和2年の年明けに落慶した。

「我々世代の集大成」

参集殿や神楽殿を改修し、「傷みが激しかった拝殿の改修は我々世代の集大成だった」。そう話すのは現在、総代長を務める守屋進さん(77)。前回の大改修からおよそ100年、「令和の大改修」は、創建350年の記念事業として計画された。

これまで100年近くにわたり地域に愛されてきた社の姿を踏襲する形で建築が進み、弁柄塗りの拝殿が完成。屋根正面にある「兎ノ毛通し(うのけどおし)」と呼ばれる装飾部分は、これまでの拝殿に使われてきた鳳凰の装飾物が掲げられた。守屋総代長は「まずは無事故で工事を終えることができたことが何より。拝殿は神社の顔、立派な姿に仕上がり良かった」と話した。

8月4日(日)には拝殿が改修された神社で例大祭が行われる。

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