動きケア®による予防と改善! 新発想の身体部分分けと基本運動⑥骨盤部【スポーツ障害予防の教科書】
身体の部分分けと基本運動⑥骨盤部
現代人ができなくなった骨盤部の動き
骨盤部の基本運動には、「前傾と後傾」「左上傾けと右上傾け」「腹圧」という5つがあります。「腹圧」は動きではありませんが、とても重要なため動きケア®では骨盤部の基本運動のひとつに加えてあります。
まずは、「前傾と後傾」ですが、どちらも十分にできることが大切です。どちらも十分にできるようにしておくことが、その人にとって最もふさわしい骨盤の前傾具合が決まることにもつながります。人は衰えると骨盤が後傾してきます。特にシニアのアスリートの皆さんにはスポーツ障害予防のために骨盤前傾の動きが十分にできるよう維持しておくことが大切になります。
次に骨盤左右傾けの動きである「左上傾けと右上傾け」です。現代人が十分にできなくなってしまった動きです。立位での片足荷重から骨盤左右傾けが自然にできるところまで仕上げることが大切です。足部に痛みや不調を抱えている場合、骨盤部の動きが十分できなくなっているケースがたくさんみられます。足部と骨盤部は遠く離れているので、まったく関係ないように感じるかもしれませんが、実際に骨盤部の動きが十分できるようになると足部の痛みや不調が改善することがあるのです。
最後に「腹圧」ですが、現代人は年齢を問わず、アスリートであっても、そうでなくても自然にうまく「腹圧」を発揮できなくなってしまった印象があります。まずは、「腹圧」についての身体のつくりを確認し「動きケア®コア・ベーシックエクササイズ」に取り組んでみてください。いろいろな角度から複合的にコアに刺激を入れていくことが自然にうまく「腹圧」を発揮できるようになるポイントです。
骨盤部は身体の〝中心部〞です。中心部が十分に動くことは身体の末端に過度の負担をかけないことにつながります。また、どんな場面でも、中心部を安定した状態に保つことはハイレベルなパフォーマンスを発揮するために必要なのです。
5つの骨盤部の基本運動
①前傾⇔②後傾
③左上傾け⇔④右上傾け
⑤腹圧
出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』