「腐った世の中をぶっ壊せ」563年前の瀕死の日本、時代を切り拓いた知られざる“無頼”を描く『室町無頼』特報映像&場面写真
時は室町、“応仁の乱”前夜の京———。大飢饉と疫病の連鎖、路上に重なる無数の死骸。そんな混沌の世の中に風の如く現れ、巨大な権力に戦いを挑んだ者たちがいた…。蓮田兵衛、日本史上、初めて武士階級として一揆を起こし、歴史にただ一度だけその名を留める男。彼の元に結集した「アウトロー=無頼」たちの知られざる闘いをドラマチックに描いた『室町無頼』が2025年1月17日(金)より公開される。このたび、本編映像と場面写真が解禁となった。
時代を切り拓いた、知られざる“無頼”を描く
己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぎ、密かに倒幕と世直しの野望を抱く無頼漢で剣の達人である主人公・蓮田兵衛を演じるのは、今や国民的スターとなった大泉洋。周囲を惹きつける吸引力を持つキャラクターは、まさに彼のハマり役。さらに剣の達人役として、本格的な殺陣・アクションに初挑戦するなど、50歳を迎えた大泉が兵衛というキャラクターにエネルギッシュに命を吹き込み、“大泉史上最高にカッコいい男”を演じきっている。兵衛に拾われ、身も心も成長する才蔵役に抜擢されたのは、なにわ男子の長尾謙杜。その才蔵に棒術を教え込む老師に柄本明、民を虐げ、贅沢にふける有力大名・名和好臣には北村一輝、高級遊女にして、男たちの間を漂う絶世の美女・芳王子役に松本若菜がそれぞれ演じている。そして300人もの荒くれ者を抱え、幕府から今日の治安維持と取り締まりを任される悪党一味の首領・骨皮道賢に扮するのは堤真一。兵衛とは悪友であり、宿敵ともなっていく。
原作は昨年、「極楽征夷大将軍」で直木賞を受賞した垣根涼介の「室町無頼」(新潮文庫刊)。監督を務めるのは、『22年目の告白—私が殺人犯です—』や『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』など、濃密な人間ドラマをエンタメに昇華させてきた入江悠。憧れだったという京都で撮影に飛び込み、伝統ある京都撮影所の職人たちと共に、新時代のアクション・エンタテイメントを作り上げた。
「映画史上に残るスケールの時代劇になりそうだ」
映像は、両手に刀を持ち、多勢の敵に立ち向かっていく兵衛の両目のドアップから始まる。兵衛を筆頭に敵陣へと戦い猛進する無頼たちのアクションシーンには、並々ならぬ壮大なスケールが感じられる。
「いくつになっても立ち回りのある時代劇にはワクワクする」大泉がこうコメントする通り、兵衛と道賢が刃を交えるシーンはすさまじい迫力があり、呼吸を忘れてしまうほどの緊迫感がありながらも、二人が次にどんな立ち回りを見せるのか?という期待とワクワク感が押さえられない。
今年2月に実施した製作発表会見では、「昨年の夏はずっと稽古していた。稽古初日から素振り100本振った」(大泉)、「台本上ではアクションシーンはあまりなかったのに、現場で戦うことになってしまって…やっても一手か二手かと思ったら全然違った」(堤)と二人が話す通り、劇中で魅せる名優たちの殺陣はさすが超一流。さらに「映画史上に残るスケールの時代劇になりそうだ」と大泉が話す通り、本作の完成に大きな期待を寄せても裏切られることはないだろう。
映像ラストで、不敵に笑みを浮かべる兵衛。今から563年前の瀕死の日本で彼はいったい何を見てきて、何を見ようとしているのか。兵衛たちはいったいどこへ向かっていくのか…「腐った世の中をぶっ壊せ」「立ち上がれ。戦わなければ何も変わらない」と、天災や、物価高騰、政治不信・ポストコロナの不安な世界を生きる我々にもどこか通ずるようなメッセージがこの映像からは感じられる。
場面写真は、敵を斬りつけた直後の凄みと殺気が表裏一体となった猛々しい表情の兵衛、刀の先まで神経を巡らせているような美しい刀裁きを見せる道賢、そして血と泥にまみれながらも六尺棒を手に、強い意志の宿った眼差しを向ける才蔵…いずれも、映画史上に残るスケールの新時代のアクション大作の誕生を想起させる迫力満点の写真だ。
名もなき人々が、ダメな幕府に命懸けで「NO!」を突き付け、次の時代の扉をこじ開ける姿———それはきっと、今を生きる人々に爽快感と明日への情熱を与えてくれるはず。無頼たちの戦いやいかに!?
『室町無頼』は2025年1月17日(金)より全国公開