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すすき野団地 誰一人取り残さない施策 オープンガバナンスで受賞〈横浜市青葉区〉

タウンニュース

アイデア賞を受賞した「AyumiyorIプロジェクト」

住民や組織の高齢化によって孤立や孤独が進んでいるすすき野団地。身寄りのない高齢者の尊厳が十分に守られながら、住み慣れた地域で老後を過ごし、その先の死を不安なく迎えられるか。その社会的課題に対して、同団地では独居などで身内から支援を受けられない高齢者11人を対象に、意思決定支援を行う「アドボケーター」という専門の役割を配置する実証事業を始めている。

実証事業を行っているのは、住民や介護・終活事業者などで構成された任意団体「個・孤の時代の人生ケア会議」。アドボケーターは、主に社会福祉士や看護師などが務め、高齢者の判断力が衰える前から病気になった際に希望する治療法や逝去後の対応などを聞き取り、入院や施設の入所、逝去時の葬儀会社との対応などを担うという。

COGでアイデア賞

実証事業は今後も対象者も拡大させていく予定だが、アドボケーターの業務効率化について課題も。対応する範囲が広い上に、アドボケーター自体が確立し、充足しているわけでもないためだ。

これら課題に対する1つの解決策として、「人生ケア会議」に学生や大学研究者を加えたチーム「AyumiyorIプロジェクト」が、3月に行われた地域課題解消のアイデアを競うコンテスト「チャレンジ‼オープンガバナンス2023」(COG)に出場。市の行政サービス情報を答える「AIチャットボット」にアドボケーターの経験を蓄積することを提案。アドボケーターも支援している高齢者のニーズを受け、行政サービスを的確に早く把握できるようになれば業務の効率化が図れるが、現状のAIチャットボットだけでは難しい側面があり、提案に至ったという。この提案は全国から集まった46のアイデアから準優勝にあたるアイデア賞に輝くなど評価された。

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