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知人や家族が適応障害になった時、絶対にかけてはいけない5つの言葉

さくマガ


適応障害という病気を知っていますか?
環境の変化や強いストレスが原因となり、抑うつ症状や不眠症など、様々な症状が現れる適応障害。うつ病とは違って、日本ではまだまだ認知度の低い病気です。
しかし、近年日本人の間でも適応障害の患者は急増しており、その数は100万人以上にのぼるとも言われています。
特に20代・30代といった働き世代の人たちは、仕事の内容や職場の環境、人間環境が自分に合っていなければ、適応障害を発症するリスクは高いです。
もし自分の部下や同僚、さらには家族や恋人が適応障害になってしまった時、周りの人間はどのように接するべきか? どのような言葉をかけてあげるべきか?
今回は僕自身が適応障害の時に言われて嫌だった5つの言葉を紹介します。適応障害の人にこれらの言葉はかけないように、注意していただければと思います。

適応障害の人に絶対かけてはいけない5つの言葉

「これからどうするの?」

まず僕自身が嫌だったのは、未来の話をされることです。例えば「これからどうするの?」など。
僕は大学を卒業してすぐの頃に、強い抑うつ症状を伴う適応障害を発症しました。
病気になってすぐの頃は、とにかく休みたい気持ちしかありませんでした。そのため、「これからどうするの?」「いつまで仕事を休む予定なの?」といった言葉をかけられると、そんな未来のことを考える余裕はないと、気持ちが沈んでいました。
どんな症状を併発しているかにもよりますが、適応障害になってすぐの頃というのは、今を生きることで精いっぱいな人も多いです。あまり未来の話はせず、とにかく休むことを肯定する言葉をかけてあげてください。

「もっと大変な人もいるよ」

僕の周りの適応障害経験者や、SNSで寄せられた経験者のコメントに目を通してみると、多くの人が「もっと大変な人もいるよ」「あなたより辛い状況の人はいるよ」と言われて辛かったと語っています。
「適応障害なんて甘えだ」と考えている人がたまにいますが、そんなことはありません。抑うつ症状をはじめ、生活を送ったり、仕事をしたりするのに支障をきたすような症状が出ていれば、それはれっきとした病気です。
他人の苦しみと比較したところで、何の意味もありません。それにもかかわらず、精神的に追い込まれている状況の人が「もっと大変な人もいるよ」と言われてしまえば、自己肯定感がさらに低くなったり、自分自身を責めたりしてしまうかもしれません。
その人自身の絶対的な苦しみは変わらないのだからこそ、寄り添う気持ちを持って接してあげてください。

「社会人なんて苦労してなんぼ」

自分の部下が適応障害になった時、理解のない上司であれば、このような言葉をかけてしまう人もいるかもしれません。
例えば「世の中の社会人は朝から晩までみんな頑張って働いている」「俺が若い頃はもっと大変だった」など、こういった「社会人なんて苦労してなんぼ」といった言葉は、病気の人をさらに苦しめることに繋がりかねません。
世間一般の「常識論」を振りかざしたところで、それを言われた人は返答のしようがありません。人間だから一人ひとり能力やキャパシティに差があったり、性格が違ったりするわけで、世間一般の感覚や別の人の過去がそのまま当てはまることもありません。
病気になっている人が耐えられるストレスの限界値と、他の人が耐えられるストレスの限界値も違います。それにもかかわらず、世間一般の常識を当てはめようとすれば、そこでさらにストレスを感じてしまうかもしれません。
人間は一人ひとり違うんだという、多様性に対する理解を持つようにしてください。

「残念だね」

適応障害をはじめ、精神疾患で周りの部下や同僚が仕事を休むことになっても、「残念だね」という言葉はかけないようにしましょう。
残念なことは当の本人が一番わかっています。できることなら適応障害になんてならず、仕事を続けたかったはずです。
仕事を休むことになれば収入も減り、生活に対する不安も抱えなくてはならない。だから、本人が一番悔しいはずです。
とはいえ、もう身体が限界に達しているから休むことになってしまったわけで、本人の残念な気持ちをさらに後押ししてしまうような発言をしてしまえば、ゆっくりと休むこともできなくなってしまうでしょう。

「思ったよりも元気そうだね」

特に家族や友人が適応障害になった時は、この言葉を使うのは注意をしてください。
僕は適応障害で仕事を休んでいる時も、時々ですが知人や友人に会っていました。その際、「思ったよりも元気そうだね」「心配していたから、元気そうな顔を見て安心したよ」と言われたことがあります。
言葉をかけている本人に悪気はなくても、適応障害を患っている人は、この言葉を言われると傷ついてしまうことがあります。なぜなら、他人と会う時は無理して元気な顔を作っていることもあるからです。
そんな時に「思ったよりも元気そうだね」と言われると、「この人には理解をしてもらえていないんだ」と感じてしまいます。その相手が家族や恋人、親友といった近しい関係の人であれば、なおさらショックを受けてしまうかもしれません。
「無理してない?」「しんどかったら何でも言ってね」など、ありのままの自分を受け止めてくれるような言葉をかけられるのが、経験者としては有難かったです。

では、適応障害の人にはどんな言葉をかけてあげるべきか?

僕が病気で休むことになった時、周りからかけてもらって嬉しかったのは、「とにかく休むことを肯定する言葉」です。

「今は気持ちの赴くままに生きてください」
「仕事のことは心配しなくていいから、ゆっくり休んでください」
「生産性の低いことから、やっていきましょう」
「別に無理して仕事に戻る必要なんてないんだからね」

こういった言葉をかけてもらえて、気持ちがとても楽になりました。
適応障害になる前は休む暇もなく、ひたすら仕事だけをする毎日。効率性や生産性に囚われ、周りが見えなくなっていたからこそ、「休んでもいいんだ」と思わせられる言葉をかけてあげるのが大切だと思います。
僕が実際に言われてうれしかった言葉は、こちらの動画「適応障害になった時、言われて嫌だったこと、嬉しかったこと【経験者が語ります】」の中で詳しく紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

こちらの記事『適応障害になり学んだ8つのこと 実体験に基づきシェアします』もあわせてご覧ください。

執筆

原貫太
1994年生まれ。フリーランス国際協力師。早稲田大学卒。
フィリピンで物乞いをする少女と出会ったことをきっかけに、学生時代から国際協力活動をはじめる。これまでにウガンダの元子ども兵や南スーダンの難民を支援。出版や講演、ブログを通じた啓発活動にも取り組み、2018年3月小野梓記念賞を受賞。

編集

川崎 博則
1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

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