たつの市の『そうめん処 霞亭』ミシュラン掲載店で頂くのど越しの良い揖保乃糸にゅうめん たつの市
たつの市の城下町、街のシンボルにもなっている『龍野城(霞城)』の隣りにお店を構えるのは『そうめん処 霞亭』。
揖保乃糸で有名なたつの市。実は、40年ほど前にはコース料理で素麺を出すお店はありましたが、観光客が気軽に食べられるようなお店は全くなかったそう。
当時たつの市の観光課に勤めていた現店主の父親が、誰もが気軽に食べれるお店を出したいと思い、お店を開いたのがきっかけ。
現在、お店を経営するのは3代目の桝本さん夫妻。2016年にはミシュランに掲載される有名店でもあり、地元客・観光客問わず、店の看板メニューとなる”にゅうめん”を求める客が足しげく通います。
“にゅうめん”のお店というだけでもちょっと珍しいのに、ミシュランに掲載されたお店だなんて、いったいどんな料理が出てくるのでしょうか?
店内はとても温かみのある雰囲気で、店内には座席は2人席が3テーブルと、4人席が2テーブル。
気候の良い9月~10月にかけてや、4月~5月にかけては、2テーブルあるテラスの席で料理を頂く事も可能。
お庭の景色が良くてとっても気持ち良さそう♪
この日頂いたのは、お店の看板メニューである「霞亭にゅうめん」。このにゅう麺には一つひとつ厳選されたこだわりが詰まっています。
完全無添加にこだわり、丁寧に取られた自慢の出汁は北海道の昆布と地元室津産のいりこを使用。その味わいは、さっぱりすっきりというより、柔らかな奥ゆかしい女性のような、丸みのある上品な味わいが特徴です。
そしてそっと引き上げてみたにゅう麺は、驚くほどのど越しが良く、本当にツルツルと喉の奥を滑り落ちていきます。
もちろん使用しているのは揖保乃糸の特級品の”ひね”。業者から仕入れているそれは、いつどのタイミングでどの製造者の商品が入るか分からないそう。ベストな状態の茹で加減にするのは至難の技なのだとか。
父の代から引き継いでいるのは”綾部山梅林の梅”を梅干しにしてから、塩抜きし、甘酸っぱい甘露煮にしたもの。柔らかな梅の甘さと素麺、出汁の味わいの一体感に虜になる方も多くいらっしゃるそうです。
他にも、あなごの香ばしさ・柚の香り・三つ葉の香味もアクセントに。何かが抜きんですぎると、とたんバランスが崩れてしまうのですが、ほんのちょっとずつ細かく微調整されているおかげで、素晴らしい黄金バランスを築きあげています。
相生の深山農園の肉厚の生のしいたけは甘く煮つけられ、ぷりっと柔らかな食感。
本当に細やかな技が光り、今まで想像していたにゅう麺とは一線を画すものでした。
そして、気になっていたのがこの「梅のアイスクリーム」。こちらも使用されているのは綾部山梅林の梅。青梅の果肉を砂糖でじっくりと煮込むそう。
炊きすぎず、少し“硬さ”を残すことがポイントで、それが、このアイスクリームに梅の実の食感を持たらすアクセントとなっています。
ミシュラン審査員が来た時の話を聞いたり、素麺の茹で時間を2年以上かけて研究した話等、お話を聞くのがとても楽しくて、ふと取材を忘れかけて大盛り上がり(笑)。
そんな中、「是非食べて帰ってね」とご厚意で出して頂いたあるものに、ちょっと衝撃を受けることに…。
秋も暫く暑いので、まだまだ人気だというかき氷。実は、このかき氷。氷まで自家製で、ご主人剛志さんが腕を振るう自慢の一品。
さっぱりとした甘酸っぱいいいちごソースは地元の旬のものをフレッシュに味わえるようにと真空状態にして保存しているそう。
そしてこのかき氷の特徴は何故か不思議なことに、驚くほど”しっとり”!例えるなら、きめの細かい、しっとりしたパンと同じような感じなんです。(これ以上の表現方法が思いつかない…)
取材時にも、常連客がわざわざ平日を狙って食べに来られておられ、その美味しさにメニューまでしっかりcheckしてしまいました。
「心の籠った料理をただおいしく味わって欲しいだけ」…その言葉は、お二人の温かな様子からも伝わってきます。
帰宅した後に、もう一度食べたくなってしまった霞亭の“にゅうめん”。変わりゆく四季と共に味わってみるのも、また一興かもしれませんね。
場所
そうめん処 霞亭
(たつの市龍野町上霞城4)
営業時間
11:00~16:00
定休日
水・木
駐車場
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