高岡まちなかのホットスポット“高の宮通り”にホットドッグの専門店【HiCKS LOCAL STAND】無添加手作り特大ソーセージ 週末夜はバーに
鋳物や金工細工などの伝統工芸が盛んで、文化的なまちなみが残る歴史都市 高岡。
人口減少や高齢化などによって市街地中心部の空洞化が進む一方、近年は空き店舗や空き家などを利用して若い人が創業したり、新たな店をオープンさせたりと新しい動きも活発になりつつあります。
そんな高岡で注目エリアのひとつとして挙げられるのが、“高の宮”として親しまれる高岡関野神社の周辺。まちを開いた前田利長を祀る神社で、毎年5月1日にはユネスコの無形文化遺産に登録される御車山祭が行われる高岡のシンボルでもあります。
そんな関野神社の赤鳥居から末広町交差点に向かう高の宮通りは、周辺の御旅屋通りや末広通りなどと同様に昼も夜も人波が絶えない繁華街として栄えましたが、今はほどよく落ち着いて文化や歴史の香りが感じられる叙情的なスポットに。日本茶や豆腐料理が自慢の和食店、自家焙煎のコーヒー店など、個性的な店も続々とオープンしています。
今回は、2025年8月にオープンしたホットドッグ店を紹介します。
話題の店が続々! “高の宮通り”に新たなホットドッグ店
高岡市の関野神社から末広町交差点へと至る「高の宮通り」。
かつては御旅屋通りや末広通りなどと同様に商店や飲食店がびっしりと軒を連ね、昼夜を問わず人通りが絶えない活気ある商店街でしたが、郊外の大規模店や人口減少などの影響から今はシャッターを下ろす店も増えています。一方で、人が減ったことで神社周辺の厳かな雰囲気や昔ながらのレトロ感は増し、その落ち着いた雰囲気を気に入って、近年は空き店舗をリノベーションした民泊施設や個人店などの新しい施設も増えつつあります。
高の宮通りの中ほどに2025年8月にオープンした「HiCKS LOCAL STAND(ヒックスローカルスタンド)」もそんな店のひとつ。手作りのソーセージを使ったホットドッグの専門店です。
田舎の屋台をイメージ ポップでかわいいスタンド型ショップ
ネイビーとオレンジの色使いがポップで印象的ですが、売りは“田舎”なんだそう。
「“HiCKS”は田舎者という意味のスラングで、田舎の地元屋台というイメージのお店です。田舎者ならではの素朴さやぬくもりを大切に、地元に根差したホットドッグ屋さんにしたいという想いでつけました」
こう話すのは、高岡生まれ、高岡育ちの店主、礪波悠華さんです。
通りに面した間口は1間ほど。昔ながらのこじんまりとした店舗ですが、ポップなカラーリングのおかげで離れたところからもかなりの存在感。入る前からワクワクするような店構えです。
「ホットドッグはテイクアウト中心ですが、イートインもOKなので、気軽にお声がけくださいね」(礪波さん)
店内は奥に長く、カウンター席とテーブル席があります。
オレンジの天井に青色のライト、スケートボードやレコードのインテリアなど、中もアメリカンダイナーのようなポップでおしゃれな空間です。
流れるBGMは、カントリーやロカビリー、ポップスなど1950年代のアメリカを思わせる音楽。若い人にとっては新しく、90年代のアメカジ文化を謳歌したオジサン世代には懐かしく感じる空間が広がります。
食べごたえ十分! 無添加・自家製ビッグソーセージ
そんな「HiCKS LOCAL STAND」のこだわりのホットドッグ、ポイントはなんと言っても無添加の手作りソーセージです。
「ホットドッグ屋を始めるにあたって、いろんなソーセージを食べてみたんですが、私好みのものがなくて、『それなら自分で作っちゃおう! どうせ作るなら、誰もが安心して食べられる無添加のソーセージを作ろう!』ということになったんです」(礪波さん)
でも、一朝一夕にはいかなかったそうで…
「最初はスパイスの配合がバラバラで、どこかピンとこない味ばかりだったんです。ひとつずつ試しては失敗して、を繰り返しながら、自信を持って『おいしい!』と言えるソーセージができあがりました」(礪波さん)
太さも長さも特大サイズ。食べごたえのあるソーセージは、噛むほどにジューシーな肉汁と複数のスパイスが絡み合った、深みのある味わいを楽しむことができます。
「派手さはなくても、素材の味を生かし、シンプルで力強いおいしさを追求しています。これからも、手間ひまを惜しまず丁寧に作っていきたいと思います」(礪波さん)
ソーセージの完成を待ってチョイスしたというドッグパンは、胚芽入りのセミハードタイプ。
ザワークラウトの酸味、ピリッとした辛さがクセになるハラペーニョ、豆のうま味もしっかり味わえるチリコンカン、胚芽の香りも楽しみつつ味わうことができます。
プレーン、チーズ、サルサ… どれも食べごたえ抜群
手作りソーセージがメインのホットドッグは、ケチャップ&マスタードのプレーンに加えて、アメリカ南部や中米で食べられるチリコンカン、サルサソースなどのバリエーションをラインナップ。
たっぷりとかかったソースやボリューム感から、一見、ジャンキーなホットドッグのように思われますが、“安心できる味”にこだわる礪波さんならではの手仕込みによってそこまでの罪悪感はありません。女性や子供でも安心して食べることができます。
週末は夜営業で「フードバー」に
週末はフードバーとして夜も営業しています。
おつまみには、ホットドッグはもちろん、フライドポテトやナチョス、自家製の燻製ナッツなどがあります。ナッツは有塩のほかに無塩もあるので、塩分を気にする人もおいしくいただけそうですね。
ペット用の無添加手作りおやつも
店内に鶏のムネ肉を使ったペット用のおやつも販売していて、こちらも無添加。ワンちゃんとの散歩の途中に寄り道を楽しむのも◎。
「地域の人とのつながりを楽しめるのも田舎のよさ。高岡に根ざしたぬくもりを感じられる店作りをしていきたいと思います」(礪波さん)
個性的な店が集い始めた高岡市の高の宮通り。ランチやカフェ、夜呑みタイムがますます楽しくなりそうです。
【HiCKS LOCAL STAND】
住所 富山県高岡市末広町9-60
営業時間 水・木曜 11:00~17:00
金・土曜 11:00~16:00、18:00~22:00
定休日 日・月・火曜