”芸術の秋”に地元アートに触れる 山口市「ギャラリーナカノ」
秋の訪れを感じる季節、皆さんはどのように過ごされていますか?
「芸術の秋」という言葉があるように、アートに触れるには絶好のタイミング。
ということで、今回は 山口市の歴史あるギャラリーをご紹介します。
母から引き継いだアートギャラリー
山口市の中心部、一の坂川沿いの静かな場所に佇む「ギャラリーナカノ」(山口県山口市中央1-5-14)は、1978年4月に現オーナーの中野聡(なかの・さとし)さんの母、中野雅恵(まさえ)さんがオープンされました。
作品の展示に留まらず、音楽や演劇、さらには講演会など、多彩な文化交流の場として歴史を重ねてきました。
話を伺った中野聡さんは、母から受け継いだギャラリーを大切に運営されています。
長年、アート業界に身を置いてきてその変遷を見てきました。特に、1980年代のバブル期には、今では大人気の現代美術が大衆の関心を集めなかったことや、2000年以降のインターネット普及によって、SNSが若いアーティストたちの発表の場となったことをあげ、時代とともにアートシーンが大きく変化、「アートの世界はどんどん多様化している」と中野さんは言います。
今では誰もが気軽に作品を公開し、発表できる時代です。そんな中、「ギャラリーナカノ」には地域のアーティストや駆け出しの若手クリエイターたちが訪れ、中野さんに作品や活動についてのアドバイスを求めることも少なくありません。 ネットを通じて作品を見る機会が増えてきていますが、やはり目の前で本物を見ることによって養われていく感性もあります。
中野さんは、作家同士を繋ぐ「架け橋」としての役割も担う、若手アーティストの成長を支える縁の下の力持ちのような存在です。
開催中!パステルカラーのキュートな展覧会
さて、そんなギャラリーナカノでは、現在、深海志都香(ふかみ・しづか)さんの個展「decoration」が9月29日まで開催されています。
深海さんは山口芸術短期大学を卒業後、仕事と並行してアート制作を続けています。彼女の作品は、パステルカラーで描かれたかわいい動物や女の子などのオリジナルキャラクターが特徴で、見る人の心を和ませてくれる優しい世界観があります。
また、オリジナルグッズも販売されており、好きな作家さんの作品を家でも楽しめるというところに魅力を感じます。
地元のアーティストたちとともに
中野さんはアートシーンにおける変化を見つめる中で、常に新しく鋭い視点を持ち続けています。これからも新しい美術を提案し続けることを目指していて、創意工夫と挑戦を繰り返しながら、地元発の美術家たちを支援し、共にアートの未来を紡ぐことが彼の願いです。
「ギャラリーナカノ」は、その温かい雰囲気と地域にあった活動で多くの人々に愛され続けてきました。 山口のアートシーンを支える重要な存在であるこの場所は、アートファンだけでなく、アートに興味はあるけれど敷居が高そうだなと思っている人にとっても、心地よい空間となることでしょう。遠慮なく扉を開けて入ってみてください。
山口市に訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。 あなたも「芸術の秋」を「ギャラリーナカノ」で満喫してみてはいかがでしょうか?
開催中9/20~29 深海志都香個展「decoration」(23~27日休み)今後の展覧会予定10/11~27 佐々木範子個展「明日のひかり」11/8~24 臼杵万理実作品展
※いずれも11時~17時、休廊日は展覧会によって変動しますのでご確認をお願いします。