近年「独自路線」傾向のオリックス 今年も意表突いた野手一本釣りか【球団別ドラフト指名傾向】
1位は3年連続で単独指名
今年は10月24日に開催されるプロ野球ドラフト会議。本番まで1週間を切り、各球団の編成担当は当日に向けて候補選手の最終確認、絞り込みに追われていることだろう。
本記事ではそのドラフトに向けてSPAIAに掲載している「ドラフト歴代指名選手一覧」を使用し、球団ごとにどのような指名傾向があるのか、過去のドラフトから探ってみたい。今回はオリックス編。
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はじめに、全体の指名傾向を見ていく。2004年以降、オリックスは合計178人(育成含む)の選手を指名しており、そのうち投手が96人で全体の約54%と、投手が半数以上を占めている。高校生、大学生、社会人(独立リーグ含む)の割合は、それぞれ約38%、23%、39%と、大学生の指名が少なめの傾向にあるようだ。
2004年以降の各分類別指名人数
次に、より具体的に近年の傾向を探るため、2014年以降の過去10年間において、上位指名(3位以上)を中心にどのような傾向があるのか見ていく。
まずは1位指名について。オリックスは2014年からの10年間で6度単独指名、4度競合と、競合を避ける傾向にある。昨年も上田西高の横山聖哉の一本釣りに成功しており、2021年の椋木蓮から3年連続の単独指名となった。
競合した場合の「くじ運」は、1勝3敗とあまり良くない(再抽選も含めると1勝4敗)。2017年に唯一の当たりくじを引いているが、これも1998年以来19年ぶりのことだった。オリックスは「くじ運」に恵まれていない球団の1つといえる。
過去10年のドラフト1位指名
ポジション別でみると、投手が7人、内野手が2人、外野手が1人と、投手重視の傾向に見える。ただ、初回の入札では2018年以降4度、野手を指名しており、そこまで投手偏重というわけでもないようだ。
投手、野手バランス良く指名
ここからは上位指名(3位以上)について見ていく。1位では投手、野手で大きな偏りは見られず、結果的に投手の指名が多くなっていたが、2、3位でもその傾向は変わらない。2位は投手4人、野手6人、3位は投手、野手5人ずつとなっており、特に、2位は2018年から5年連続で野手を指名していた。
カテゴリー別での内訳は高校生14人、大学生10人、社会人6人と、昨年高校生を3人指名したこともあり、高校生が多くなっている。その一方で社会人は2019年以降、上位指名されていない。2019年と2022年は社会人の指名自体ゼロだった。
年度ごとの投手と野手のバランスを見ると、「投手2・野手1」が6度、「投手1・野手2」が4度で、「投手3」「野手3」といった偏った指名はなく、毎年、投手と野手をバランス良く指名する傾向にあるようだ。
過去10年ドラフト3位までの指名選手(青色で塗られている選手は社会人)
10年間で野手の上位指名は計14人で、その内訳は捕手2人、内野手9人、外野手3人。センターラインを中心に、内藤鵬ら将来の4番候補も指名と、非常にオーソドックスな傾向にあるといえるだろう。
以上よりオリックスの指名傾向をまとめると、以下の通りとなる。
・指名全体では大学生が少なめ
・ただし、近5年の上位指名は社会人減、大学生増
・近年1位指名は「独自路線」傾向
・偏った指名はせずバランス型
かなり投打のバランスを意識した指名傾向のあるオリックス。今季まさかの5位に沈んだ要因としては打線の低迷が大きく影響したこともあり、今年のドラフトでは野手の優先度が高いと想定される。このところの傾向から「独自路線」で即戦力性の高い野手を一本釣りする可能性が高そうだが、果たして……。
※選手のポジションは指名当時
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記事:SPAIA編集部