「まだ夏じゃないから平気」の油断は大敵! 5月でも【熱中症対策】は必須
2025年は全国的に暖かくなるのが遅かったが、4月半ばを過ぎた辺りから急激に気温が上がり始めた。これからのシーズン、釣りは勿論、潮干狩りや磯・水場遊びなど、川や海で過ごす機会も多いのではないだろうか。そこで今回は、この時期だからこそ行いたい熱中症対策について紹介していきたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
この時期に熱中症!?
著者は2023年の夏頃に、「真夏の熱中症対策」と題して記事を執筆した。
暑い時期の釣りはこうして乗り切れ!【夏場の熱中症パーフェクトマニュアル】
真夏は熱中症が大変多い季節なので、ご納得いただけると思う。では何故4・5月に、改めて熱中症対策が必要なのかを紹介したい。
油断
一番の敵は間違いなくコレだ。「まだ夏じゃないから」「気温が30度を超えてないから大丈夫」といった油断が熱中症を招く一番の要因と言えよう。
実際のところ、25度程度の気温でも晴天であればかなり暑く感じるし、無風であればなおさらだ。十分に熱中症になりえる温度帯である、と意識しておきたい。
車内に注意
GW頃は、何処に行っても渋滞が激しい。著者の住む兵庫県であれば、淡路島や阪神高速道路の渋滞がとくに有名だ。「片道1時間程度の移動だから」と油断し、飲み物を持たずに車に乗った結果、渋滞に巻き込まれて脱水……なんて事に注意したい。5月であっても、車内は余裕で35度を超えると心得ておこう。
日差し
5月は1年で最も紫外線が強い時期とされる。梅雨に入る前という事もあり、「五月晴れ」の言葉通りカラっと晴れ渡る日も多い。こんな日は気温よりも太陽光/日差しの強さを考量すべきだし、「日焼けという名の火傷」にも気を付けたいところだ。
湿度
冬の間使用していた加湿器を、5月も継続して使用している方は少ないと思う。何故なら梅雨入り前で湿度が高くなる日も増えるからだ。雨の後など蒸し暑い日もあるので、気が付いたら脱水なんて事になりかねない。十分気を付けてほしい。
すぐできる熱中症対策
ではここから、「春・初夏の熱中症」にならないために注意すべきことをみていこう。
水分・塩分補給
何をおいてもこれが基本となる。ミネラルを含んだお茶やスポーツドリンクを「やや多いかな?」と感じる程度用意しておきたい。万が一の為に塩分タブレットや経口補水液もあると安心だ。
日焼け止め
先述したように、今の時期は紫外線が非常に強いため、肌が焼けやすい点も考慮したい。日焼け止めは、今の時期だからこそ必須と言えるだろう。手で直接塗るタイプだと掌がベトベトになり、釣り竿や潮干狩りグッズが滑ってしまう危険がある。その点、ロールオンタイプの日焼け止めなら肌に直接塗ることができるので、手が汚れることなく完璧だ。
勿論、水場のレジャーであればウォータープルーフ(水耐性)にも注目して選びたい。
また、唇が焼けて痛いというケースも意外と多いので、日焼け止め効果のあるリップクリームも併せて使用したい。
服装
帽子は頭部を保護するため必須。その他、首元を覆うタオル、肌の露出を避けるための通気性の良い長袖も用意したい。朝晩は冷えることもあるので、羽織る物も1枚用意しておいて損はないだろう。適宜調整できるようにしておこう。
エアコン
まだ5月だから使うと負け……といった考えは是非捨ててほしい。現在日本に入ってくる車(外車)は「亜熱帯使用」であるとも言われている。例え5月であっても、「暑いな」と感じたら車内・室内問わず積極的に使用しよう。
変だな?と感じたら
最後に、「熱中症らしき症状」が出た時に注意すべき点を紹介しよう。
涼しい場所へ
まずは即刻レジャーを中止し、すぐにでも日陰に移動しよう。この時期の日陰は存外涼しいものだ。その他、エアコンが効いた場所(スーパーやコンビニ等)へ移動するのもいいだろう。手早く体を冷やす場合は、クーラーに入れてある氷や飲み物で体を直接冷やすのもオススメだ。冷やす場所だが、首周辺・わきの下・鼠径部(太ももの付け根)の他、頬・手のひら・足の裏も効果が見込める。
水分を補給
涼しい場所に移動しつつ、やはり全ての基本として水分を摂取したい。胃が受け付けない・ムカムカするような感覚がある場合は積極的に経口補水液を(ゆっくり・しっかりと)飲みたいところだ。
最悪の場合は救急車
夏場の熱中症対策でも紹介したのだが、体が動かない、水分が自力で摂れない、ろれつが回らず意識が混濁といった場合は緊急事態なので、躊躇せずに救急車を呼ぶこと。その一瞬の迷いが命取りになるケースもあるので、常に頭の片隅に置いておいてほしい。
熱中症は油断からやってくる
毎年GW~5月半ば頃になると、潮干狩り客が熱中症で救急搬送されたというニュースを耳にする。「まだ5月だし、熱中症は無いだろう」と油断した結果、楽しいはずのレジャーがこのような結末を迎えては本末転倒だ。
特に砂浜は照り返しがきつく、小さなお子さんは危険と隣り合わせであることを十分に考慮していただきたい。とはいえ、きっちりと対策を行っていれば回避することができるので、くれぐれも油断をせず、対策を万全にして安全に楽しんでほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>