すずの木カフェ
茅ヶ崎駅北口、徒歩4分ほどのところにありながら、街の喧騒を感じることなく穏やかな時間が流れている画廊喫茶『すずの木カフェ』。ランチ時には、入店を待つ人の列ができる人気店です。
※画像内の表示価格は取材時(2025年11月)のものです。価格は変更になる場合があります。
開店から16年、老若男女に長く愛され続けている『すずの木カフェ』の美しく美味しい食事やデザート、月ごとに変わる展示、時間を忘れてしまいそうなほどに居心地の良い雰囲気をお伝えしたいと思い、店主の吉村さんにお話を伺いました。
お祖父さんの想いを叶えた画廊喫茶
『すずの木カフェ』があるこの場所は、以前は店主の吉村さんのお祖父さんの会社があったのだそう。そのお祖父さんが画廊喫茶を作りたいと話されていたのですが、吉村さんはその話は聞いたことがなかったそうです。
お祖父さんが亡くなってからそのお話を聞いた吉村さん。自身は美術を勉強してきて、その後ずっとフランス料理店で働いていたという経験があり「画廊喫茶なら私がやろうかな」とギャラリー兼喫茶店としてお店を作ることにしました。
「フランス料理を勉強していたので、できることは洋食系。フランス料理のように敷居が高いところではなく、友達や家族に気軽に”食べに来て”と言えるようなお店を作りたいと思ったことや、子育てをしていて家族での時間も大切にしたかったことから、夜はやらない喫茶店がちょうど良かった」と吉村さんは話します。
覚えやすく親しみやすい店名
『すずの木カフェ』の店名は、画廊喫茶を作りたいと話していたお祖父さんのお名前が「鈴木」さんだったことに由来します。吉村さんがこのお店を作ったのは、お祖母さんのためということもあり、フランス語などの横文字を使うより、さまざまな年代の方がすぐに覚えられる店名が良いと思って決めたそうです。
こだわりの食事
食事やデザートは全て『すずの木カフェ』で作っています。「どのようなものを使って作っているのかを、きちんと説明できるものを出したい」と吉村さん。季節感も大切にしているのだそう。野菜は、茅ヶ崎市本村で無農薬・無化学肥料・露地栽培で野菜を育てている伊藤農園から仕入れます。露地栽培の自然農ということもあり品目が限られているので、揃わないものは別に買い足します。
「化学的なものは一切使わずに仕上げています。アイスクリームやグラノーラも全て手作りしているので、食べられないものなどの不安があれば、それが使われているかどうかを明確にご説明できます」と、お客さんが安心して口にできるものを提供しています。
ランチメニュー(11:30~14:30ラストオーダー)
ランチメニューは、ごはん系のものがABCの3種類。ランチは、メインにミニサラダ・雑穀米ごはん・ドリンクがセットになっています。雑穀米ごはんは大盛り(+税込100円)、少なめでもオーダーできます。ランチメニューにはミニデザート(税込300円)を追加することもできます。
Aランチ(週替わりランチ/雑穀米ごはん・ミニサラダ・ドリンク付)税込1,650円
Aランチは週替わりのお肉のランチです。筆者がいただいたのは、このAランチで「豚肉のトマト煮込み」。『すずの木カフェ』で食事をする時に嬉しいところは、できたてホカホカで湯気が立っている状態で運ばれて来るところです。湯気に乗って届くいい香りが、ますます食欲をそそります。
そして、見た目が綺麗なのです。お肉のソースの色にお野菜の色、どちらも鮮やかで目で見て美味しさを感じます。温かいうちにひと口お肉を頬張ると、トマトのさっぱりとした味付けに、ソースに使われているタイムの爽やかな香りが広がります。お野菜も、そのものの味と食感が楽しめて、どの部分を食べても本当に美味しいです。
美術の勉強をされていたことと、フランス料理店で働いていたこと、そういう感性を持っている吉村さんだからこそのお食事だと感じながらいただきました。週替わりなので、いつでも同じものがあるということではないですが「今週はなにかな?」という楽しみがありますね。ランチの内容はホームページやInstagram・『すずの木カフェ』で配布している「すずの木カフェ便り」で確認できます。
Bランチ(週替わりカレー/雑穀米ごはん・ミニサラダ・ドリンク付)税込1,560円
Bランチはカレーです。週替わりとなっていますが、その時に提供しているカレーが終了するタイミングで、次のカレーに切り替えています。タイミングによって多少前後することもありますが、だいたい週替わりになっています。
Cランチ(ベジランチ/雑穀米ごはん・ミニサラダ・ドリンク付)税込1,650円
Cランチはヴィーガン対応のベジランチ。月に2種類を提供しています。吉村さんによると「気を付けているお客さんも割と多くいるのと、気にしている方も増えてきているので勉強して作っています。5年ほど前にサンドイッチから始めたら好評だったので、2週間くらいで替わる季節のベジランチも作りました。もうすっかり定着していて、ベジランチを食べに来る方もいます」とのこと。
多様なライフスタイルに対応するお店は増えてきていますが、それでもヴィーガン対応のお店はまだまだ多くはないので、こういったメニューがあると安心して食べにでかけられる方も多いのでしょうね。
キッズメニュー(小学生以下)
子連れや3世代で来店する方も多いそうで、キッズメニューもあります。
お子様スープセット(ミニスープ・おむすびまたはパン・ドリンク)税込700円ミニA・B・Cランチ(A・B・Cランチの少なめサイズ。雑穀米ごはん・ドリンク付)税込850円
フォカッチャのサンドイッチ(具だくさんのボリュームサンド/ミニスープ・ドリンク付)税込1,430円
フォカッチャを使ったボリュームがあるサンドイッチは3種類。ミニスープとドリンクがセットになっています。
ベーコン&マッシュ:ベーコン・マッシュポテト・ピクルス・焼き野菜・キャロットラペ・サラダべジサンド:お豆のフムス・ドライフルーツペースト・洋風きんぴら・焼き野菜・サラダ季節のサンドイッチ(月替わり)
べジサンドはヴィーガン対応ですが、ミニスープに牛乳を使うことがあり、豆乳への変更が可能だそうです。
そのほかにも、甘くないマフィンやケークサレの季節の粉ものプレート・茅ヶ崎市の矢島ハムのハムを使用したクロックムッシュ・軽めのスープセットなども用意されています。
市内で生産される食材を取り入れて作られているお食事からは、吉村さんの「どのようなものを使って作っているのかを、きちんと説明できるものを出したい」という想いが感じ取れます。
矢島ハム創業1925年。茅ヶ崎にある「矢島ハム」は、祖父である創業者がドイツ職人から伝統的な加工技法を学び、素材の味を最大限に引き出す製法を三世代にわたって守り続け、今年で100周年を迎えます。現在は、鶴が台名店街にある本店と、通勤客にも立ち寄りやすい茅ヶ崎ラスカ店の2店舗があり、ハム・ソーセージはもちろん、人気のお弁当やお惣菜、そして意外なスイーツまで揃う、長年地元の人々から愛され続けている老舗ドイツハム専門店です。鶴が台団地の名店街に佇む老舗矢島ハムの本店があるのは、茅ヶ崎市の「鶴が台名店街」。JR茅ヶ崎...
湘南人
美しく可愛らしいデザート
『すずの木カフェ』のデザートで印象的なのが、月の限定デザート(税込2,000円)。お味はもちろん、その美しさや可愛さらしさもぜひ楽しんで欲しいお品です。こちらのデザートは、月の展示に合わせて作っているもので、その月の展示とともに内容が変わります。その展示が終了してしまえば再び同じものには出会えません。そういった部分でも見逃せませんね。
Instagramでも展示の様子が紹介されています。『すずの木カフェ』のInstagramの写真はどれもとても美しく撮られているので、デザートの美しさ・かわいらしさを覗いてみてください。
※画像内の表示価格は取材時(2025年11月)のものです。価格は変更になる場合があります。
筆者が伺った2025年11月のデザートは、展示中の「あの山 この山」に合わせた「あの山 この山 おかしの山」。展示に参加されていた高橋絢子さんの漫画「あの山 この山」に出てくる「スターの山」をイメージして作られたデザートなのだそう。ローゼルのコンポートの深く鮮やかな色が美しい!かわいいお顔のお人形クッキーは、山田ビーズさんの小さな陶器の人形「神ダンサーズ」を模したものだそうです。
さっぱりとしたヨーグルトムースやサクッと甘すぎないアーモンドクッキー、キャラメルナッツアイスのナッツはごろごろと食感にアクセントがあり、フルーティーなリンゴのコンポートはシュワっとした食感です。見た目も香りも、味の違いも食感の違いも、たくさんの刺激を受けて楽しくなります。デザートの中にも物語があることを感じました。
そのほかのデザートで人気があるのは、カフェっぽくファンの多いティーゼリー(税込770円)とチョコレートパフェ(税込880円)。ハーブティーとよく合うヴィーガン・パウンドケーキ(税込550円)の用意もあります。デザートメニューは、吉村さん手描きのイラスト入り。可愛くてしばらく眺めてしまいます。
ランチタイムにはミニデザートの用意もあり、ちょっとだけ甘いものが食べたい方向けに税込300円で提供されています。
種類豊富なドリンク
※画像内の表示価格は取材時(2025年11月)のものです。価格は変更になる場合があります。
ドリンクの種類が多いのも『すずの木カフェ』の嬉しいところ。本格的なコーヒー・紅茶・ハーブティーや、どこへ行っても選択肢が少なく選びようのない、ノンカフェインのドリンクが多いところも筆者が声を大にしてお伝えしたいことのひとつです。筆者はカフェインが苦手なので、どれにしようか悩めるほどノンカフェインのドリンクがあるメニューにワクワクしました。
ドリンクも全てきちんと説明ができるものを出したいということで、コーヒーは、生産から消費までの全ての工程で品質が管理され、消費者が「美味しい」と評価する最高品質であることが定義されている、スペシャルティコーヒーを淹れています。東京の老舗でスペシャルティコーヒーの草分け的な存在である堀口珈琲のコーヒー豆を使用しています。
紅茶は、藤沢の紅茶専門店ディンブラの直輸入茶葉を使用しています。ランチのドリンクでも、そうでないものでも同じものを出しています。ハーブティーにも力を入れていて、ハーブティーを頼まれる方も多いそうです。ブレンド5種類、シングル8種類が用意されています。
「自分たちが飲みたいようなものを出しています」と話す吉村さん。季節のドリンクは割と頻繁に替えているそう。夏にはフルーツの冷たいドリンクになったりとお客さんの目線で作られています。筆者が伺った11月頃にファンが多い、ラムクリームティー(税込770円)やアマレット・カフェオレ(税込770円)は毎年楽しみにしている方も多い人気メニュー。
とても美味しい生クリームを使っていることもあり、ウインナーコーヒー(税込770円)や、ウインナーティー(税込770円)の密かなファンが結構いるのだとか。確かに筆者の近くからもウインナーティーをオーダーする声が聞こえました。ウインナーティーは紅茶とクリームとの相性が難しくあまり聞かないメニューですが、この美味しい生クリームが良い仕事をするのだそうです。
ソフトドリンクのほかに、ワイン・ビールもあります。美味しいお食事に合わせて楽しむのも良いですね。
2025年11月の展示「あの山この山」
※2025年11月の展示の様子です。展示は月ごとに替わります。
毎月変わる展示、2025年10月28日~11月29日は「あの山 この山 - 紙・陶・ロウ・本によるそれそぞれの山 -」。3名の作家さんそれぞれの「あの山 この山」が隔たりなく交わって、まるで最初から1つの作品だったかのように展示してありました。店内がほっこりとした世界観に染まり、ふわっと別の世界に降り立ったような気分で眺めました。
山田梨恵(やまだビーズ/Pnm)さん
※2025年11月の展示の様子です。展示は月ごとに替わります。
※2025年11月の展示の様子です。展示は月ごとに替わります。
山田ビーズさんは、小さな小さな陶の作品やキャンドルの作品を手がける作家さんです。「山ペンダント(税込2,000円)」「山々の神たち(税込1,100円・1,500円)」。デザートのプレートに立っていたクッキーそっくりの神さまもいます。
ユカワノリコ(nori paper flower)さん
※2025年11月の展示の様子です。展示は月ごとに替わります。
※2025年11月の展示の様子です。展示は月ごとに替わります。
※2025年11月の展示の様子です。展示は月ごとに替わります。
ユカワノリコさんは、紙でお花の作品を手がける作家さんです。カラフルなお花が可愛らしい「野山のカケラM(税込1,500円)」。上からぶらさがっているのは「占いの山(税込1,100)」。山から出ている芽を引っこ抜くと占いになっているというおもしろい仕掛けです。天井にも山が!
高橋絢子(ノスリBooks)さん
※2025年11月の展示の様子です。展示は月ごとに替わります。
※2025年11月の展示の様子です。展示は月ごとに替わります。
髙橋絢子さんは絵と本の作家さん。今回の展示の世界観を作り上げている漫画「あの山 この山」の原画を壁いっぱいに展開するほか、本や手描きで作られたメッセージカード「ケモノ神ミニカード(税込700円)」なども優しく綺麗な色合いで並んでいました。
食事はもちろんですが、展示も画廊喫茶の醍醐味です。皆さんが訪れる時に、どのような作品が展示されているのかも楽しみのひとつですね。
人形劇やコンサートの上演
普段は画廊喫茶ですが、イベントのひとつとして人形劇やコンサートを年に2回くらい上演しています。規模がちょうど良いことに加え、そういったイベントをやる方とつながりがあって開催しているのだそう。すずの木カフェ大きな窓側を舞台にして、机の向きを変えて、お客さんが舞台の方を向くようにレイアウトを変更します。
美味しいドリンクを飲みながら、植栽のグリーンをバックに、人形劇を観たり、演奏を聴いたりと特別な時間を楽しめます。チケットは事前に販売されるので、ホームページやInstagram・「すずの木カフェ便り」で情報を確認してみてください。
趣きのある本棚
『すずの木カフェ』に入ると、大きな本棚が迎えてくれます。そこにある本の数々も興味を引きます。吉村さんも本が好きで、自身が選んだ本もあるのですが、翻訳者をされていてとても本が好きな旦那さんが選ぶものも多いのだそう。家も本だらけだそうで『すずの木カフェ』にある本の半分くらいは、旦那さんがセレクトしたもの。
昭和時代から続く生活総合誌も置いてあり、ドリンク片手にノスタルジックな時間が広がります。本が好きで来店するお客さんも多く、この本棚の本や、自分で持って来た本を読んでは帰ります。「年配の女性が一人で入れるお店があまり多くないこともあり、そういうお客さんがおひとり様で来られることが多いです」と吉村さん。
筆者がこの本棚からみつけたお気に入りは、吉村さんが綴った旅と食の旅行記。美術を学んでいた吉村さんの絵と、テンポの良い文章が心地良く、改めてゆっくり読みに来たいと思いました。
行き届いたサービス
オーダーをアプリで行う流れもある中で、昔ながらのスタイルで人が注文を取っています。ほんの少し聞きたい事や、ちょっとしたことも話せるこの感じが温かいですね。
吉村さん自身もフレンチでサービスをしていたので「サービスを大切にしています。お喋りをするわけではないけれど、なるべく気が付くようにしたいです。まだ至らないこともありますが、なるべく気が付くように頑張っています。そういうことを大切にしたいなと思っています」と話します。
お子さんが絵を描ける道具も置いてあります。様々な年代の方に来て欲しいという願いもあるそうで、実際に3世代で来るお客さんもいます。子連れだと気おくれしてしまいますが「お子さんも歓迎!座席はあまり広くはないので、すぐにベビーカーごと入るのは難しい場合もありますが、ちょっと声をかけていただければ。お子さん向けのメニューも子ども椅子もありますので、ウェルカムです!」
お手洗いも広いので、ベビーカーごと入れます。入口に段差がありバリアフリーではないので、車椅子のまま入る事はできないのですが、入口を介助などで越えることができれば、お手洗いに手すりもついていますので安心して来店できます。
まとめ
『すずの木カフェ』の美味しく美しい食事・デザート・ドリンクに込められた想い、心のこもった温かいサービス、毎月の展示で変わる世界観、大きな本棚。ここで過ごす時間が日常から離れた特別なものに感じます。『すずの木カフェ』が長年愛されてきているのは、こういったことからなのではないでしょうか。
晴れた日に大きな窓からそそぐ木漏れ日も気持ち良いですが、筆者は個人的に、雨の日に木々の葉から零れ落ちる雨粒を、この窓から眺めながら過ごすのも、風情があっておすすめだと感じています。この雰囲気をぜひ感じてみて欲しいと思います。『すずの木カフェ』に足を運んでみてください。
最寄り駅
JR相模線, 茅ヶ崎駅, JR東海道本線, 茅ヶ崎駅
住所
茅ヶ崎市元町4-3-2
駅徒歩
JR茅ヶ崎駅北口徒歩4分
営業日
火曜日, 水曜日, 木曜日, 金曜日, 土曜日
営業時間
11:30~16:30
営業時間詳細
ランチ:11:30~14:30
L.O.:16:00
定休日
月曜日, 日曜日, 年末年始, お盆, 元日
定休日詳細
臨時の休業日はホームページやInstagramでご確認ください
予約
電話予約
電話番号
0467-82-3411
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予算(上限)
2000
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現金, クレジットカード, 電子マネー, QRコード決済
手数料
無し
席数
17席(テーブル7席・カウンター3席)
席の種類
テーブル席, カウンター席
個室
無し
貸切
貸切不可
喫煙可否
全席禁煙
駐車場
無し
設備・サービス
ライブ・生演奏, 落ち着いた空間
コース内容
ドリンクメニュー
ソフトドリンク, ビール, ワイン
利用シーン
ランチ, デート, 家族, 子ども, 友人, お一人様, 女子会
アクセス
景色がきれい, 隠れ家レストラン
サービス
テイクアウト, ビーガンメニュー
お子様連れ
可能
公式サイト
http://suzunokicafe.com/
開業年月日
2009-07-13