フランス郷土菓子をシェフが再構築「スイーツの教科書」vol.13 プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地方サン・トロペ トロペジエンヌ×ナベノ-イズム 渡辺雄一郎 24年8月号
ブリオッシュ生地なくしてフランス地方菓子は語れない。南仏のリゾート地で生まれ、ブリジット・バルドーが愛したブリオッシュ菓子は、カスタードクリームに生クリームを加えた濃厚なクリームをはさんだシンプルなもの。上に散らした砂糖も食感の一部として大切な要素。
ブリオッシュと濃厚なクリームの南仏の銘菓・トロペジエンヌ
南仏の港町、サントロペのパティスリー「ミカ」の創業者、ポーランド人のアレクサンドル・ミカが1950年頃に考案したブリオッシュ菓子がトロペジエンヌ(Tropézienne)である。フランスの地方の菓子は、ブリオッシュ生地なくしては語れない。南仏の菓子によく用いられるが、北フランスでも、郷土菓子である「砂糖のタルト」の生地はブリオッシュが多いし、アルザスに行けば帽子のような型で焼く「クグロフ」がある。
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渡辺 雄一郎 わたなべ ゆういちろう
1967年、千葉県生まれ。88年に大阪あべの辻調理師専門学校を卒業後、同校フランス校へ進学。帰国後、東京「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー」で腕を磨く。「シャトーレストラン タイユヴァン・ロブション」の「カフェ・フランセ」では7年間シェフを務め、恵比寿「ジョエル・ロブション」では11年間エグゼクティブシェフを務める。16年、浅草に「レストラン ナベノ-イズム」を開店。
宮脇 侑司 みやわきゆうじ
1987年、香川県生まれ。エコール辻大阪校卒業後、同校フランス校に進学。南フランスの「ロアジス」「パティスリー ラック」で研修。帰国後、「シャトーレストランジョエル・ロブション」で9年間、経験を積む。「レストラン ナベノ-イズム」開業とともにシェフ・パティシエに就任。
大森 由紀子 おおもり ゆきこ
フランス料理・菓子研究家。フランス全土の食と、作り手の思いを本などで紹介。時代や環境によって変化していく食を職人たちがどのような視点でとらえ、どう調理していくのかに着目。「スイーツ甲子園」「France Pâtisserie Week」のアドバイザーを務め、料理・菓子教室を東京、京都で主宰。近著は
「フランス伝統料理と地方菓子の事典」。フランス政府農事功労章受勲。
レストラン ナベノ- イズム
東京都台東区駒形2-1-17
TEL 02-5246-4056
12:00〜15:00、18:00〜22:00
月休・不定休あり
text: Yukiko Omori Mika Kitamura
edit: Mika Kitamura photo: Katsuo Takashima Yukiko Omori
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