知っておきたい!東広島の誇り「ものづくりの力」 地域経済を支える企業4社の技術と品質
東広島市には、自動車関連をはじめ、機械や食品、医療などさまざまな分野でものづくりに取り組む企業が集積している。そこには、長年培ってきた技術や品質へのこだわりなど、それぞれの会社ならではの力がある。東広島市の経済を支えるものづくりに取り組む企業の技術を紹介する。(日川)
世界の新薬開発を支える「PXBマウス®」 株式会社フェニックスバイオ
肝臓の大部分がヒトの肝細胞に置き換わった研究用動物「PXBマウス®」を開発・提供するバイオ企業。東広島市に本社を置きながら、世界の新薬開発を支えている。
新薬開発では、動物で確認された効果や安全性がヒトでは再現されず、有望な薬でも開発が途中で中止となることが少なくない。同社の独自技術は、こうした課題の解決に貢献し、新薬開発の効率向上や開発期間の短縮が期待されている。
PXBマウス生産は、生まれて間もない仔マウスへのヒト肝細胞移植から始まる。約3カ月かけて細胞を増やし、厳しい品質管理のもと年間約4000匹を生産。高品質・安定供給を実現している。さらに、新鮮なヒト肝細胞「PXB-cells®」も提供し、創薬や再生医療など幅広い研究に活用されている。1匹のマウスから多くのヒト肝細胞を採取できるため、研究に必要な動物数の削減にも貢献する。
売上の約8割は海外向け。独自のヒト肝細胞培養技術を基盤に高品質なマウスを安定供給し、世界でも類を見ない事業モデルを構築している。
凄い!! PXBマウス®
肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換わった特殊なマウス。
分解・代謝する肝臓の働きがヒトに近いことから、創薬をはじめ幅広い研究に活用されている。人々の健康と未来の医療に貢献するフェニックスバイオ独自の技術。
株式会社フェニックスバイオ
【会社概要】2002年設立。本社は東広島市鏡山3丁目(広島中央サイエンスパーク内)。アメリカのニューヨークに子会社を持つ。2016年、東京証券取引所マザーズ市場に上場(22年グロース市場へ移行)。HP(https://phoenixbio.co.jp/)
目を見張る箔押し技術。小ロットにも対応 大洋印刷株式会社
オフセット印刷を使用し名刺印刷から、チラシ、瓶のラベル、箱作りまでを手掛ける。時代のニーズに合わせて、必要な形に紙を切り抜く「打ち抜き機」や必要なカ所に糊(のり)付けする「自動貼り機」、アップダウン箔押し機など、最新鋭の設備を導入し、パッケージ印刷に力を入れてきた。
現在は、印刷、箱形に打ち抜き、貼り合わせ、さらに箔押しまで、製品が完成するまでの多くの工程を社内で一貫して行っている。中でも特徴的なのが、「箔押し」という印刷加工。金や銀などの箔で輝きを加えるだけでなく、特殊な版を使って模様や立体感を表現する。色鮮やかな箱や特殊な箔加工など、紙にさまざまな表情を生み出し、印刷製品の展示会では、見る人の目を引いている。
2017年からは、版不要のオンデマンド印刷機を導入し、小ロット(少数量・部数)の注文にも対応し、多様な要望に応えている。培った技術を次世代へ受け継ぎながら、人の技術と機械の力を生かして、紙をさまざまな形や製品に変える「モノづくり企業」だ。
凄い!! 印刷から箔押し、箱づくりまで一貫生産
デザイン、印刷、箔押し、型抜き、糊貼りまで、紙箱づくりに必要な工程の多くを一貫して行えること。広島県内でも、厚紙の印刷・打ち抜き加工・箔押しの3工程を社内で一貫して手掛けられる企業は同社のみ。特に箔押しによる華やかな加飾技術(=写真)は、製品に高級感や個性を加えている。
大洋印刷株式会社
【会社概要】所在地は、東広島市西条町吉行1847-2。1955年創業。現社長の堀内泰彦社長は3代目。事業内容は、パッケージ・紙器印刷加工・箔押し(はくおし)。主要取引先は、神戸製鋼、賀茂鶴酒造など。通信販売の展開を見据え、新たな販売方法の企画にも取り組んでいる。従業員は18人。HP(https://taiyou-printing.co.jp/)
「町一番の工場」掲げ、自動車用ランプ生産 スタンレー電気㈱広島製作所
広島製作所は、自動車用ランプを主に生産する。スタンレー電気の自動車照明電装品を生産する国内主力拠点で、2025年には拡張棟が完成。生産体制を強化し、月産能力は約75万個でマツダ向けが全体の8割を占める。
スタンレー電気が長年培ってきたLEDの光源技術に、照射範囲の制御技術などを組み合わせた高度なADBランプの量産を担う。
プラスチック樹脂材料を専用金型を使い成形し、ランプ表面のレンズには傷付き防止や曇り止めのコーティングを施しクリアな視界を確保する。組立ラインでは機能と外観検査を行い、安全安心を保証する。
広島製作所の役割は、量産だけではない。新車種において顧客が求める品質やコストなどを実現するために営業機能も有し、工場や設計と連携し安定した量産立上げと顧客満足度の向上を実現している。工場の自動化やDXも積極的に行い、ストレスフリーな製造現場の構築を目指す。
掲げるのは、社員はもちろん、顧客や地域からも喜ばれる「町一番の工場」だ。
凄い!!「1分の1」と考える品質保証
自動車用ランプは、交通に関わる人の命と安全を照らす製品。75万個の生産品の中では1個の不良でも、お客さまにとっては1分の1個。その重みを忘れず、良品を生み出す工程管理 と顧客目線の品質保証で安全と安心を世界中へ届け続ける。
スタンレー電気㈱広島製作所
【広島製作所概要】スタンレー電気は1920年創業。広島製作所は73年、東広島市志和町奥屋に開設。その後、工場を再構築し、受注車種と生産能力を拡大。現在の従業員は約330人。7割は東広島市在住者で、地域の雇用を支える。納品先はマツダ、三菱自動車、日産自動車。HP(https://www.stanley-electric.com/jp/)
他社よりもワンランク上の製作を 浜本工業株式会社
板金や製缶などを手掛ける金属加工メーカー。精米プラント設備部品や工事用エレベーター、鉄道車両部品、医薬器機カバー、食品製造ライン部品など金属であれば、何でも製作。多品種小ロット生産を得意とする。
オペレーターを含めスタッフは10人。常に意識をしていることが、他社よりもワンランク上の製品を作ること。図面の先にあるエンドユーザーの思いになり、ものづくりに取り組む。切断から曲げ加工、溶接加工、表面処理まで、各工程すべてで、製品に傷を付けないよう細心の注意を払う。
大きな強みとしているのが、溶接技術だ。「何に使われる部品なのか」。設計者の意図を読み取りながら仕事に向き合い、金属を組み立てていく。溶接時に生じやすい熱によるひずみを抑え、寸法精度を保ちながら仕上げていく。
近年は、ステンレスの加工技術を生かして、殺菌・消臭効果のあるオゾン発生装置を製造・販売。集合住宅に納入し、ごみステーションに取り付けている。また、メーカーの依頼通りに製作するのではなく、必要に応じて改良の提案も行う。
凄い!! 寸法精度を保ち仕上げる溶接技術
金属は熱を加えると変形しやすい。浜本工業では、長年培ってきた技術と経験を生かし、溶接時に生じやすいひずみを抑え、寸法精度を保ちながら仕上げていく。溶接技術と品質へのこだわりが、浜本工業のものづくりを支える。
浜本工業株式会社
【会社概要】所在地は東広島市八本松町篠(八本松工業団地内)。1971年創業。現社長の野村友博氏は4代目。事業内容は精密板金・加工、精密製缶、ステンレス・アルミ加工など。主要取引先 サタケ、サノヤス・エンジニアリング、広島メタル&マシナリーなど。HP(https://hamamoto-industry.co.jp/)
プレスネット編集部