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箱根駅伝の名ランナーから東京五輪メダリストは誕生するか

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早稲田大時代の大迫傑Ⓒゲッティイメージズ

中村匠吾、服部勇馬、大迫傑の3人は箱根路のスター

新春恒例の風物詩、箱根駅伝から世界へ―。

学生スポーツの中でも人気と注目が高い箱根駅伝で大学時代に完全燃焼し、競技生活のゴールを迎えるランナーも少なくない。だが近年はそこからワンランク上のステージへとさらに殻を突き破り、東京五輪のマラソン、トラック日本代表の切符をつかむ若手が続々と頭角を現す時代が来ている。

五輪の男子マラソン代表は2019年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で1位、2位となった中村匠吾(富士通)と服部勇馬(トヨタ自動車)に加え、2時間5分50秒の日本記録を持つ大迫傑(ナイキ)の3人。全員に共通するのは、箱根駅伝の1区、もしくは「花の2区」で区間賞を獲得したスターランナーの猛者たちということだ。


28歳の中村は2015年、駒沢大4年時に1区で切れ味抜群の走りを見せて区間賞を獲得。27歳の服部は東洋大で3年連続2区を走り、3年と4年時に区間賞2度の安定感と底力が光った。

29歳の大迫は2011年に早大1年時から1区で鮮烈なデビュー。早大の18年ぶりの総合優勝への流れをつくっている。

NHK大河ドラマ「いだてん」の主人公でも話題になった金栗四三が1920年にマラソン強化のために箱根駅伝を創設してから100年。有力選手が関東の大学に集まる傾向の中、箱根のスター選手が卒業後にマラソンでも切磋琢磨し、一時の低迷期を脱してタイムもレベルアップ。アフリカ勢が上位を席巻する世界に挑む構図ができあがりつつある。

東洋大の相沢晃は五輪1万メートル代表に

陸上の日本選手権長距離種目は12月4日、東京五輪代表選考会を兼ねて大阪市のヤンマースタジアム長居で行われ、1万メートルの男子で23歳の相沢晃(旭化成)が27分18秒75の日本新記録で優勝して五輪代表に決まった。

相沢といえば、東洋大4年だった2020年1月の箱根駅伝で「花の2区」の区間新記録を樹立。「学生最強ランナー」として鳴り物入りで実業団に進んだ大物ルーキーだ。


学生時代から「東京五輪は1万メートルで狙う」と宣言していた通り、有言実行でトラックのスピード強化に重点を置いて2015年の村山紘太の記録を10秒94更新。福島県須賀川市出身で1964年東京五輪男子マラソン銅メダリストの故・円谷幸吉氏とは同郷にあたり、円谷氏にゆかりの地元クラブにも所属してきた。偉大な先輩の背中を追い掛け、2021年夏の国立競技場で夢に見たスタートラインに立つ。

青学大の吉田祐也は24年パリ五輪期待の星

12月6日の福岡国際マラソンでは社会人1年目の23歳、吉田祐也(GMO)が日本歴代9位タイの2時間7分5秒で初優勝し、2024年パリ五輪の有力候補に名乗りを上げた。

吉田は2020年1月の箱根駅伝4区で区間新記録を打ち立て、青学大優勝の立役者になった期待のホープだ。

卒業後は競技を終えるつもりだったが、2月の別府大分毎日マラソンで日本勢最高の3位に食い込み、初マラソンでは日本歴代2位となる2時間8分30秒をマーク。大手菓子メーカー「ブルボン」の内定を辞退し、現役続行を決意した異色の経歴でもある。

箱根ランナーから五輪メダリスト誕生は?

日本伝統の駅伝はランナーの裾野を広げ、新春の風物詩として人気や注目度も高まるばかりだが、五輪や世界大会での種目ではない。ただ最近は厚底シューズの影響もあり、マラソンや駅伝で好タイムが続出。学生の有力ランナーたちのマインドも大きく切り替わってきている。

近い将来、箱根路を走った選手の中からマラソンやトラックの五輪メダリストは生まれるのか。

日本勢の男子としては1992年バルセロナ五輪マラソンで銀メダルを獲得した森下広一を最後にメダルから遠ざかっているが、森下も箱根駅伝は未経験。箱根のスーパーエースとして活躍した往年の名ランナー、瀬古利彦も五輪では期待に応えられず、メダルに届かなかった。東京五輪で箱根路を沸かせた名ランナーたちが新たな歴史を築いてくれるか、注目したいところだ。

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記事:田村崇仁

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