穴釣りを安全に楽しむために知っておくべき【消波ブロックの危険性】
穴釣りは楽しい。小さな根魚は日中でも反応するし、魚種も豊富で、飽きることがない。春夏秋冬で魚がかわり、突きつめる楽しさもある。しかし、消波ブロックの隙間を狙う穴釣りは常に危険と隣り合わせにある。そもそも穴釣りとは何か?そんなキホンと、何よりも大切な「安全確認術」を解説しよう。
年中楽しめる穴釣りの基本
穴釣りとは、消波ブロックの隙間を狙って仕掛けを落として、根魚などを狙う釣りのことをいう。
魚は外敵から身を守るために、障害物や海底に隠れる習性がある。彼らにとって、その最たる安全場所が、消波ブロックの中というわけだ。とはいえ、チヌもシーバスもこのような穴から現れることがあるのだけれど。まあ、それはともあれ、まだ遊泳力が低くて狙われやすい小魚は、特に日中はこのような穴に隠れがちである。そこを狙い打ってやるわけだ。
この釣り、背中を丸めてブロックに座り込んで、なんだかそんな釣り人の姿も小っちゃなものだが……しかしやればやるほど、面白かったりする。思わぬ大物や、高級な根魚が釣れることも珍しくない。ブラクリで、ワームで、メタルジグで、手を変え品を変えてやりこむ価値がある。
ライトゲームアングラーを主に、フィネスの釣り人とは、非常に親和性が良い釣りだろう。実はアジングアングラーの私も、そろそろ専用タックルを持って、この夏は釣りまくってやろうかと思っている。
危険!ブロックの形に注意しよう
消波ブロックに乗ることは、前提として、危険である。形状によって乗ることができるものと、絶対に乗ることができないものがある。その点をよく知って、とにかく安全第一でいきたい。ビビらせるみたいだが、筆者は一度穴の中に頭からひっくり返って落ち、しばらく動けなくなったことがある。なんとか自力で這い上がったが、本当に死ぬかと思った。
まずは、普通に乗ることができる消波ブロックだ。よく見る、この丸っこい形のものである。
続けて、危険度の高いブロックだ。このように、たまに、三角錐タイプのものがある。中抜きの構造になっていて足が載せられるのだが、このタイプは移動しにくい。穴釣りは座りこんでネチネチやることもあるので、足が痺れてしまうと、どんな穴でも落水の危険がある。特にこの三角錐タイプは危険だ。
その他、潮の潮位によって、海水に浸ってしまうブロックもある。また俗に「ぬめりテトラ」と呼ばれる、藻が茂るか、油にまみれるかして、ずるずる滑るブロックもある。危うきには近寄らず、である。
穴が打てなくてもキワが打てる
筆者は穴釣りを好む者だが、過去、消波ブロックで痛い目に遭った経験が何度もあるので、基本的に自分の健康状態に少しでも不安があれば、絶対に乗らない。しかし、実は、ブロックに乗らなくても穴釣りみたいなことはできる。
たとえば、消波ブロック帯の足下。堤防とブロックの間だ。こんなところにも魚は潜む。
はたまた、ブロックとか関係なく、堤防の足下にブラクリやジグヘッドを落としてゆらゆらさせてみるといい。そんな壁際も魚にとっては「穴」と同じようなものなので、よく釣れる。実に単純な釣りだ。
専用タックルを持つ価値もあり!
実は穴釣りには専用タックルがある。ライトロック、アジングタックルの短いのを流用し続けるのもいいが、もっと小さく小さく、本当にごく小さい穴も逃さず打ちたいならば、専用タックルを持った方がいい。
3ft前後のショートロット、ミニミニベイトリール。ボトム感度はベイトの方いいので、穴釣りにはできればベイトリールを使用したい。PEラインは不要、1号のフロロカーボンラインでも巻いておけば十分。魚種の実りも豊富な穴釣り。夏はキジハタ、冬はアイナメの高級魚を狙って、皆さまも入門してみては?
<井上海生/TSURINEWSライター>