「いつ逃げる?」がわかりやすく!大きく変わる防災気象情報の必ず知っておきたいポイントを気象予報士が解説
近年、毎年のようにニュースで耳にする「線状降水帯」や「土砂災害警戒情報」など大雨に関する情報。
2025年の9月には北海道でも線状降水帯が発生するなど、以前の北海道ではあまりなかったような雨の降り方が増えてきています。
ただ、現在の「大雨警報」や「土砂災害警戒情報」など名前だけだと、「どのくらい危ないのか」「今どう行動すべきか」があまりピンとこない…と感じたことはないでしょうか?
実は、私たちが災害時にとるべき避難行動が直感的にわかるように、2026年の5月28日午後1時ごろから気象庁の防災気象情報が大きく変わります!
今回は、絶対に知っておきたい「新しい防災気象情報のポイント」をHBCウェザーセンターの気象予報士・篠田勇弥が前編・後編に分けてわかりやすく解説します。
連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」
1.一番の変更点!大きく変わる警報
注意報や警報の名前の前に「警戒レベルの数字」がつく
新しい防災気象情報の最も大きく変わるポイントは、注意報や警報の名前の前に「警戒レベルの数字」が付くことです。
これまでは、避難の目安になる「警戒レベル相当」と、実際に発表される注意報・警報の名前が一致しない場合があり、分かりにくいという課題がありました。
例えば現在、大雨による土砂災害に警戒を呼びかける場合は、危険度が上がるごとに情報の名前が変わってしまう場合がありました。
新しい制度では、これが整理されます。
数字がそのまま名前に入ることで、どのくらい危険なのかが直感的に分かりやすくなります。
必ず覚えたい「危険警報」
先ほどの警戒レベルの中で気づいた方もいるかもしれませんが、新しい制度では「危険警報」という言葉が登場します。
今回の変更で特に覚えておきたいのが、この警戒レベル4にあたる「危険警報」です。
レベル3の警報は「避難に時間がかかる高齢者等は危険な場所から避難」。
レベル4の危険警報は「危険な場所から全員避難する」段階です。
レベル5の特別警報になると、すでに災害が発生し、避難すること自体が危険な状況です。
「警報」よりも強い表現になる「危険警報」という名前になることで、「今すぐ避難が必要」と直感的に伝わりやすくなります。
新しく登場「氾濫警報」と「土砂災害警報」
また、注意報や警報の種類にも変更があります。
これまでの「洪水注意報」「洪水警報」は見直され、今後は「氾濫」に関する注意報・警報として整理されます。
なお、氾濫警報が発表されるのは洪水予報の対象になる大きな川で、北海道では「石狩川」や「豊平川」「十勝川」などが対象になります。
それ以外の川は低い土地の浸水と同じく、大雨警報など大雨に関する情報の中で警戒が呼びかけられます。
なお、「暴風」「波浪」「大雪」「暴風雪」の警報についてはこれまでとは変わらず、レベル表記がつくことはありません。
例えば、吹雪や猛吹雪に注意・警戒を呼びかける時にはこれまで通りです。
・風雪注意報
・暴風雪警報
・暴風雪特別警報
このように伝えられます。
今回は、新しい防災気象情報のポイントの1つ、大きく変わる警報のしくみについて見てきました。
後編では、災害が発生する前から危険の高まりを把握できる「時系列予報」や、危険を速報的に伝える「気象防災速報」と「キキクル」についてわかりやすく整理します。
いざというときに慌てないために、後編もぜひチェックしてみてください。
※本コラムに使用している画像はすべて気象庁の資料を引用しています。
連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」
文: HBCウェザーセンター 気象予報士 篠田勇弥
札幌生まれ札幌育ちの気象予報士、防災士、熱中症予防指導員。 気温など気象に関する記録を調べるのが得意。 趣味はドライブ。一日で数百キロ運転することもしばしば。
HBCウェザーセンターのインスタグラムでも、予報士のゆる~い日常も見られますよ。
※掲載の情報は記事執筆時(2026年5月)の情報に基づきます。