投資・ロマンス詐欺が急増 緑署管内でも1億円の被害
20年ぶりに新紙幣が発行されたことを受け、神奈川県警では紙幣の交換を持ちかける新手の詐欺に関する注意喚起を行っている。ただ実は、それ以上に県内で大きな問題となっているのが、「SNS型投資詐欺」と「ロマンス詐欺」だ。緑警察署管内でも今年6月末日までに、この2つの詐欺だけで約1億1100万円の被害が出ている。
儲け話には注意
最近、ニュースなどでも取り挙げられているSNS型投資詐欺は、犯人が著名人や投資家等を騙り、甘い儲け話を勧めてくるもの。メールやインターネットを通じて「元本保証」や「必ず儲かる」、「先着〇人限定」などの謳い文句で、偽の投資サイトやチャットに誘導する詐欺だ。初期の頃は「利益が出た」と入金されたりするが、引き出そうとすると連絡が取れなくなったりすることが多いという。
ロマンス詐欺は犯人が被害者の恋愛感情や親切心に付け込む手口。インターネット等で知り合った相手から「2人の未来のためにお金を貯めよう」「渡航費用等の交通費が必要」などと持ちかけられ、金銭等をだまし取られる被害が続出している。外国人を騙る手口が多いのもこの詐欺の特徴だ。
どちらも通信手段としてコミュニケーションアプリの「LINE」が用いられることが多く、その割合は約90%に及ぶ。また被害に遭った年代を見ると、男性は60代が最も多く、次いで50代、70代と続く。女性は50代が最も多く、60代、70代と続く。
2つの詐欺は県内でも急増しており、今年1月から4月末の時点でSNS型投資詐欺は139件認知されており、被害額は23億8600万円。ロマンス詐欺も41件認知され、4億5400万円の被害が出ている。同時期の特殊詐欺による認知件数が539件で、被害総額が12億2100万円であることを考えると、1件あたりの被害額が甚大であることが分かる。
管内でも17件
緑警察署管内でも被害が増加している。生活安全課によれば、速報値ながら6月末日までに発生した両種の詐欺は17件。そのうち15件がSNS型投資詐欺で、被害総額は約1億640万円に上る。ロマンス詐欺は2件の発生で、被害額は約460万円となっている。
同時期の特殊詐欺を見るとは、認知件数が23件で被害額が約6709万円。県の状況と同じく、特殊詐欺よりも件数は少ないが、被害額が大きくなっている。
生活安全課では「インターネットの情報や広告は必ずしも正しいとは限りません。また、簡単に他人になりすますこともできます。お金の話が出たら自分一人で判断せず、家族や友人、警察などに相談してほしい」と呼び掛けている。