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座って接客 あり?なし?

TBSラジオ

きょうは「働きやすい環境づくり」に関する話題です。

座ってイイッスPROJECT

いま「接客アルバイト中の立ちっぱなし問題」の解決に向けて、あるプロジェクトが行われています。

株式会社マイナビ アルバイトプロモーションチーム 鈴木里彩子さんのお話です。

株式会社マイナビ アルバイトプロモーションチーム 鈴木里彩子さん

「座ってイイッスPROJECT」という、業務中に座って働けるという選択肢を増やすことが目的のプロジェクトです。半年前ほどからスタートして、きっかけは協力会社の方が、海外で従業員が座ったままレジ業務をしているのを見たことでした。日本ではまだ立ち仕事が当たり前の価値観としてあると思うんですが「座って働いても別にいいよね」という考えが広がれば、少しでも働きやすい世の中になるのではないかと考えています。レジ業務で使いやすいイスを弊社とメーカー様中心に製作して、マイナビバイト掲載企業様を中心に導入することと、PR活動によって座ってバイトをしてもOKという世論醸成をはかっています。書店など大手の小売店様中心に、6企業35店舗、試験的に導入いただいています。従業員様に業務の満足度の変化、イスの改善点などを調査して、より良い就業体験の提供ができればと思っています。

例えばレジの従業員の方や、アパレルのスタッフさん、薬局の薬剤師さんなど立ち仕事の方が、仕事中や、ちょっとした隙間時間に座ってもいいのでは?というものなんです。

この接客中の立ち仕事に関して、働き手と雇用主にアンケートをとったところ、雇用主側が、座って接客させない理由について「何となく、きっかけがない」という理由が4割弱という結果でした。この結果から見ても、座って働いてもいいのでは?という世間の空気を感じていても、変えるきっかけがなかった雇用主が多かったのではないか、ということで、このプロジェクトが新しい価値観を取り入れるきっかけになってほしいという狙いがあります。

プロジェクトでは、オフィス家具を製造販売する三重県の企業、株式会社SANKEIとともに「マイナビバイトチェア」というイスを製作。軽くてコンパクトな点などを重視したそうで、賛同企業には一部無償で配布して先月末から順次、1ヶ月程度、試験導入されています。

試験導入している企業は

では、実際に試験導入している企業はどう感じているのか株式会社大垣書店 麻布台ヒルズ店 副店長 大垣交右さんに伺いました。

株式会社大垣書店 麻布台ヒルズ店 副店長 大垣交右さん

1日中立っている仕事が多いので、何とかできるんであればと実験的に導入しました。現在は大垣書店内のカフェ&バーのカウンター内で利用しています。カウンター越しでの接客なので、常にお客さんとは中腰で話をするというのが基本だったんですけど、イスを導入していただいて、お客さんと目線を合わせながらゆっくり喋ることもできますし、すぐ立ち上がって他のこともできるので、非常に助かっています。今年1月にぎっくり腰になって、中腰で居続けた、立ち続けたのが理由かなと思います。自分でもしんどくなって、丸椅子をカウンターに持ってきて座っていて、書店員もみんな、ぎっくり腰持ちなので、重いものを持つのと、立ちっぱなしなので。こういうイスがあると助かります。お客さんの目が気になるから、座りたくないという声もありますし、そのあたり意識だけの話なので、まずは座っていいんだよという啓発活動の一環として、これが入ったのはよかったかなと思います。

本屋さんで働く方々、重い本を運びますし、立ちっぱなしで大変だったそうなんです。

取材した大垣書店麻布台ヒルズ店は、今はまだ、書店の中にあるカフェ・バーのカウンターで、イスを試験導入ということでしたが、今後は書店のレジなどでも可能であれば導入を検討していきたい、ただレジの周りは狭いのでスペースの問題は考えないといけないと話していました。

座って接客 あり?なし?

書店のカフェを利用していたお客さんに「座って接客」について聞いてみました。

「そういうお店だっていう、そういうスタイルなんですっていうのが分かれば良いと思いますね。それが分からずに入って「あれ、なんかずっと目の前で座ってるなあ」っていうのは正直思うかもしれません。」

「働いてないときは、座っててもいいかなと思います。何となく日本人の感覚で、働いてないときでも働いているように見せないといけないと思っているんだったら、別に用がなければ座っててもいいんじゃないかなって。」

「人にもよるかもしれないですけど、私は、ありだと思います。座り方にもよるかもしれないですよね。あくびしていたりとか、だらしない感じだったら、ん?と思うかもしれないですけど。働きながらでも、最低限のマナーとかルールは守ってくだされば、お客様に嫌な思いをさせなければ、いいんじゃないでしょうか。」

ほとんどが肯定的な声でした。

中には、店頭に、このお店はこういうお店ですよ、というシールなどを貼って分かりやすくしてくれれば受け入れられやすいのでは?という意見もありました。

時代の流れに合わせて、新しい価値観もどんどん受け入れていくのが大事ですね。

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