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意外と高カロリー?秋の味覚『栗』にはどんな栄養がある?

オリーブオイルをひとまわし

意外と高カロリー?秋の味覚『栗』にはどんな栄養がある?

秋の食品の代表格「栗」。太古の昔から食べられており、とても栄養価に優れている。栄養バランスの優れた栗は、いつの時代にも人々を元気づけてきた。この記事では、栗のトリビアから栗に含まれる栄養素、また減量中に食べてもいいかなどについて解説していく。その際、栗のカロリーや糖質量については「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に基づきながら紹介する(※1)。

1. 栗ってどんな食べ物?

栄養の話をする前に、まずは栗のちょっとしたトリビアを紹介しよう。

果肉ではなく種を食べている?

栗は通常、皮をむいて食べるのがほとんどだろう。そして、この食べる実の部分を果肉だと疑うこともなかっただろう。しかし実は、「イガ=皮」「皮=果肉」「渋皮と実=種」が正解である。つまり、私たちが食べている実の部分は果肉ではなく種だったのだ。

3つの種子がセットになっている

栗は、とげとげしいイガに包まれて実を落としていることはご存知だろう。しかし、あのイガの中には種となる子房が3つセットになって入っているのは初耳という人も多いのではないか。一般的な品種の栗は「3つ栗」が主だが、中にはブランド栗である茨城県の「飯沼栗」のような、1つのイガに1つの種子といった品種もある。

世界の「4大栗」とは

【日本栗】果実が大きく風味のよさが魅力の日本産「丹波栗」。甘さは控えめで、渋皮がはがれにくいのも特徴的である。
【西洋栗】南東欧や西アジア原産の「マロン」と呼ばれる西洋栗。日本栗より若干小さく、実がしまっているのが特徴だ。粘り気が少ないため、マロングラッセや焼き栗として親しまれている。
【中国栗】「天津甘栗」と呼ばれているのがこの中国栗だ。甘みが強く、渋皮がむきやすいため焼き栗として食べるのが定番である。
【アメリカ栗】別名「アメリカン・チェスナット」とも呼ばれ、甘みが強く香気に優れているが、ニューヨークで発生した焼き枯れ病によって現在は壊滅状態だ。世界には4つの代表的な栗の品種があるが、栄養はさほど変わらない。

2. 栗のカロリーと糖質

次に、栗のカロリーと糖質量を見てみよう。

◎日本栗(生)...147kcal、32.7g
◎日本栗(茹で)...152kcal、30.1g
◎中国栗(甘栗)...207kcal、40g

数値を見ると、日本栗の生と茹でた場合にはさほど違いは見られないが、やはり砂糖を加えている甘栗はカロリー・糖質ともに高くなってしまう。
ちなみに、米飯のカロリーと糖質は100gあたり156kcal、35.6gだった。茹でた栗1粒あたり36kcal程度とすれば、5粒でごはん1杯分に相当する。そう考えると、栗は意外と糖質量が多い食品なのだ。

カロリーのことについてはおおよそ理解できたので、次は栄養素について触れていこう。健康のために栄養バランスの取れた食事を心がけている人は、栗の栄養価についてもぜひチェックしてほしい。

3. 栗の栄養

ここからは、栗の可食部に含まれる主要栄養成分を紹介しよう。実はバランスのとれた食品であることが分かる。

炭水化物

白米と同程度のカロリーである栗は、炭水化物を多く含んでいる。炭水化物は生きるうえでのエネルギー源となり、これが不足すると疲労感や集中力の減少があらわれる。また、過剰に摂取すれば中性脂肪として蓄積されていくため、肥満や生活習慣病の原因になるのだ。(※2)

ビタミンA

栗にはビタミンも豊富に含まれている。その中でもビタミンAは、目や皮膚の健康を維持し、免疫力をつけるよう働きかけてくれる栄養素なのだ。(※3)

ビタミンB1、ビタミンB2

ビタミンAのほかに、糖のエネルギー代謝に関わるビタミンB1や、糖質・脂質・たんぱく質のエネルギー代謝に役立つB2が豊富に含まれている。ビタミンB1は、不足すると食欲不振や疲労、倦怠感といった症状が現れるため、積極的に摂取したい栄養素だ。ビタミンB2に関しては「発育のビタミン」とも呼ばれ、皮膚や髪の毛、爪といった発育を促進してくれるのだ。(※3)

ビタミンC

一般的に熱に弱いとされるビタミンCだが、栗はデンプンに包まれていることから加熱に強いため、栗に含まれるビタミンCをしっかり摂取できる。コラーゲンの生成を助けることから肌の健康を保ち、風邪などに対する免疫力をつけるビタミンCは、健康的な生活を送るために必要な成分である。(※3)

葉酸

栗(茹で)にはなんと葉酸が100gあたり76μgも含まれている(※1)。葉酸は血液を作るため、これから赤ちゃんをお腹で育てていく妊婦さんに積極的に摂ってもらいたい栄養素だ。もちろん、貧血気味の人にもおすすめの食材である。(※4)

カリウム

ナトリウムの体外への排出を促すはたらきがあり、むくみや高血圧の予防効果があるといわれている。最近では加工品の多量摂取により、カリウム不足も引き起こされがちである。(※4)

食物繊維

食物繊維は消化されない栄養素だが、排便を促す働きをしてくれる。善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれる効能をもつ食物繊維も、栗に多く含まれている。(※4)

タンニン

渋皮には多くのタンニンが含まれている。タンニンはポリフェノールのひとつであり、抗酸化作用が高く活性酸素を排除する効果があるといわれている。動脈硬化の予防やアンチエイジングにも効果が期待されている。(※5)

4. 栗の食べ過ぎには注意が必要?

ここまでで解説したように、栗は栄養素がバランスよく含まれているのと同時に、カロリーや糖質は決して低くはない食品であることが分かる。甘露煮にしたり甘栗にしたり、砂糖を加えて調理をすれば数値はさらに高まってしまう。よって、美味しいからと食べ過ぎないよう注意したい。

1日の目安摂取量は?

調理方法によっても変わるが、1日の目安摂取量は子どもの場合で3~5個、大人は10個程度である。適切な量であれば、栗は栄養価が高く身体のコンディションを整えてくれる食品なので、食べ過ぎに注意しつつも積極的に食べるようにしたい。

結論

子どもから大人まで多くの人々に好まれる栗。皮をむくという下ごしらえは少々面倒だが、この旨さには替え難い。栄養をしっかり補給でき、健康維持にも役立つことが分かっただろう。調理する価値のあるのが栗である。(参考文献)
※1 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

※2 厚生労働省「e-ヘルスネット」

※3 長寿科学振興財団「健康長寿ネット」

※4 農林水産省「aff」

※5 株式会社わかさ生活「わかさの秘密」

投稿者:中川佐也子
監修者:管理栄養士 黒沼祐美

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