リングで躍動、赤い闘志 芸能活動と二刀流 四日市出身の女子プロレスラー藤滝明日香さん
女子プロレス団体「アイスリボン」所属で四日市市出身の藤滝明日香さん(26)は、映画のタイアップ企画で昨夏にデビューを果たしたプロレスラーだ。芸能活動もこなしながら、リング上で熱い戦いを繰り広げている。
中学の時に不登校を経験。高校生の時に、アニメ「黒執事」がきっかけで声優を志した。 20歳で上京し、アルバイトをしながら芸能事務所に所属。24歳の時、米動画配信大手「ネットフリックス」のアニメ映画「バック・トゥ・ザ・アウトバック」で名前のない子ども役を務めたのが声優としてのデビューだった。声優の仕事以外に、役者として舞台に立つこともあった。
転機は昨年4月に訪れた。女子プロレスラーを描いた映画「希望のリング」のオーディションへの参加だ。 本物のプロレスラーとしてデビューすることが映画出演の条件で、アイドルや役者、声優、タレントなど計50人が挑戦。藤滝さんは小中学生時代の柔道経験を生かし、6人のデビューメンバー入りを果たした。
当初は「プロレスのプの字も知らない」という状況だったが、デビューに向けてさまざまなトレーニングに励んだ。藤滝さんは「それまでの人生で一番頑張った」と振り返る。高所恐怖症のため、リングのコーナーに登ることも初めは戸惑ったが、周囲に励まされながら慣れていった。
デビュー戦は昨年8月、東京の後楽園ホールで開かれた大会だった。会場にはリングアナウンサーのコールや、観客席から飛び交う「藤滝!」「明日香!」の大声援が響き、藤滝さんのテーマカラーの赤色テープが宙を舞った。試合には負けてしまったが、「プロレスがこんなにお客さんと近いものだと知って感動した。気持ちよかった」と振り返る。
藤滝さんの得意技は相手を背負って走り込み、後ろへ放り投げるランニング・バックフリップ。デビューから約2か月後には、タッグマッチで有名レスラーのアジャ・コングさんとも対戦した。存在感の大きさと会場の雰囲気に圧倒されたといい、「リングそのものがアジャさんになっていた」と表現する。
チャンピオンベルト狙う
映画の撮影など、役者としての仕事も本格化していく。今後については「欲しいのはチャンピオンベルト」と闘志を燃やし、「同じ技でも試合ごとに面白さを出せるようにできたら。勝っても負けても『やっぱり藤滝明日香だ』と言われるようになりたい」と熱く語った。 アイスリボンの興行は、三重県近くでは11月に愛知県刈谷市での開催が予定されている。
【テーマカラーは「赤」の藤滝さん(写真提供 アイスリボン)】