【真鶴町】水道料金38%値上げへ 住民説明会で小林町長陳謝
水道料金を来年3月の使用分から38%値上げする考えを示している真鶴町は、11月20日と23日に町民センターで住民説明会を開いた。値上げが決まれば、口径13mm・使用量20㎥の料金が三浦市を抜いて県内最高額となる。水道料金の値下げを公約の一つに掲げて2023年の町長選に初当選した小林伸行町長は、20日の説明会で公約を撤回し陳謝した。
20日夜の説明会では、担当職員が値上げの根拠や値上げ前後の料金比較、水道事業の将来見通しなどについて約1時間にわたって説明した。
説明によると、改定後は料金を38%値上げする。今年7月からは臨時的に基本料金を20%引き上げているが、国の交付金を充当して町民負担はないことから、2010年に見直した料金を基準とした値上げ幅となる。
基本料金は、口径20mm以外の全ての口径で引き上げる。使用量に応じて支払う従量料金も、生活に必要な最低限の使用を想定した月10㎥までの無料措置を廃止。11〜20㎥は料金を据え置くが、多くの区分で値上げする。
例えば一般家庭での使用が想定される口径13mmでは、月の使用量が10㎥の場合で1547円から2970円、20㎥では3747円から5170円にそれぞれ約92%、38%の値上げとなる。
現行料金では存続危機
町の水道事業は人口減少で水使用量が減少する一方、施設の老朽化や物価高騰などで収支構造が悪化している。22年度には約2000万円の赤字を計上し、独立採算が基本となる水道事業会計に一般会計から5千万円を借り入れる異例の「救済措置」を講じた。
その後も赤字が続き、26年度には資金がショートして「事業の存続性すら危ぶまれる状況に陥る」という。収支の改善に向けて町は58%の値上げが必要と試算したが、町民負担を考慮して値上げ幅は38%にとどめ、施設規模の適正化などで抑制分を補填したい考え。
老朽水道管、改修に63億円
町内の水道管は敷設から50年以上経過したものが多く、一般的な耐用年数の40年を経過。漏水などの老朽化が進む一方、主要水道管の耐震化率は2・1%と県内最低水準だ。町によると、今後10年間で耐用年数を経過する水道管を含む総延長距離は約59・2Kmで、改修には約63億円を見込む。
説明会の冒頭で小林町長は「公約を守れる見込みは立たないことになったので撤回します。申し訳ありません」と陳謝。「問題を先送りすることなく、経営戦略に沿った料金体系とすることが責任の果たし方だと思っている」と説明した。
町は値上げ案について、来年1月に召集する臨時議会で条例改定案を提出。可決されれば3月の使用分から新料金が適用される。