【動画】上越市の小菅淳一新市長が初登庁 市民との信頼関係を重視
先月の選挙で初当選した上越市の小菅淳一市長(73)が2025年11月10日、市役所に初登庁した。庁議に出席した後、議場に職員を集めて訓示し、記者会見に臨んだ。小菅市長は「市民の多様な声に耳を傾け、真摯に向き合う」などと決意を述べた。
《画像:初登庁し、市長室のいすに座る小菅新市長》
午前9時、多くの職員に出迎えられ、花束を受け取った小菅市長は「一緒に働けることにわくわくしている」とあいさつ。職員への訓示の後、初めての記者会見に臨んだ。
初めての市長記者会見で決意
小菅市長は「まず市民と市議会との信頼関係を作り、信頼の下に誠実な市政運営を進めることが不可欠」と述べ、「市民一人一人に寄り添いながら、安心して心豊かに暮らせるまちを作りたい」と抱負を語った。
早期に取り組む具体的な政策として物価高騰対策を挙げたが「まず国の対策を見たほうがいい。付加してやるかどうかなどを相談し考える」として市議会12月定例会への補正予算提案は間に合わない見通しを示した。
通年観光計画など前市政が進めた政策については「明日から関係部局の説明を聞く。職員がどう考えているかを良く聞き判断していきたい」と話した。
一番力を入れたい政策を問われると「行政とは総合的なもの。あるところが突出して予算が食われて他のところができなくなるのは困る。総合力として市民の役に立たなければならない」と答えた。
「命もいらず、名もいらず……」という西郷隆盛の遺訓を引用し「私が望むことはただ一つ。これまでの経験とこれからの人生を全てかけ、上越市民の幸福と安全のために働きたい」と自身の決意を述べた。
小菅市長の任期は9日から4年間。
「市民の願い実現を」 議場で職員に訓示
議場で行われた初の訓示には課長級以上の幹部職員約110人が集まり、庁舎内や13区の総合事務所にもオンラインで配信された。
《画像:議場で幹部職員に訓示する小菅新市長(左)》
小菅市長は職員に対し、外交官時代の経験を交えながら、①公僕、公務員として、誠実に市民の信頼を得て働く②行政の専門家として、市民の願いや要望を実際に物事に移し実現していく③市民一人一人に寄り添い、(市民にとって)孤立無援となっても助けてくれる最後の明かり、最後の家族、セーフティーネットとなる──の3点を求めた。
「『大使、こんなの無理ですよ』と説明する部下もいたが、そういうことは私は望んでいない。予算や時間の制約もあるが、100%でなくともこういう道がある、6、7割、市民の願望に応えることができるという方策を私と一緒に見つけていただきたい」と協力を求めた。
また「私も皆さんのことをよく存じ上げないし、皆様も私のことを知らないと思う。早い機会に市政のあり方など集中的にいろんなご意見を忌憚(きたん)なくお聞きしたい」と呼び掛けた。
最後に「まだ未熟者だが、皆様の知恵と経験、情熱を与えていただき、より良い市民生活のために一緒に働きたい」と述べた。