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三浦宏規、屋比久知奈ら出演 汗と笑いとキラキラした輝きが溢れている、ミュージカル『グリース』稽古場レポート

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ミュージカル『グリース』稽古場より

2021年10月~12月に、東京・愛知・大阪・神奈川の四都市で上演される、ミュージカル『グリース』。この度、本公演のオフィシャル稽古場レポートが届いたので、写真とともに紹介する。

ティーンエイジの頃って、なんであんなに人の目を気にして、カッコつけて、見栄を張ったり本心じゃないことを口にしたりしちゃっていたんだろうなぁ。今思うと本当に恥ずかしい。しかし大人になってそんな若者を見るのは意外と悪くない。微笑ましくてニヤニヤしちゃう。……10月中旬の某日、ミュージカル『グリース』の稽古場を取材し、まず、そんな思いを抱いた。

『グリース』は1971年にアメリカで初演されたミュージカル。1978年にはジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン=ジョン主演で映画化されこちらも大ヒット。50年代アメリカの若者の青春を色鮮やかに描いた、青春ミュージカルの金字塔である。日本では2008年以来の上演となるが、今回は三浦宏規、屋比久知奈、有澤樟太郎、内海啓貴、城妃美伶、田村芽実ら、ミュージカル界期待の次世代スターたちが出演するのも話題だ。

全幕通し稽古だというこの日。稽古場に入ると、とにかく若さ溢れるパワーに圧倒される。数シーンの抜き稽古のあと、通し稽古が始まる前に男性陣はグリース(!)とスプレーでリーゼントをキメる。その作業すら、すでに高校生のワチャワチャ感。「(整髪剤を)オレの机に出しっぱなしにしておくなよ!」だの、「昨日よりキマってるでしょ!?」だの。さらには男性陣と女性陣に分かれて円陣を組んで気合いを入れている。さながら、部活の試合に臨む高校生のよう!?

しかし当然ながら、彼らは一流のプロなのである。オープニングのタイトルナンバー「Grease」からとにかくド迫力のソング&ダンス! 特にダンスがすごい。1曲目からすでに、見どころだらけでどこに目をやっていいのかわからない状態。そしてユニゾンが多用された歌唱もパワフルで、一気に心を掴まれる。ちなみに映画版のために作られその後ミュージカル版に逆輸入されたこのテーマソング、映画で歌っていたのはあのフランキー・ヴァリ。ミュージカルファンには「おっ」となる名前ではないだろうか。続くナンバーも、キラーチューンばかり。ノリ良く、そしてどこか懐かしい1950年代ロックンロールの数々が畳みかけるように登場していく。

物語は、いわゆる“ひと夏の恋”のその後の展開を描いたもの。サマー・バケーションで知り合い恋に落ちたダニー(三浦)とサンディ(屋比久)。夢のような幸せな思い出は、サンディがダニーのいる高校へ転校してきたことから一気に現実へ。実は“T-Birds”という不良グループのリーダーであるダニー、サンディの前では紳士的にふるまっていた一方で、仲間たちへはサンディとの恋を刺激的に“盛って”語っていたのだ。仲間の手前、そっけない態度をとるダニーにサンディは傷ついて……。ダニーとサンディの恋の行方に加え、彼らの仲間たちの恋模様や進路問題、さらにダンスコンテストと、いかにもアメリカのハイスクールらしい要素が盛り込まれ、物語は進んでいく。

このミュージカル、ストーリーは比較的シンプルである分、キャラクターがいかに魅力的であるかが重要になる。しかしこのカンパニーはその点はどうやら問題なさそう。ダニーを演じる三浦は、映画版のトラボルタよりはずいぶん端正で可愛らしい雰囲気ではあるが、だからこそイキがって虚勢を張っている男の子の可愛らしさ、実はピュアな本心が見てとれる。そしてとにかくダンスのキレの素晴らしさ!  若手ミュージカル俳優屈指のダンス力がこの作品で弾けている。屋比久のサンディはとにかく可愛く、その生真面目さ、ひたむきさは観る者が思わず応援したくなるに違いない。オリビアが歌った名バラード「Hopelessly Devoted to You」の歌唱も圧巻である。そして本来の屋比久は三浦同様、バレエの下地がある人なのだが、真面目な女の子らしくぎこちないダンスをしてみせる屋比久サンディの姿もまた可愛らしい。

男子グループ“T-Birds”、女子グループ“Pink Ladies”のメンバーも個性豊かだ。恋をしたい欲求が溢れているようなケニッキー役の有澤樟太郎、少々お調子者で実は素直(?)なドゥーディー役の内海啓貴、なぜかいつも先生に目をつけられてしまうソニー役の神里優希、大きな体で軽快なダンスを魅せるロジャー役の皇希ら、男子たちはイキがっているものの、ちらほら幼さも垣間見えて可愛らしい。

対して女の子たちはなかなか大人びている。ツンツンしていてひねくれ者のリッゾを、田村芽実は傷つきやすそうな内面の繊細さを丁寧に救い上げているし、城妃美伶扮するマーティは、クラスにひとりこういう子いたよね! という大人びた色気で魅せる。ほかにもジャン役のMARIA-Eの迫力の歌声、フレンチー役の最年少・まりあのコケティッシュな魅力、コワい教師ミス・リンチ役の可知寛子のコミカルさ、チャチャ役の髙橋莉瑚の圧巻のダンス……ああ、全員のチャーミングさを一つひとつ列記したい!

さらに、一曲でインパクトを残す“お楽しみ”的役どころのティーンエンジェルも注目だ。この日の稽古場で務めたのは太田基裕。唐突な存在感に太田の甘い声があいまって、シュールで可笑しい。日本語の歌詞も爆笑モノだったので、ぜひお楽しみに。なおティーンエンジェルはほか石井一孝、上口耕平、こがけん、斎藤司、原田優一が日替わりで演じる。

それにしてもとにかく運動量の多いミュージカルだ。稽古場は常時震度3くらいの振動。常にダンス、ダンス、ダンス! 特にダンスコンテストのナンバー「Born to Hand Jive」はアクロバティックなペアダンスがそこらじゅうで展開されていて圧巻のひと言。アグレッシブに踊る彼らに、問答無用にこちらの心も踊る。恥ずかしさも甘酸っぱさも歯がゆさも、青春のすべてが詰め込まれたようなミュージカルだが、彼らにとってはこの現場こそが青春なのでは? と思える、汗と笑いとキラキラした輝きが溢れている。ティーンエイジの頃って、毎日が濃かったし、一生懸命だったよね……。そんな青春を体現している彼らがとっても愛おしい。コロナ疲れの人も、気分が発散すること間違いないミュージカルだ。

公演は10月30日(土)・31日(日)の東京・シアター1010を皮切りに、11月11日(木)~12月5日(日)に東京・シアタークリエほか、愛知・御園座、大阪・新歌舞伎座、神奈川・相模女子大学グリーンホールにて上演される。

取材・文=平野祥恵  写真提供=東宝演劇部

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