ジャーナリングにきれいな文章は必要なし!書けない悩みを一瞬で解消するコツ【感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング】
ジャーナリングの基本「上手に書こうとしない」
ジャーナリングを始めるとき、多くの人が無意識に陥ってしまう罠があります。それは、「きれいに整った文章を書かなければならない」という思い込みです。ノートを開いた瞬間、ペンが止まってし
まう。頭の中には書きたいことがあるはずなのに、適切な言葉が見つからず、結局何も書けずにノートを閉じてしまう……そんな経験をすることもあるでしょう。
私たちは子どもの頃から、正しく書くことを当然のこととして訓練されてきました。助詞の使い方や漢字の正確さ、起承転結、読み手への配慮。それらができてはじめて花まるをもらえた経験が、大人になった今でも強力なブレーキとして働いています。
ジャーナリングは誰かに読ませるものでも、レポートでもありません。まずは、「上手に書く」という思い込みを捨ててください。
例えば、体内の老廃物を出すときに、形や色を気にして出す人はいないでしょう。心の闇や影を出す作業もそれと同じで、形状など気にせず、ただ排出することだけに集中してください。
きれいに整った文字や文章は、理性(思考)が働いている証拠。理性でコントロールされているうちは、心の奥底にあるドロドロ、モヤモヤとした本音は出にくいのです。本音を解放するには、単語の羅列や殴り書きで十分です。
「つらい」「むかつく」「あー!」「寂しい」……そんな言葉を紙に叩きつけるように書いてみてください。ひらがなやカタカナで構いません。言葉にすらならないときは、ぐちゃぐちゃの線や色を書き殴るだけでもいいのです。ギザギザ線、ぐるぐるの渦巻き、紙が破れるほど強く塗りつぶされた黒い塊。それらは、どんな美辞麗句よりも雄弁に、あなたの今の心の闇や影を表現してくれます。「汚い文字」や「乱れた文章」は、あなたが理性のガードを外し、ありのままの自分をさらけ出せたという証なのです。
どんな感情も、ノートは受け止めてくれる
ジャーナリングで大切なのは、「今、ここ」で感じていることをそのまま紙に表すことです。「手が震えている」「胸が苦しい」「泣きたい」。わき上がってくるその感情や感覚を、そのまま書き表してください。その瞬間のエネルギーを正直にキャッチし、紙の上に表すことが心の重荷を下ろす近道です。
誰かにぶつけたら人間関係が壊れてしまう激しい怒りも、心に溜め込めば病気になってしまう深い悲しみも、ノートならすべて受け止めてくれます。叫び声をあげる代わりにペンを走らせる。心の闇や影に引き込まれる前にその感情や感覚を紙に表現する。それは、自分自身を守るための、安心安全で効果的な方法です。
POINT
きれいな文章より、乱れた文字やぐちゃぐちゃの線こそ本音の証。
評価を手放し、闇や影をそのまま紙に表して。
【出典】『感情を手放してラクになる デトックス・ジャーナリング』著:長沼睦雄
【著者紹介】
長沼睦雄(ながぬま・むつお)
十勝むつみのクリニック院長・精神科医。昭和31年生まれ。北海道大学医学部卒業後、脳外科研修を経て神経内科を専攻し、北海道大学大学院にて神経生化学の基礎研究を修了。その後、障害児医療分野に転向し、道立札幌療育センターにて14 年間児童精神科医として勤務。平成20 年より道立緑ヶ丘病院精神科に転勤し児童と成人の診療を行う。平成28 年に帯広にて十勝むつみのクリニックを開院。急性期の症状を対症療法的に治療する西洋医学に疑問を感じ、HSP・アダルトチルドレン・神経発達症・発達性トラウマ障害・慢性疲労症候群などの慢性機能性疾患に対し、「脳と心と体と食と魂」をつなぐ根本治療を目指す統合医療に取り組んでいる。
『敏感すぎて生きづらい人の 明日からラクになれる本』『繊細で敏感でも、自分らしくラクに生きていける本』(共に永岡書店)、『子どもの敏感さに困ったら読む本』『10 代のための疲れた心がラクになる本』(共に誠文堂新光社)、『その、しんどさは「季節ブルー」』(日本文芸社)など著書多数。