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現代社会への違和感や疑問を感じる『チルド』 新映画レーベル会社が手がけた、作家性際立つサイコホラー

SASARU

毎週・木曜日の25:30から北海道・札幌のFM NORTH WAVE(JFL系)で放送されている、矢武企画制作・映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」の内容をSASARU movieでも配信!

※この記事では「キャプテン・ポップコーン」7月23日(木)の放送内容をお届けしています。

カツオ節のゆーへい、どきどきっ映画くじ #117

(C)「チルド」製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

このコーナーは、年内の劇場鑑賞·110作品を目指す鰹節ノ富樫政雄商店・ゆーへいさんに、映画館での劇場体験を。そして、クジで引かなければ、観なかったであろう映画を運命的にマッチングするコーナーです!!

映画『チルド』

舞台は東京の片隅にあるコンビニ〈エニーマート倉冨町7丁目店〉。小さな社会で起きたわずかな歪みをきっかけに、世界は終わりへと向かっていく。24時間灯り続けるコンビニ。同じ商品、同じ挨拶、同じ作業。繰り返される日常が、静かに狂い始める。“無限”の空間「コンビニ」に飲み込まれる88分間のコンビニエンス・ホラー。

脚本・監督は初長編作品を手がける岩崎裕介。出演は『廃用身』(26)などの染谷将太。

ゆーへい:コンビニを舞台にしたホラー作品ですが、幽霊や怪物が登場する作品ではありません。描かれているのは、人間が考えることをやめ、日々を過ごしていくことへの恐怖です。毎日同じ時間に出勤し、同じ言葉を繰り返しながら、自分らしさを少しずつ失っていく主人公・堺の姿は、「自分は本当に生きているのか」と観る人に問いかけてきます。さらに、明るく耳に残る「Any Mart」のテーマソングが流れる一方で、日常は少しずつ壊れていく。そのギャップが作品全体の不穏な空気をより際立たせていました。

(C)「チルド」製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

矢武:ホラーというと『リング』(98)のような作品を思い浮かべる人が多いと思いますが、本来は「恐怖映画」という広いジャンルを指します。本作は幽霊や怪物ではなく、人間の狂気や異常心理を描いている作品です。その意味では、サイコホラーと呼ぶのがふさわしい作品だと感じました。

(C)「チルド」製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

ゆーへい:タイトルの『チルド』は食品の保存方法を指すだけではなく、「生きてもいない、死んでもいない状態」の象徴として描かれているように感じました。人間までもが商品と同じように補充される世界観が、本作のテーマになっています。効率やマニュアルを優先し、自分で考えることを失った社会への風刺が込められている一方で、主人公・堺の「何も喋っていないですよ」というセリフは、自分自身の言葉を失った現代人を象徴しているような印象的な場面でした。

(C)「チルド」製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

矢武:全体を通して、賢い人が作った映画だなと感じました。尖ったジャンル映画でありながら、知性によって感情や感性を丁寧に積み上げていくような作りになっています。本作を手がけたのは、「才能が潰されない世の中を目指して設立された映画レーベル」を掲げる「NOTHING NEW」。その理念が作品にも表れており、新進気鋭の映画レーベルらしさを感じさせる1本でした。

(C)「チルド」製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

ゆーへい:オーナー役を演じた西村まさ彦さんの存在感も圧巻でした。感情をほとんど表に出さない口調や表情で不気味さを漂わせ、マニュアル通りのある言葉に執着する姿が異様な空気を生み出しています。また、物語の冒頭とラストに登場する味気ないサラダチキンも印象に残りました。要冷蔵のチルド食品のように、考えることを放棄した人生の象徴にも見えますが、一方で味付け次第で変わるように、人も一歩踏み出せば変われるかもしれないという希望も感じられました。鑑賞後も「Any Mart」のメロディーが頭から離れず、主人公・堺の無表情な姿が思い浮かびます。自分の日常を見つめ直したくなるような作品でした。

(C)「チルド」製作委員会 (NOTHING NEW・東北新社)

矢武:作家性が際立つ作品でした。24時間営業のコンビニという身近な場所を題材にしながら、現代社会が抱える違和感や疑問を感じる作品でした。

映画『チルド』(R15)は、札幌シネマフロンティアで7月17日から絶賛公開中。
苫小牧シネマトーラスは8月22日(土)に公開予定です。

週末動員ランキング3!!!!!

(C)原泰久/集英社 (C)2026映画「キングダム」製作委員会

7月17日(金)から19日(日)まで、全国の映画館でたくさんの人に観られた映画はコチラ!

第3位:映画『Michael/マイケル』

累計成績、動員約410万人、興行収入約65億円!
まだまだ観に行けてない方もいそうですし、安定した動員を期待できそう。まずは70億円突破でしょうか。

第2位:映画『トイ・ストーリー5』

累計成績、動員約502万人、興行収入約72億円!
いよいよ夏休みへ突入し、今後の推移に注目。どちらにせよ、シリーズ最高成績になりそうです。

第1位:映画『キングダム 魂の決戦』

初登場3日間で動員約99.3万人、興行収入約15.8億円!
今年公開の実写映画でもナンバーワンのオープニング成績です。

いま映画館で、みんなに多く観られている上映作品です。ぜひ、映画選びの参考にしてみてくださいね!

映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」

映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」は、北海道外にお住まいの方、もしくは聴き逃した方でも、インターネットで聴けるradikoで一定期間は聴取することが可能です。また番組の一部を「ポッドキャストもキャプテン・ポップコーン」で毎週木曜日の26時から配信中。
この記事では7月23日(木)に放送した番組内容をお届けしています。進行台本と放送内容を基に記事を作成しています。そのため、実際の放送内容とは違う表現・補足(話し言葉と書き言葉等)並びに、放送ではカットされた内容を含む場合がございます。 また、公開される映画館名や作品情報、イベントは上記日程の放送または収録時点のものになりますのでご留意ください。

【提供】キャプテン・ポップコーン/矢武企画

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