大ヒットのスクールバッグ 作っているのは野球用具メーカー
今日は学校に通う際に使う「スクールバッグ」の話題です。
女子高校生を中心に人気!「ワッペ」のスクールバッグ
いま特に女子高校生の間で大人気なのが「ワールドペガサス」のスクールバッグ。実は、このワールドペガサス、野球用具メーカーなんです。まずは、その人気具合について、聞いてきました。女子中高生向けの雑誌、集英社セブンティーン編集部 編集長の成見玲子さんのお話です。
集英社セブンティーン編集部 編集長 成見玲子さん
ワールドペガサスのスクールバッグは、最新ですと春号の誌面でも紹介したのと、女子高生のインスタグラムをニュース化しているweb記事でも、今こういうふうにみんながワールドペガサスのスクバ(スクールバッグ)を持っているよ、という記事を配信させていただきました。昔から人気ですが、ここ数年、平成ギャルのブームもあって、さらに加速している印象があります。たくさんのカラーがあるので、みんなで違う色を持って、ディズニーランドで記念撮影をしたり、そういう楽しみ方をしているようです。制服のためのアクセサリーみたいな使い方をしている子がすごく多いんじゃないかなと思います。ここでしか買えないというレアさが女子高生の間でもそれを持っている自慢になるというところが面白いなと思っています。
特に人気なのはピンク、紫だということ。今は、学校以外でも友達とお揃いで使っていて、バッグをデコレーションしたり大きなキーホルダーをつけたり、大きく名前を書いたりするのが流行っているそうで、「ワールドペガサス」を略して「ワッペ」の愛称で親しまれています。
バッグは、共同で作っている八王子市の「マルミ運動具店」でのみ販売していて1つ税込4510円。年間5000個以上、販売しているそうです。
スクールバッグを手がけるのは「野球用具メーカー」
このバッグを作っているのが「野球用具メーカー」という点が面白いんですが、なぜ作ることになったのか、背景やヒットの受け止めを、ワールドペガサスジャパン株式会社 専務取締役 西島唯博さんに伺いました。
ワールドペガサスジャパン株式会社 専務取締役 西島唯博さん
1986年から始まったんですけど、それを作ろうとしていたところが倒産したので、そこのお店と付き合いのあるワールドペガサスが代わって、スポーツ店と共同で作り上げたのが始まりです。当初は3色、赤・紺・コバルトブルーですね。今は12色。ヒットした理由は「いろんな色がある」。普通は学校の校章ですよね。それじゃなくてワールドペガサスの「WP」っていうロゴが印刷されたので、ファッショナブルなスクールバッグっていう形になったんだと。バッグに関しては本当にびっくりです。弊社に入社した女性も、ワールドペガサスって野球メーカーじゃなくて、バッグメーカーだと思ったと言われるぐらい。
ワールドペガサスのブランド自体は1965年からあって、プロ野球・巨人の2軍監督・桑田真澄さんが今もグラブを愛用しています。そんな中で、1986年からスクールバッグを作り始めて、昔から人気だったそうですが、今、再びブームに!転売対策などもあって、販売は電話注文のみ。入荷した際にはあまりにも注文が殺到するので、電話回線を増やして対応にあたっているということでした。
野球用具メーカーが作るスクールバッグが大ヒットしたわけですが、話を聞くと親会社は吸収合併や倒産を経て現在5社目。色々な試練を乗り越えてきたそうです。
認知度アップへ!試練乗り越える野球用具メーカー
もうすぐ夏の高校野球・甲子園も開幕しますが、毎年、高校の硬式野球部の部員数も減っている中、野球メーカーとしても工夫や努力を重ねています。再び、ワールドペガサスジャパン 西島さんのお話です。
ワールドペガサスジャパン株式会社 専務取締役 西島唯博さん
WPという柔らかい丸っこいロゴ、アンケート調査をすると、特に高校生は9割が「筆記体のWP」の方がかっこいいと。40代以上のターゲットの商品は昔のロゴ、学生野球に関しては、筆記体のWPっていうロゴに、すみ分けをしている。小さいブランドなので、単体で売上あげて利益をあげるのは、非常に難しいんですよね。野球業界ですとチーム対応なので、少しお安くさせていただいて、使っていただくという競争が非常に激化したので、そういうので続かなくて、倒産していったのが背景なんですけど、妥協しないで「日本一いいグラブ」を。認知度を上げるために、一生懸命、拡販作業をしています。
積極的にアンケートなどで今の需要を確認して、柔軟にロゴの字体を変更しました。他にも、グラブの形を崩さないための「グラブの枕」(グラブピロー)など、他のメーカーにはない商品の開発にも力を入れているということでした。
(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:西村志野)