忘年会・新年会の実施率が減少 コロナ禍後で初の前年割れ、背景にコスト意識と価値観の変化
東京商工リサーチ(東京都千代田区)は12月17日、忘年会・新年会に関する企業調査の結果を発表した。今シーズンの忘年会・新年会実施率は57.2%(前年59.6%)で、コロナ禍後としては初めて、前年を下回る水準となった。同社が10月に行った前回調査によると「実施予定」は57.8%だったが、実際の開催はこれよりさらに0.6ポイント低下した。
実施率は減少傾向 会社と社員の意識のズレも
今シーズン、忘年会・新年会を実施すると回答した企業は全体の57.2%にあたる3548社で、前年から2.4ポイント減少した。企業規模別では、大企業が66.41%(329社)、中小企業は56.47%(3219社)と、それぞれ前回調査を下回った。
一方、実施しない意向を示した企業は全体の42.73%にのぼり、前年から2.33ポイントの増加となった。
コロナ禍前の忘年会・新年会の実施率は78.4%だったが、2020年には5.6%まで落ち込んだ。その後は回復基調にあり、2023年には55.9%まで戻したものの、以降は伸び悩み、今シーズンはコロナ禍後で初めて前年を下回った。
同社が10月に実施した前回調査では、「コロナ禍前には実施していたが、今回は実施しない」と回答した企業の理由として、「忘年会・新年会にかかる費用を削減するため」が挙がり、その割合は調査開始以来、初めて20%を超えた(21.7%)。
忘年会・新年会の実施が進まない背景には、物価高や賃金の伸び悩みによる費用負担だけでなく、企業側と社員側の飲み会に対する意識の相違もあると、同社は分析している。親睦や一体感の醸成を期待する企業に対し、社員は仕事外の時間をプライベートに使いたいと考える傾向が強まり、飲み会の役割そのものが変わりつつあるという。
「実施する」割合が高い業種は、建設業など
業種別に見ると、「実施しない」と回答した企業の割合が最も高かったのは小売業で56.2%。次いで不動産業が53.4%となった。3位には、前回調査で上位だった運輸業に代わり、農林漁鉱業(48.2%)がランクインしている。
一方、「実施する」割合が高かった業種は、前回と同様に建設業(66.0%)、卸売業(61.3%)、金融・保険業(58.6%)の順となった。
コロナ禍前から忘年会・新年会を継続して実施している企業に、その目的を尋ねたところ、最も多かったのは「従業員の親睦を図るため」で85.8%(2312社)にのぼった。次いで、「従業員の士気向上」が50.5%(1361社)を占めた。3位となった「会社の定番行事であるため」(46.8%)については、中小企業の回答率(47.2%)が大企業(43.4%)を3.8ポイント上回っている。
このほか、「完全在宅勤務で、年に1回は対面で交流する機会が必要」との理由も挙がっており、専門サービス業の企業(資本金1億円未満)からはそのような回答が見られた。
なお、10月の前回調査では、「コロナ禍前には忘年会・新年会を実施していたが、今回は実施しない」理由として、「参加に抵抗感を示す従業員が増えた」が4割を超えた(41.3%)ことが明らかになっている。
「第2回忘・新年会に関するアンケート」調査は、12月1日から8日の間、企業を対象にインターネットによるアンケート調査を実施。有効回答6196社を集計、分析した。発表の詳細は公式リリースにて確認できる。