米不足の現状 「慌てないことが大事」 JAさがみに聞く
スーパーマーケットに米がない――。今月中旬ごろから、全国的に米不足が問題となっている。市内の各小売店舗の売り場でも「一袋も並んでいない」「どこで手に入るのか」という声が相次いでいる。
「『お米ないの?』との質問が直売所にもたくさん寄せられている」と話すのは、JAさがみの担当者だ。同社が運営する「わいわい市場」や「米ディハウス」でも、店頭では品薄状態が続いている。
なぜこのような事態になったのか。前提として8月から秋ごろまでは新米への入れ替え時期で、出荷量は少なくなる。しかし店頭における品薄については「それだけが要因ではない」という。
「今年の春ごろから現場では品薄感があった」と振り返る担当者。昨夏の猛暑といった天候の影響による不作や質の低下などが見受けられた。
加えて、今月8日に宮崎県で最大震度6弱を観測した地震発生から、気象庁が発表した南海トラフ臨時情報により、市民からの需要が高まったことが原因していると分析する。
不安が広がる中、われわれ消費者に求められるのは「慌てないこと」だと話す。「災害の備えとして米を蓄えても、非常時に研ぐ水や炊く際のガスがあるとは限らない。むしろ非常食など備蓄の方が重要ではないか」。1993年に起きた米不足を思い出す人の声には、「飲食店や学校給食では普段通り供給されている。あの頃とは深刻度が異なる」と解説する。
9月中旬からは例年通り新米の出荷時期となり、店頭に出回る量も増えてくる。「買い溜めせずに、冷静に判断してもらえれば」と呼びかけている。