【東京街角クイズ】この写真、どこの並木道でしょう?〈全6問〉
この写真、東京のどこかわかりますか?出題範囲は東京23区内で、全6問。道の両脇に街路樹が並ぶ並木道の写真を集めた。撮影場所と通りの名前、さらに街路樹の種類も言い当てることができれば完璧!【ご注意!】各出題画像の下にヒント、さらに矢印のすぐ後に解答・解説を記載している。勢い余って答えが見えちゃうことのないよう、ゆっくりとスクロールしながら挑戦されたし。それでは、チャレンジスタート!
第1問
ヒント
文京区。
正解は…… 春日通り@春日(ハナミズキ)
初っ端から“並木道”としての印象はあまりなさそうな道だが、遠くに案内標識も見えているなどヒントが多いので、場所を当てられた人は多いはず。
写真は春日交差点の西側、富坂の途中から交差点を見下ろしたところ。春日交差点から茗荷谷方面の春日通りにはハナミズキが多く、撮影した4月下旬ごろはちょうど白い花があちこちで咲いていた。
ハナミズキは、東京都内で最も本数が多い街路樹(2025年4月時点、東京都建設局のデータより)。樹高はそこまで大きくないこともあって存在感は控えめだけれど、花が咲く時期は通りがぱっと華やかになる。花びらのように見える白いものは正しくは苞(ほう)という花を保護する葉なんだそう。同じミズキ科のヤマボウシとよく似ているのだが、ハナミズキは苞の先端がきゅっと窪んでいるのが特徴だ。
第2問
ヒント
千代田区。
正解は…… 行幸通り@大手町(イチョウ)
イチョウ並木といえば明治神宮外苑、靖国神社、東大、国会議事堂前……と有名な場所が多くて挙げればキリがないけれど、ここを忘れちゃいけない!
東京駅の丸の内中央口と皇居を結ぶ行幸通りは、関東大震災後の復興事業で整備された道路のひとつ。2008年ごろから東京駅舎の復元や駅前広場の改修とあわせて整備がおこなわれ、一部なくなっていたイチョウ並木も蘇った。
イチョウは、ジュラ紀(約1億5千万年前)から地球に存在していた「生きた化石」とも呼ばれる木。丈夫で、幹や葉に水分を多く含み燃えにくいことから街路樹に重宝されている。都内の街路樹の数でいえば、ハナミズキに次いで2番目に多いのだとか(2025年4月時点、東京都建設局のデータより)。剪定されているものも多いせいかひょろりとノッポな姿のイメージも強いのだが、自然樹形は意外と丸っこい。幅員約73mある広々とした行幸通りのイチョウも、ゆったりと枝を広げた姿が印象的だ。
第3問
ヒント
品川区。
正解は…… かむろ坂通り@不動前(サクラ)
桜並木で有名な道をサクラが開花する時期ではない写真で出題するという、ちょっぴりいじわる問題。このエリアにゆかりのある人でなければ当てるのが難しかったかもしれない。
かむろ坂通りは、不動前駅そばの山手通り(環状6号線)から西へ0.5kmほど、東急目黒線と並行して通る長い坂道。春には見事な桜色のトンネルになる通りだ。
サクラは種類が多く、ヤマザクラ・オオシマザクラ・エドヒガンなどの数種をもとにした雑種や交配種など300種以上! 一般に栽培されるものだけでも100種近くあるのだとか。おなじみのソメイヨシノは江戸時代末期につくられた品種で、染井村(現在の豊島区駒込)の植木屋が発祥といわれている。かむろ坂ではソメイヨシノのほかにヨウコウが植えられている場所もあり、種類によって花の色や形、咲き方や樹形などまったく違うのが楽しい。
第4問
ヒント
杉並区。
正解は…… 中杉通り@阿佐ケ谷 (ケヤキ)
写真は阿佐ケ谷駅北口、阿佐ヶ谷神明宮付近の歩道橋から北方面を見たところ。中杉通りは環七通りと環八通りのちょうど中間を南北に走り、目白通りから青梅街道までをつなぐ通り。そのうち阿佐ケ谷駅付近がケヤキ並木になっている。名前についている「杉」は「杉並区」の「杉」だそうで、スギは植わってはいない。戦後、地元の人々が資金を集めて苗木を植えたのがこのケヤキ並木の始まりなんだとか。
ケヤキの魅力は、なんといってもその枝ぶり。幹がまっすぐに伸びて細かな枝が扇のように広がる樹形は、大木になると特に堂々とした雰囲気になる。ケヤキ並木といえば表参道が有名だけれど、この中杉通りのケヤキたちも負けず劣らず見事。阿佐ケ谷エリアの魅力の一つだ。
第5問
ヒント
港区。
正解は…… 外苑東通り@乃木坂(プラタナス/スズカケノキ)
早稲田から麻布台までをつなぐ外苑東通りのうち、乃木坂付近の街路樹がプラタナス。写真は、乃木坂陸橋から北を見たところだ。乃木坂のランドマークの一つ「桂由美ブライダルハウス」の白いお城のような建物が決め手で場所がわかった人が多いかもしれない。
プラタナスは和名をスズカケノキといい、秋にはコロンとした鈴のような実がなる。なによりこの白っぽい色の幹が特徴で、どことなくヨーロッパの街角のような雰囲気も感じられる。世界中で街路樹としてよく利用される木で、ニレ、ボダイジュ、マロニエ(セイヨウトチノキ)に並ぶ世界四大街路樹の一つとされているんだとか。
第6問
ヒント
中央区。
正解は…… マロニエ通り@銀座 (マロニエ/トチノキ)
木の名前が通りの名前になっていて、特徴的な花も見頃という、並木道クイズのラストにふさわしいマロニエ通り! 写真は中央通りから築地方面を見たところだ。あえて周囲の建物はあまり写り込まないようにしたが、人の多さや歩行者天国になっていることもヒントになったかもしれない。
マロニエは和名をセイヨウトチノキといい、世界四大街路樹の一つ。パリはシャンゼリゼ通りの並木道が有名で、マロニエという名前もフランス語。4~5月ごろにはピラミッド状の花が咲く。マロニエ(セイヨウトチノキ)の花は白だが、この通りの木はピンク色の花が咲いているので、おそらくはベニバナトチノキ。両者は厳密には違うようなのだけれど、ひっくるめてマロニエと呼んでいるようだ。
銀座・京橋エリアは愛称のついている道路が多く、柳通り、鈴らん通り、花椿通りなど、木や花の名前がついた通りもある。
全6問、これにて終了! おつかれさまでした。
街の景観を形作る重要な要素の一つである街路樹。花や紅葉の季節以外は注目されることが少ないけれど、道路の歴史が見えることも多くておもしろい。特に日差し厳しい灼熱の日は、木陰がなんとありがたいことか! 今年の夏は街の木々に感謝しつつ、その姿や種類にも関心を向けてみませんか?
文・撮影=中村こより
参考=『散歩で見かける街路樹・公園樹・庭木図鑑』葛西 愛/創英社・三省堂書店
中村こより
もの書き・もの描き
1993年東京生まれ、北海道育ち。中央線沿線に憧れて三鷹で暮らした後、坂のある街に憧れて現在は谷中在住。好きなものは凸凹地形、地図、路上観察、夕立。挑戦したいことは測量と東海道踏破。