ビタミンCで鉄の吸収率UP!ビタミンCが豊富な優等生食材とは!?【小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事】
「鉄の恋人」ビタミンCで鉄の吸収率をアップ
パセリとレモンはビタミンCの優等生!
鉄を効率よく吸収するために、ぜひ一緒に摂ってほしいのがビタミンCです。ビタミンCが鉄の吸収効率をアップさせることは古くから知られていましたが、*⁵近年その仕組みが兵庫県立大学大学院生命理学研究科と理化学研究所放射光科学研究センターなどの共同研究により原子レベルで明らかになり、あらためてビタミンCが「鉄の恋人」であることが証明されました。
前項目で非ヘム鉄は吸収率が悪いとお話ししましたが、ビタミンCを含む食材と一緒に食べることで鉄の吸収率をアップできます。いわずと知れたレモンには、やっぱリビタミンCがたくさん含まれていますし、お飾りになってしまいがちなパセリもビタミンCを豊富に含んでいるので、積極的に食べるとよいでしょう。ドライパセリを料理にかけるだけでも彩りにもなりますし、見た目のおいしさもアップします。
お肉にレモン、魚にレモン
鉄とビタミンCを一緒に摂る方法としておすすめなのが、料理にレモン汁をかけること。ゆでたお肉、焼き魚、カツオのたたきなどにレモンをギュッと絞るだけで、鉄の吸収率を手軽にアップさせられます。
お肉やお魚に合うのはもちろんですが、ほうれん草のサラダ、オイル系やクリーム系のパスタ、塩味の炒め物など、どんな料理にもレモンは意外にぴったりと合います。
鉄の吸収のためだけでなく、味がちょっと足りないな、もう少し塩気がほしいなというときにも、塩やしょう油の代わりにレモンをかけてみるのはいかがでしょうか。
うまみが増して「なるほど」と納得するはず。レモンを足すと味わいが増すので、塩やしょう油の代わりにかけてみてください。
付け合わせのパセリは残さない
パセリは鉄とビタミンCを一緒に摂れる優秀食材。外食したとき、今まで残していたあなたも、今日からは料理の付け合わせにパセリが出てきたら、飾りだと思わず残さず食べましょう。
レモンで減塩もできて一石二鳥
日本人は子どもも大人も塩分を摂りすぎている傾向にあります。厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、1日に摂取するナトリウム(食塩相当量)の目標量を3~5歳は3.5g未満、6~7歳は4.5g未満としています。
これらの塩分量を濃口しょう油で考えると、3.5g=小さじ4杯程度、4.5g=小さじ5杯程度。「これだけで1日分になるの!?」と驚いた人は、塩分を摂りすぎているかもしれません。
鉄の吸収をアップさせるだけじゃないレモンの効果、減塩。レモンを活用して、家族みんなで賢く減塩メニューを楽しみましょう。
レモン水を飲むなら
レモン水は歯の表面を酸性にし、エナメル質を溶かす可能性があります。食事中に飲むなら、最後に水を飲むか水でうがいしましょう。
ビタミンCをたっぷり摂れる食べ物
「鉄の恋人」ビタミン C を多く含む食べ物で、鉄の吸収率をアップしましょう。
野菜類
赤身の肉や魚を使った料理には、ビタミンCを豊富に含んだ野菜を合わせたいもの。旬の野菜はより多くの栄養を摂れるのでおすすめです。保存がきく冷凍野菜をストックしておくのもよいでしょう。
フルーツ
フルーツの中でもビタミンCの含有量が多いレモンは、料理に少しかけるだけでうまみをプラスしてくれる優秀な食材です。
その他
海苔には、ビタミンCのほか、ビタミンA、鉄分、カルシウム、食物繊維などさまざまな栄養素が含まれています。
*⁵公立大学法人兵庫県立大学・国立研究開発法人理化学研究所・国立大学法人島根大学・メリーランド大学・ブリティッシュコロンビア大学(2018)『貧血予防に新たな指針―ビタミンCが鉄分の吸収を促進するメカニズムを原子レベルで解明―』
【出典】『小児科医ママが教えたい 体・脳・心を育てる!子どもの食事』著:工藤紀子