ラーメンに天かすだと!? 和歌山のソウルフード「グリーンコーナー」のてんかけラーメンを食べてみた!
私(佐藤)は先日、和歌山県を訪ねた。うちの記事を勝手にショート動画にしている人物に会いに行くためだ。その顛末については、すでに公開している記事で確認して頂きたい。
さて、せっかく和歌山まで足を伸ばしたので、ご当地グルメを頂かない手はない。どこに行っても、そこにしかないものはあるわけで、私が目星をつけたのは、和歌山のソウルフードと呼ばれる、「グリーンコーナー」のてんかけラーメンである。安くて美味いといわれるてんかけラーメンはどんな味なのか? 実際にお店に行ってみた!
・グリーンコーナー
恥ずかしながら私は西日本出身(島根)でありながら、和歌山県の正確な位置を把握していなかった。大阪・京都はもちろん、滋賀・奈良辺りは理解しているが、三重と和歌山を混同していた節があることを、現地に行って改めて知った次第。どうやら紀伊半島を挟んだ西と東がごっちゃになっていたらしい。
その日私は、直前に「井出商店」という和歌山ラーメンの老舗を訪ねて1杯食べたばかりだった。そのまま宿に帰ってもよかったのだが、明日の予定を考慮すると、グリーンコーナーに行くチャンスは今しかない。
ってことで、そこから歩いて最寄の店舗のある「イズミヤ」へと、歩き始めた。その日は、とても良い出会いがあって、私はスキップを踏むように軽快な足取りで歩を進めていた。ふと見ると、美しい夕焼け。まるで祝福されてる気分だよ。
国体街道から大きな交差点を西に曲がって、和歌川沿いを少し行くと、イズミヤショッピングセンター和歌山店に到着した。JR和歌山駅から少し離れると街灯も少なくなって、暗がりを歩いていると、突然あらわれた「Izumiya」の赤文字。
この中にグリーンコーナーはあるらしい。
・これがてんかけラーメン!
グリーンコーナーは製茶会社「株式会社 玉林園」の運営するフードコートである。てんかけラーメンが有名ではあるが、実は世界で初めて抹茶入りソフトクリームを開発した会社でもある。
1階奥にフードコート発見! 夕方で利用客はそう多くなかったが、とはいえ部活帰りと思われる学生さんが何組か利用していた。こういうお店は、青春時代において大事なんだよなあ。
メニューを見ると、ラーメン・カレー・ソースカツ丼など、食堂の定番メニューが並んでいる。しかも安い! 中華そばは450円、カレーは430円だ。おそらく、昨今の物価高を受けて値上げしたのだろうけど、それでも安い。以前はいくらだったんだろう。
ただでさえ安いのに、月に1度、中華そばが半額!? ってことは1杯225円! なんて良心的なんだ。稼ぎのない学生にとってはオアシスだろう。
それで注文したのは「グリテンセット」(税込600円)だ。これはてんかけラーメンとコロッケ、それにグリーンソフトの3点がセットになったメニュー。ソフトクリームまでついてこのお値段は、ホントに安い! 呼び出しブザーと食後のソフト引換券を受け取って席で待つ。
そうしてほどなくブザーが鳴ってトレーを受け取ると、ラーメンとコロッケが出てきた。これが噂に聞くてんかけラーメンか。スープ表面に天かすがしっかりのっている。
まずはコロッケ。ラーメンに揚げ物がついているだけで気分は上がるな。唐揚げならベストだけど、コロッケでもOK。
コロッケは普通のじゃがいもコロッケです。でもイイんです、こういうのがちょうどイイ!
続いてメインのラーメン。うどんに天かすは珍しくないけど、ラーメンに天かすはあまり見ないかも。というか、私は初めてだ。油っぽいんじゃないのかな?
……と思いつつ、レンゲですくってひと口飲むと……、意外にもアッサリ! 油っぽさを感じないばかりか、シンプルで軽やかな飲み口、まるでうどん出汁のような軽さだ。
井出商店の中華そばはとんこつ醤油で、味にどっしりとした重量感と醤油のキレが印象的だった。それに対して、こちらは鶏ガラとかつお節の旨味があり、さわやかな酸味すら感じるのである。
その酸味の正体は紅ショウガだった。これが良い意味でラーメンらしからぬあっさりとした飲み口を演出している。「最後の1滴まで飲み干せるラーメン」と言われるのにも納得、いくらでも飲める類にスープだ。
麺はストレートの中太で、自社製とのこと。歯切れが良くて、軽やかなスープとの相性もバッチリ。おやつ感覚で食べられるラーメン、部活帰りに学生さんのお腹を満たすのにふさわしい。まさしくソウルフードである。
ラーメンを食べ終えて食器を片付けるついでに、最後にグリーンソフトを受け取りました。正直、私は抹茶スイーツが苦手で、抹茶のソフトクリームを好んで食べたことがない。
だが、ここのソフトは苦味と甘味のバランスが良く、苦味にトゲトゲしさがないことに好感が持てる。むしろ、このくらいの苦味があった方が、甘味が引き立つというもの。
もしかすると、初めて抹茶ソフトを美味しいと思ったかもしれない。さすが、世界で最初に抹茶ソフトを開発しただけはある。開発当時誰も知らない味を受け入れられる美味しさにしたのだから、私のように抹茶が苦手という人にも食べやすく仕上がっているのかも。
きっと以前のメニュー価格はもっと安かったはず。原材料費の影響はきっと大きいに違いない。それでもできるだけ価格を抑える努力をしてらっしゃることがよくわかる。経営は大変だろうけど、グリーンコーナーがいつまでもお腹を空かせた若者たちのオアシスであって欲しい。
参考リンク:株式会社 玉林園
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24