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新潟とフランス料理を融合。ワイナリーにあるレストラン「Fermier」。

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新潟とフランス料理を融合。ワイナリーにあるレストラン「Fermier」。

新潟市西蒲区の越前浜には「Niigata Wine Coast(ニイガタワインコースト) 」と呼ばれるスポットがあり、「CAVE D’OCCI(カーブドッチ)」をはじめとする様々なワイナリーが集まっています。それは、この土地の気候や土壌がワインの原料となるぶどう栽培に適しているからなのだそうです。その一角に「Fermier(フェルミエ)」というワイナリーがあり、ワインだけでなく、直営レストランではフランス料理を味わうことができます。今回はレストランのシェフ・坂井さんに、料理のこだわりについてお話を聞いてきました。

ワイナリー&レストラン Fermier

坂井 祐介 Yusuke Sakai

1984年新潟市秋葉区(旧小須戸町)生まれ。新潟市の調理師専門学校卒業後、寄居町にあったフレンチレストランで修行。その後も結婚式場で経験を積み、2012年より「ワイナリー&レストラン Fermier」のシェフとしてレストランを任される。

学生のとき初めて食べたフォアグラやトリュフに感動。

——お店の前に広がっているのがぶどう畑ですか?

坂井さん:はい。ようやく古い枝の剪定が終わって、これから新しい芽が出てくるところです。まわりの山桜の花はそろそろ終わって、この後に藤の花が咲き始めます。普通のレストランは調理場に窓がないことも多いので、外の景色を見ることは少ないんですけど、ここは調理場からでも四季の風景が楽しめるんですよ。

——これから新緑の時期を迎えて、よりワイナリーっぽい風景になっていくんですね。さて、ではまず「Fermier」について聞かせてください。

坂井さん:ここは、東京で証券会社に勤めていた新潟出身のオーナーが、2006年に脱サラして始めたワイナリーなんです。醸造施設に併設したレストランは以前はピッツェリアだったんですけど、ワインに合わせてフレンチレストランへとリニューアルしました。私はそのときに、シェフとしてここへ来ました。

——坂井さんは以前はどんなお仕事を?

坂井さん:新潟市の調理師専門学校を卒業して、寄居町にあったフランス料理店で修行しました。フランス料理を選んだ理由は、知り合いから「フランス料理が作れれば、どんな料理でも作れるようになる」って言われたからなんです。実際にはそんなこと全然なかったんですけどね(笑)。専門学校のの研修で初めてレストランに行ってフランス料理を食べたんですけど、そのときフォアグラやトリュフに感動して、そのお店で修行させてもらうことになったんです。

——修行時代はどうでしたか?

坂井さん:最初は皿洗いだけやらされたりする調理場が多いんですけど、私が修行したレストランは調理人の数が少なかったから、何でもやらせてもらえたんです。前菜からデザートまで、すべて関わることができたのは恵まれていましたね。そのお店で修行した後は結婚式場で1年働いたんですけど、最初に勤めていたお店の親方から「Fermier」を薦めてもらって応募したんです。自分でも、そろそろシェフとして調理場を預かってみたいと思っていたんですよね。

——ワイナリーの中のレストランって、街のレストランとは違ったりしますか?

坂井さん:街中にはない自然が織りなす四季折々の景色、空気感やワイン造りの臨場感を感じながら過ごせることです。五感で楽しめるレストランです。

ワインに合う「香り」にこだわったフランス料理。

——坂井さんは特にどんなことにこだわって料理を作っているんですか?

坂井さん:ワイナリーにあるレストランですから、ワインに合う料理を前提として作っています。その上で一番こだわっているのは香りなんです。例えば同じ柑橘系の果物でも、若いものと熟しているものでは香りがまったく違ってくるんです。スパイスやハーブも産地によって香りが違ってきます。香りにこだわることでワインとのペアリングもより深く楽しんでいただけるんです。

——香りってこだわればこだわるほど深そうですね。食材についてはいかがですか?

坂井さん:よく新潟産にこだわっているっていうお店が多いんですけど、私は逆にこだわっていないんです。もちろん新潟産のいいものは使いますけど、他の地域にも美味しいものはたくさんありますし、今って物流もかなり発達していますから、いい食材が新鮮な状態で手元に届くんですよ。私は「産地」として新潟にこだわるというよりも「文化」としてこだわりたいと思っています。新潟で長い間食べられてきた料理文化を、フランスの料理文化とすり合わせて、自分なりのフランス料理を作っていきたいんです。

——面白そうですね。例えばどんな料理なんでしょうか。

坂井さん:新潟の家庭でよく食べられている体菜(たいな)と打ち豆の煮物がありますよね?それを魚料理に応用したりしています。打ち豆の代わりにナッツを使ってみたりして、新潟とフランスの料理を融合させているんです。

——なるほど。新潟らしさがフランス料理として新しく生まれ変わっていますね。

坂井さん:コースの初めにお出しする「季節のタブレ」ですね。綺麗に盛り付けられた料理を、お客様自らかき混ぜて食べていただく料理です。フランス料理って上品なイメージで、ちょっと緊張感があったりするじゃないですか。それを大胆にかき混ぜて食べることで、緊張感を忘れてリラックスしてほしいっていう思いがあるんです。器に茶碗を使うことで、より一層リラックスしてもらえるんじゃないかって思います。綺麗な盛付けを崩す、その背徳感も楽しんでほしいですね。

ワイナリーの中のレストランで、創意工夫をこらしたフランス料理を作っているシェフの坂井さん。「ワインのとの距離が近い環境で、フランス料理を作ることができて幸せ」と語ってくれました。ワインが好きな方はもちろん、お酒が飲めない方も楽しめるお店です。ぜひワイナリーの自然の中でフランス料理を味わってみてください。これからの季節は特におすすめですよ。

ワイナリー&レストラン Fermier

新潟県新潟市西蒲区越前浜4501

0256-70-2646

11:00-17:00(コース料理L.O.14:00)

火曜他休

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