プライベートゾーンは触らない・触らせない!覚えておきたいNO・GO・TELL【12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育】
プライベートゾーンは触らない、触らせない
自分の体は自分のものであり、他人が許可なく触ってはいけないものです。とくに触ってはいけないところを、「プライベートゾーン(自分だけの体の大事なところ)」といいます。
他人(家族も含まれる)が許可なく勝手に触ったり、触らせたり、見たり、見せたりしてはいけない部分のことです。基本的には、水着で隠れる胸、性器、おしり、さらに口です。ここは、命にかかわる部分でもあるので、大切にしなければなりません。男の子でも、胸はプライベートゾーンになります。
プライベートゾーンについて伝えるべき明確なタイミングはないのですが、男の子と女の子で体に違いがあると気づき、自分の体に興味をもちはじめる2~3歳あたりがおすすめです。お父さんとお母さんの体の違いが気になったりしたときなど、プライベートゾーンがあること、とても大事なところだから他人が勝手に触ったりしてはいけないことなどを教えてみましょう。
最近では、保育園や幼稚園などで、夏の水遊びやプールの前に子どもたちに教えるという園も増えています。
また、小さい子どもであれば、プライベートゾーンをテーマにした絵本を読み聞かせてもよいでしょう。
家族であっても、子どもの許可なく触るのは要注意。小さい子の場合、おむつ替え、体を洗う、トイレでふくなどのお世話で必要なときもできるだけ声がけをするようにしましょう。「うんちが出たから、おむつ替えをするよ。おしりを触るよ」「大切なところだから洗うけど、できるようになったら自分で洗うようにしようね」と小さいときから、折にふれて声がけしてみましょう。
幼児くらいになると、おしり、ちんちん、おっぱいなどと連呼するのが楽しくなる時期があります。そのときにも、「ママのおっぱいもプライベートゾーンだよ。触ってほしくないな」「スカートやズボンの中は、大事なところだから、誰であってもめくったらダメだよ」「必要なときは病院で見てもらうこともあるよ」と教えるようにしましょう。
一度いったところで、すぐに理解しないかもしれません。生活のなかで、くり返し伝えていきましょう。そうすることで、子どもも「大事なところなんだな」「勝手に触ったらいけないんだな」「自分の体は大事なものなんだ」と少しずつ理解をしていくでしょう。
プライベートゾーンについて教える
コミュニケーションとして、子どもが小さいときにおしりをなでたり、触ったりした経験があるお父さん、お母さんもいるでしょう。愛らしくてつい触りたくなる気持ちはとてもよくわかりますが、性教育という観点からは、これはちょっと避けたいところ。おしりを触られるのは楽しいこと、コミュニケーションの一環だと子どもが理解してしまうと、他のお友達や他人に触られたりしても「遊んでいるんだろう」「イヤだっていったらいけないかも」と思ってしまい、本当はイヤなのにダメといえなくなってしまうかもしれません。
また、相手がイヤがっていてもこれは楽しい遊びだから、と触ってしまうかもしれません。
さらに、小さいころの家族との遊びのなかで、くすぐりなどがあります。楽しく笑っていても「やめて」と子どもがいっていたら、やめましょう。やめたあとに、子どもが「続けていいよ」といわない限りは、そこでやめるようにしましょう。「やめてといったら、やめてくれた」という流れが大切です。子どものイヤだという気持ちを大人が受け止めるということをくり返すことで、今後、イヤだと思ったときにちゃんとやめてといえるようになります。
覚えておきたいNO・GO・TELL
プライベートゾーンを許可なく触ってきたり、見せてといってきた人がいたら、にげるように教えるのも大事です。「NO・GO・TELL」としてくり返し伝えましょう。イヤだ、怖いと思ったら、拒否をする「NO」。大声を出して、にげる「GO」。守ってくれる大人に助けをもとめる「TELL」。
プライベートゾーンについて知っていれば、許可なく触ろうとしてくる不審者や性犯罪者、NOといいにくい関係の相手などとあったときに、おかしいと気がつく判断のひとつになります。プライベートゾーンではなくても、頭や肩を触られてイヤだった、ひざに座るようにいわれるのがイヤだったなど、自分がイヤと思うことには、NO・GO・TELLという対応をとってよいのです。自分の体に誰がどのように触っていいか決めるのは、自分だけなのです。他の人に、決める権利はありません。
ONE POINT
【出典】『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』著: 高橋幸子