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カレーにワサビ、ウナギまで飲料に 「あんな商品…」と言われた“変わり種” 売れ続けるワケ

Shizuoka

「うなぎコーラ」も話題に(木村飲料提供)

■島田市の「木村飲料」 カレーラムネが100万本超の大ヒット

カレーやウナギ、ワサビにチョコレート菓子。常に想像を超える組み合わせで消費者を驚かせてきた。静岡県島田市に本社を置く飲料メーカー「木村飲料」は、「変わり種」の商品で一気に知名度を上げた。100万本を超える大ヒットがある一方、“尖りすぎて”販売が伸びなかった商品も少なくない。成功も失敗も、全てを楽しむ遊び心が社内に根付いている。

どんな味?異色のコラボ実現 今年10月には「チョコバットサイダー」を発売

木村飲料の代名詞にもなっている「変わり種」のサイダーやコーラ。そのきっかけは、意外な出来事だった。木村飲料の木村英文社長が20年以上前に海外の展示会に行った際、まだ日本には上陸していなかったエナジードリンクを目にした。

「これが世界で一番売れている炭酸飲料なのかと。こんなにユニークな炭酸飲料が売れるのであれば、私の好きなカレー味のラムネを出してもバチは当たらないだろうと思いました」

展示会から帰国した木村社長は早速、カレー味のラムネに取り組んだ。開発していると、カレー以外にも炭酸飲料と組み合わせたらおもしろそうな商品を次々と思い付く。木村社長は、変わり種商品の定番化を見据えながら、まずはカレーラムネとわさびらむねを発売した。

大ヒット商品「カレーラムネ」と「わさびらむね」(木村飲料提供)

■辛さで工場内が大混乱 ゴーグルと毒ガス用マスクで製造

消費者の反応は予想以上だった。10万本売れればヒットと言われる中、カレーラムネの販売本数は100万本以上、わさびらむねは50万本を超えた。容器の製造が間に合わず、注文を断らざるを得ないほどだったという。木村社長が振り返る。

「周囲からは『あんな商品を出したら、木村飲料は大変なことになるぞ』と言われていました。ところが、商品は大ヒットしました。全国からほしい、ほしいと言われましたが、もう容器がないのでつくれませんと謝るしかありませんでした」

木村飲料のユニークな取り組みは、業界に新しい風を巻き起こした。関西ではキムチやたこ焼き、東北では牛タンやずんだなど、全国各地で地元の特徴を打ち出したフレーバーが続々と登場した。木村飲料は、こうした個性的な飲料の潮流を切り拓いた存在なのだ。

大ヒット商品誕生の裏側には、失敗や試行錯誤が隠れている。カレーラムネも、そうだった。最初の試作品は「カレー味なのに辛くない」、「パンチが弱い」という理由で、“追試”となった。そこで辛さを増すためにスパイスを加えた。すると、今度は辛さが強すぎて工場内が大混乱した。木村社長が記憶を蘇らせる。

「スパイスのにおいが工場内に充満し、鼻も喉も痛くて、涙も止まらなくなりました。工場の製造担当はゴーグルと毒ガス用マスクのようなものをつけて作業していました」

ユニークな商品を次々とヒットさせる木村飲料の木村社長

■サクラエビサイダーの味は… インパクトで知名度アップ

商品化しても全く売れない“失敗作”も少なくない。「桜えびサイダー」も期待を裏切った商品だった。木村飲料は「生のサクラエビ」をイメージして開発したが、消費者は「えびせんべい」の味を想像していたという。そのギャップが大きく、販売は伸びなかった。木村社長は「静岡市では生のサクラエビを食べているのでサイダーにしても違和感がありませんでしたが、干して食べるものと認識していた人たちにとっては不気味な味だったようです」と話す。

サイダーは素材の味を生かす時に向いているという。サクランボやバナナを使ったサイダーは好評だった。一方、ウナギやお茶のようにクセがある食材はコーラと合わせると相性が良い。木村社長は「桜えびコーラにすれば、生臭さが消えて飲みやすくなったと思います。サクラエビのきれいな桜色を出したくて、透明なサイダーを選んだら味が受け入れられなかったですね」と語った。

売上は芳しくなくても、桜えびサイダーの衝撃は絶大だった。木村飲料が昨年4月に始めた公式Xには、「あの桜えびサイダーの会社ですよね」と反応があった。木村社長はサクラエビの復刻をあきらめておらず、「次はコーラにして販売したいです」と意気込む。

カレーラムネの大ヒットから約20年経った今も、木村飲料は消費者を驚かせる変わり種を追求している。今年10月には、浜松市にある三立製菓のロングセラー「チョコバット」とコラボした「チョコバットサイダー」を発売。既存のお菓子をそのまま炭酸飲料で再現するのは初の試みだった。飲料の味は消費者を満足させる要素となる。ただ、口にする前から驚かせてワクワクさせるインパクトは、それ以上に人々を楽しませる。

(間 淳/Jun Aida)

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